バース・デイ

#魔女集会にて団欒を

魔女……ジェス ???歳
光属性の魔女。レモンフィズ色の髪色に薄い桃色の目をしている。
サフールの助けを呼ぶ声につられてあらわれ、彼の思いに魔女としてこたえた。それからはサフールと共に生活している。
しかし、魔女狩りがはじまり、珍しい髪色と目をしているためにジェスも疑われてしまった。


拾われた子……サフール 7歳→24歳
ジェスのことを姉さんと呼び、恋愛感情を抱いている。自分を助けてくれ、拾ってくれた気高い魔女、ジェスが大好き。体は大人なのに、中身は子供っぽい。

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《どの声がどうというこだわりはないので、やりたいようにやってください!》

「()」 :モノローグ
「」   :台詞
無印、():注釈

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サフール「(僕の家は貧乏で、なのにお父さんは働こうとしなくて、お母さんはいつの間にかいなくなった。だから、僕は外で物乞いをして暮らしていたんだけど、家に帰るのが怖かった。そこには悪魔がいるから)」
※悪魔=父親のこと。


SE//ドアを開く音*きしむ音ゆっくり


サフール「た、ただいま……」


サフールはおそるおそるドアをあけて中に入る。
寝ているはずの父親に悟られないために。

SE//足音*サフール 床、軽め
SE//衣ずれ*サフールが父親に気付いて顔を上げる


サフール「……、あっ、おとうさっ」
(お父さん、といおうとして髪をつかまれ痛さに顔をゆがめる)


しかし、父親は起きていてすぐにサフールのもとへとやってきた。
乱暴に髪の毛をつかみ、サフールが嫌がっても力をゆるめるどころか勢いのまま床に押し倒した。

 
サフール「やめて、やめてっ……あ、んっ、ぐ!」


SE//衣ずれ*激しく、暴れる音

父親は馬乗りになってサフールの首をしめる。


サフール「や、めっ……ん……」(首を絞められて息ができないことに苦しみながら言葉を絞り出そうとする)

サフール「(やめてといっても、やめてくれなかった。だからかな。背中に生え始めた骨に、僕は気が付かなかった。床にあたる感触ではじめて気が付いた。父親が悪魔なら、僕もまた、悪魔。そう思って諦めたときに、あの人の声がこだました)」

ジェス「悪魔になりたいの?」

サフール「え……」

サフール「(息ができなくて目も閉じているというのに、しゃべらせようとしているその人の声は不思議と心地いい。最後の力を振り絞って目をあけたら、見知らぬ可憐な魔女がお父さんの後ろにいて、桃色の目があやしく光っていた)」

ジェス「答えなさいよ。自分の大嫌いな人と同じになっていいの? 今ならあんたを拾ってあげるわ」

サフール「と…さんと……。いやだ……いやだ、いやだ、いやだ、いやだあああああ!!!」(悪魔になんてなりたくない、という強い信念のもと)


そんなサフールの気持ちに答えるかのように、光が輝きだした。
レモンフィズの髪色、薄い桃色の瞳をもつ魔女は嬉しそうに笑った。


ジェス「よくいったわね(褒め言葉)。私は魔女のジェス、あなたの願いをきいてあげる!」


SE//光、フェードアウト

//シーン転換//

SE//環境音、風の音、フェードイン
SE//雑踏


先を行くジェスはサフールが止まったことに気が付き、引き返してきて声をかけた。


ジェス「ちょっと、サフール! サフール?」


SE//衣ずれ*ジェスがサフールの腕をぐいぐいorパンパン


サフール「あ、ごめん、ジェス姉さん」

ジェス「どうしたの? 急いでるのよ、大丈夫?」(後方を気にしながら)

