令和2年論文式試験 素点&答案開示

1.はじめに

いきなり本題に入りますが、令和2年論文式試験の科目別の素点と採点前答案が届きましたので、この場で私の所感とともに共有いたします。
「どの程度の答案でどれくらいの偏差値になるのか」という情報は意外と出回っていないので、受験生の方にはある程度有用なのではないかと考えています。

私が公認会計士試験に焦点を当ててnoteを執筆するのはこれが3度目になりますし、おそらくこれを見てくださっている方の大半はいずれかのnoteをご覧になっていると思われますので自己紹介などは割愛します。

念のためこのnoteで初めましての方のために宣伝(?)をしておくと、前の2本では短答式試験・論文式試験それぞれについての独学勉強法に焦点を当ててnoteを執筆いたしました。もしよろしければこちらも読んでみてください!

さて、このnoteは私の素点と答案(計算部分など採点できるものは自分でしました)を記載するだけのものですので、全文無料とします。
また、今までのnoteよりは多少フランクに書き連ねていきたいと思います。
それでは行ってみましょう!

2.会計学(午前)

第1問がこちらになります。素点30/50点,偏差値は54.8となっています。
今年は第2問が難しかった反動で、多くの受験生が比較的得点しやすい第1問に時間を割いたのでしょう。自分としては失敗をしたという感覚はなかったので、偏差値55を割っていたのは正直予想外でした。

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まぁなんか全体的に理論がイマイチですね(笑)
計算は1-1ほぼ完答、1-2は完答なのでそんなに文句はないです。1-1の理論がもう少し取れているつもりでしたが今一歩及びませんでしたね。
先ほども述べましたが、どちらかの大問が極端に難しいともう片方の大問のボーダーが上がるのでしょうね。

第2問がこちらになります。素点26/50点,偏差値は80.6となっています。
得点開示を見たとき「80.6!?!?」ってなりました(笑)
第2問のボーダーが低いとは言われていましたが、まさかここまで低いとは...って感じです。なんかこれはもう半分ラッキーパンチです。

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2-1は時間が足りなくて後半手つかずです。問3設問1の「例外管理」は取れるべき問題だったそうですが、自分は知りませんでした(笑)
2-2はおそらくこの好成績の立役者ですね。1-1,1-2をそこそこにして時間をかけた甲斐がありました。計算は完答、理論も計算で導いた数値が合っているので相当程度点数がついていると見込まれます。素直に嬉しい。

管理会計論はこのように大きく偏差値が跳ねることがあるので、得意な方は武器にしたい科目ですね。他の科目で偏差値80というのは大問ベースでも不可能な科目がほとんどなのではないでしょうか?


3.会計学(午後)

第3問がこちらになります。素点44/60点,偏差値は62.0となっています。
論文勉強法noteにも書きましたが、財務は第3問で稼ぐ戦略が合理的だと考えていたので、作戦通りになって嬉しいです。

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問題1の個別CF計算書を完答できていないのが悔やまれますね。特に「減価償却費」が書けていないのは隠蔽したいくらい恥ずかしいです(笑)
問題2のソフトウェアは冠婚葬祭でしか会わない親戚くらい久しぶりでしたが、なんとかなりました。
私の素点を見る限り、やはり第3問の計算は1問3点配点されている可能性が高いですね。


第4問がこちらになります。素点31.5/70点,偏差値は52.07となっています。
明らかに〇なものと×なもの以外は自己採点していません。

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まあこんなもんだろうという結果ですね。あまり意外ではない偏差値で言うことなし!
受験生の方は後で過去問を見てほしいのですが、最後の問題4は合格者はほぼ完答していると思われます。財務理論が得意というわけではない私でもわかるくらいのボーナス問題でした。


第5問がこちらになります。素点29.5/70点,偏差値は53.36となっています。
手応え的には正直もっと偏差値があると思っていたので意外だったのですが、開示してみたら素点が想像以上に低かったです。

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問題1はまずまず、問題2も時間がないながらなんとか埋めたと思いましたが、問題3の理論が意外と低精度でした。(少なくともTACの解答とはズレている記述が多かったです。)
なんとかボーダーを超えているので良しとしましょう。
私の素点を見る限り、やはり第5問の計算は1問1点しか配点されていない可能性が高いですね。B/Sには配点がないところもあるかもしれません。


4.租税法

第1問(理論)がこちらになります。素点29/40点,偏差値は66.75となっています。
正直本番後の自己採点では33~34点あると思っていたのでかなり意外でした。問題1も問題2も20点配点があると予想して、小問ごとに改めて自己採点してみました。

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問題1、問題2の構成が令和元年までと若干変わりましたよね。来年以降もこの構成なんですかね?
私の素点を見る限り、問題2の採点がやや辛口な気がします。この点数でも偏差値66.75ということは全体的に採点が辛いのかな?


