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短く書けない

悩みがあります。

私は文章を書くのが好きなので、毎度PCの前でうきうきしながら指を動かしています。ただ最近、短く文章をまとめられません。どうやったって、ああ3千字、ああ4千字、と文字だけが前に進んでしまいます。致命的です。

人は短い文章を求めます。それに対して、私の文章は京都銀行レベルで長いです。そして、恐らく読み終わっても、「なんじゃあこりゃあ」と某テレビドラマの名台詞を吐き捨てたくなるほど、特段無益なものを書いています。

皆さん、そんな暇じゃあないでしょう。読んで面白いかどうかも分からないのに、時間なんてかけたくないでしょう。私のように終日だらだらと怠惰を貪る不届きものもいるでしょうが、大半の方は日々仕事に追われるビジネスパーソン、少なくとも目の前の義務を果たさんと邁進する方々であると推察されます。そんな多忙な毎日の合間を縫ってnoteを開くのですから、それ相応の対価が必要でしょうし、なくてはならぬとも思います。この対価は生活に役立つライフハックかもしれないし、ベンサム的な快楽かもしれません。人によってその求める対価は異なるでしょうが、だからと言ってその基準が千差万別の混沌の中にあるという訳ではなく、ほとんどの方には共通した目的、読む原動力とも言うべき理由が備わっていると思われます。だから多くの方に読んでもらいたいならば、その共通する需要を、効果的に満たせば良いということです。

ここで、私の考える効果的な文章を申し上げます。

①内容が良く、文章量が少ない。
②内容が素晴らしいほど濃く、文章量が多い。

これはシンプルに、費用対効果の観点から考えました。つまり、コスト(時間)に見合うだけの対価(内容)が得られるかどうか、ということです。

他の方の記事は、大体上記の通りになっています。ちらりとのぞき見すると、ほとんどの方は言いたいことをきっちりとまとめておられます。目次があり、序論があり、本論があり、結論があり。美しいほど起承転結に、且つ短くまとめられています(①)。勿論、他にも文章が長い方はいらっしゃいますが、その方々の大抵は目を見張るほどの濃い内容を書き、そして明瞭な読む目的を提示しておられます(②)。だから読み進める手は止まることを知らず、瞬きを忘れて見入ることさえあります。読み終わった後の爽快感、ある種の陶然とした心地よさは、忘れられないものであります。

しかし私はそんな皆さんの需要に応えられるほどの知識と思考回路を持ち合わせておりませんゆえ、出来るのは頑張って①のみであろうと思われます。

じゃあ、短く書けばいいじゃん。ここまで読まれた方はそう思われるでしょうが、それが出来ないのです。それが私の難敵なのです。

まず、言葉が頭の中に溢れてきます。あれも書きたい、これも書きたい、と思いつくがままに指を動かしていくと、歪なキメラのような文章が出来上がってしまいます。これではまずい、と思って順番を変え、いらぬところは切り捨て、綺麗に散髪していきます。しかしこれまた面倒くさいことに、私は文章を消すのが苦手です。断捨離がひどく苦手な性分であるためか、私は一度書き上げたもの(愛着がつくもの)を消し去る勇気がございません。後でいるんじゃないのかな、消すほどでもないんじゃないかな、などと悠長に甘やかすものですから、どんどんキメラは醜く肥えていき、手が付けられないほどに成長してしまいます。終いに創造主(私)の手を噛みついてくるのですから、愛着というのはひどく厄介な感情であります。

そして最も問題なのは、この厄介な「愛着」という感情が、「多くの人に読んでほしい」という承認欲求をも凌駕してしてしまうほど、強大な力を有してしまっていることです。私だって人間の端くれですから、「他者から認めてもらいたい」という内なる承認欲求と日々闘っております。しかしその闘争すら無に帰せんとするブラックホールを腹に抱えているのが、この「愛着」という漠然とした宿敵、粘り気たっぷりの執着です。この本能に似た感情に抗うのは、至難の業です。

ではどうすれば良いのでしょうか?答えは意外と簡単で、努力しましょう、ということになります。「愛着」が捨てられないから捨てる努力を怠って良い、ということにはなりません。人間は日々前進しなければなりません。つまりこの文章で言いたいことは、「俺、頑張る」ということです。以上です。呆気ないことこの上ないです。ここまで読んできて「は?時間返せ」と思った方は、今すぐ家の断捨離をするのがよろしいかと思われます。このしょうもない結論まで書くためにそろそろ2千字に辿り着こうとしているのですから、私の「愛着」も来る所まで来たようです。

そろそろ書き始めて1時間半が経過します。これ以上書くと同じ過ちを犯してしまい、需要の欠片もないような文章を皆様の眼に晒すことになってしまいます(このままでも需要がないとは思いますが)。それは忍びないので、この辺りでお暇したいと思います。

ここまで駄文を読んでいただきありがとうございました。

失礼します。

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