サフール「うん。ごめんごめん、手をつながないとね」

ジェス「嫌。拾ったときより歩幅が大きくなっちゃったから追いつけないのよ。私を見下ろせるんだから見晴らしいいでしょうね」

サフール「うん、小さい姉さんかわいい」

ジェス「そうじゃなくて」

サフール「分かった、疲れたんだね。おんぶするよ」

ジェス「違うってば!💢 やっぱりどこかに頭ぶつけた?」

サフール「はは、大丈夫だよ。さっき、思い出してた。ジェス姉さんとあったときのこと」

ジェス「え? ああー、あんなに助けを呼ぶ声聞いたら無視できなくってさあ。私、光の魔女だから!」


サフールの言葉に、ジェスは明るく笑って返す。サフールも頷いた。


サフール「うん。助けてくれてありがとう」

ジェス「それ聞き飽きたから次言ったら絶交ね。国交断絶するから」

サフール「え、えっ、僕、国だったの?」

ジェス「ものの例えよ!!」

サフール「ジェス姉さんに嫌われたら生きていけない死ぬ」

ジェス「嫌いだなんて一言もいってないでしょ!!!」

サフール「じゃあ好き?」

ジェス「はいはい好きです」

サフール「愛がない」

ジェス「しつこいわね!!」


SE//銃声*2発〜3発
*のどかな雰囲気消える


ジェス「っと〜、のんきにしてるから追いつかれるでしょ! ほら、走って!」

サフール「え、うん!」


SE//足音*ヒールと革靴

サフールとジェス、走りながら会話を続ける。


サフール「ジェス、姉さんっ、魔法で、逃げなよっ」

ジェス「だめ、よっ、あいつらはっ、魔女狩りしてんのよ! 魔法なんて、使ったら、一発アウト!! あくまでもっ、一般人を装うの!!」

サフール「おいかけ、られ、てる、時点で、ダメな気もっ、するっ」

ジェス「それはっ、たしかにっ、そう、かも!」


SE//走る足音止まる*革靴*サフール


サフール「だから、僕が相手する!」


SE//キキキキーというブレーキ、ギャグ音。↓と一緒に


ジェス「はあああああ?!!?!!? ちょ、サフール! 相手は武器持ってんのよ!」

サフール「ジェス姉さんに助けてもらったのに、僕はまだ姉さんを守れてない!」

ジェス「そんなこと今はどうだっていいの!!」

サフール「よくない!! ジェス姉さんがいないと、僕は悪魔になってたんだよ! 大嫌いな父親と同じになってた、自分が嫌いなものになりかけてた、目を覚まさせてくれたのはジェス姉さんだ!」

ジェス「そうはいってもだめよ、死なせるのだけはごめんよ! 私が助けた命なんだから!」

サフール「死なないよ。僕が死んだらないちゃうでしょ? 泣かせたくないし、助けるから絶対死なない」

ジェス「……分かったわよ、仕方ないわね。だったら私も戦うわ」


ジェス、サフールの決意に観念し自分もサフールの横にならぶ。


サフール「姉さん!」(嬉しそうに)

ジェス「魔女と親しいから悪魔? 悪魔なのは人のことを理解しようとしない狂気にとらわれた自称"正常"な人のことよ。そいつらのいう正常なら、(サフールを見ながら)自分の子供を虐待しないし、(自分の体を見ながら)刃物で体も心も傷つけないし、(自分たちをおいかけてくる人を正面からながめながら)こうやって殺すことを目的に人をおいかけてきたりしない!」


SE//光の音
SE//カラン、という剣が落ちる音(金属)


サフール「姉さん、これ」

ジェス「私は魔法で戦うわ。サフールはそれで戦いなさい」

サフール「……うん!」

ジェス「魔女狩りで得するのは悪魔よ、サフール。あんたの大嫌いな悪魔。そんなやつに殺されるのもあんたが死ぬのも嫌だからがんばってね。私が死んだらもう拾ってあげられないんだから」


SE//剣を抜く音
SE//構える音


サフール「だからいってるだろ、しなせないって」

サフール「(ねぇジェス姉さん。僕はあの日、姉さんがいったことをずっと覚えてるよ。愛するものを守れる強さが本当の光となるんだって。だから、僕はジェス姉さんの光であるために愛するあなたを守ってみせる)」



End.

【お借りした素材】ありがとうございます!
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羽: http://www.geocities.jp/meitoumuku/ 
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