第2問がこちらになります。素点41/60点,偏差値は70.08となっています。
実はこれ、TACの解答で自己採点すると素点40点になるんですよね...
所得税で指示があいまいな出題があったとどこかで聞いたので、所得税のどこかで別解を認められているのかもしれません。

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法人税23/30 所得税7(?)/15 消費11/15
いやー所得税難しかったなああ。。。
最近の傾向として所得税か消費税のどちらかが難しいらしいので、今年は所得税だったんですかね?
とりあえず租税計算は本当に時間が足りないので、手が止まったら飛ばしましょう!!


5.企業法

第1問がこちらになります。素点22.5/50点,偏差値は51.5となっています。
正直もっと偏差値いくと思ってました(笑)

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よく見ると問題1でおかしな回答をしている(売主追加請求権を排除しなければならないのに、売主追加請求権を与える必要があると言っている)のでこれが原因だと思われます。何やってんだか(笑)
問題2は特定引受人という論点には気づけてなんかいろいろ書いてるので耐えているはず?


第2問がこちらになります。素点27.5/50点,偏差値は61.9となっています。
こちらは正直こんなに偏差値いくと思っていませんでした(笑)

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2-1は基準日に触れて論述しました。予備校の解答と違ったりもするのですが、理路整然と論述している(はず)点が評価されているんですかね?
2-2はほぼ完答だと思いますが、おそらく大半の合格者はそうでしょう。確実に取らなければならない問題ですね。


6.監査論

第1問がこちらになります。素点29/50点,偏差値は71.2となっています。
全ての大問でこの大問の成績が一番意外でした。論文noteに書いた戦術がハマったんですかね?
TACの解答と見比べましたが、割と異なる論述をしていて素点と整合しなそうだったので自己採点していません。

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問題1は典型題ですね。ここを落とすと足どころか胸くらいまで切られそうです。
問題2,3は部分点を獲得したいですね。正答はできずとも×だと結構しんどいかもしれません。
問題4は差がつく問題かもしれない。(自信ない)


第2問がこちらになります。素点14/50点,偏差値は50.7となっています。
笑ってしまうくらい素点が低いですね。これでも偏差値50あるというのが大きな収穫です(笑)

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おそらく問題1のF/S全体レベルのリスクと問題3の「会計上の見積りが特に検討する必要がある理由」は取れないといけない問題でしょう。
というか自分はそこくらいしか点数が来ていないような気もしますが...
事例問題は守る分には意外と簡単かもしれません。攻め方は他の方に聞いてください。。。


7.統計学

(統計学は第7問・第8問と割り振られていますが、便宜上第1問・第2問とします。)

第1問がこちらになります。素点45/50点,偏差値は56.9となっています。

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問題1と問題3はほぼ満点が当たり前の世界で、実質問題2の20点のみで勝負が決まる大問でしたね。
確かに簡単でしたが、母集団のレベル高すぎますね...
素点45/50点で偏差値56.9は夢がなさすぎると思います(笑)

第2問がこちらになります。素点39/50点,偏差値は56.3となっています。

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問題1と問題2はほぼ満点が当たり前の世界で、実質問題3の20~30点のみで勝負が決まる大問でしたね。
問題3は割と失点してしまっているので超上位層の方々とはこの辺が違うんだろうなぁと痛感いたしました。


8.おわりに

いかがでしたでしょうか。
私も受験生の頃は合格者の答案開示ブログなどを見て、科目分析の参考にしていました。このnoteがこれから論文式試験を受ける皆さんの参考になれば幸いです。
Google検索で上位に表示されるとうれしいので、おすすめやシェアなどしてくださるとありがたいです!無断転載大歓迎です(笑)
それでは~!

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