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小国町に魅せられて。知らないことだらけの世界に飛び込むおもしろさとは。

小国という町に惹かれ、以前から興味のあった林業を始められた磯畑さん。未知の世界に飛び込む楽しさとやりがいについてお聞きしました。


人物紹介

<話を聞いた方>

磯畑 徳幸(いそばた のりゆき)さん
鹿児島県出身で、東京の半導体の会社に就職し13年働く。2021年に以前から興味を持っていた熊本県小国町に移住し、林業を始める。

<インタビュアー>

長迫 凜(ながさこ りん)
熊本県山鹿市出身。熊本学園大学外国語学部4年生。大学では、学生広報スタッフで活動し、大学が発行する広報誌の一部を作成している。


林業への転職

長迫磯畑さんは、前職が全く異なった仕事だと伺いましたが、以前はどのような仕事をされていたんですか。

磯畑さん:東京の半導体関連の会社で13年間働いていました。最初の4、5年は半導体の工場に勤務しており、その後、その会社の人事関係の仕事に就き7年働きました。半導体の仕事も、ものづくりの仕事でしたが、半導体は1つの工程でしかなく、最終的な製品を見たことが一度もなかったので、自分がやったことの成果がわからなくなっていたんです。

そんなときに、東京の「高尾山」という山に出会い、山に興味を持ち始めました。もともと山好きだったというわけではないのですが、登山道がたくさんあり、見る角度によって異なる、「高尾山」の美しさに惹かれ、山で働いてみたいと思うようになりました。山で働ける仕事について調べて、林業という仕事にたどり着きました。

前の会社は、給料がよかったため、転職を決める際、収入が減ることは覚悟しました。前職の仕事は、残業が多く自分の時間が持てない仕事でもあったため、残業がなく自分の時間を確保できる「林業」に転職を決意しました。高収入よりも働きやすさとやりがいを選んだんです。

長迫林業も小国町も知らないことだらけですよね。新しい世界に飛び込むことは怖くなかったのですか。

磯畑さん:不安な気持ちと楽しみな気持ちの半分半分でした。でも、知らないことを知ることが楽しいという気持ちの方が強かったかもしれません。林業については、ほとんどが知らないことでしたが、経験を積んでどんどんわかることが増えるととても楽しいです。

小国についても、知らないことばかりでしたが、転職前に組合の方達と会ってお話した時に、「悪い人はいない」と思いました(笑)。今は、地域の方々と仲良くなるために地元の子どもたちと卓球をするなど、積極的に小国町のコミュニティに参加しています。

小国町を選んだ理由

長迫林業をできるところは、たくさんありますが、その中でも熊本県の小国町に決められたのはなぜでしょうか。

磯畑さん:中学校の時に、一度だけ小国に行ったことがあり、杖立温泉街で開催されていた「こいのぼり祭り」に感動して、「いつか小国町に住んでみたい」と思っていたんです。住んでみたいまちと、やってみたい仕事が一致したのがここでした。不思議な縁ですね(笑)。

小国町は、都会に住んでいたころのあわただしい雰囲気とは真逆で、自然が多く、ごちゃごちゃ考えることなく落ち着いた生活をできることが自分に合っているなと感じました。また、転職活動中に見た小国町森林組合のWEBページが魅力的に見えたんです。採用情報が詳しく載っていることはもちろん、労働条件や待遇まで公表してあり、信頼できる会社なのかなと思いました。また、他の組合とは違い、社員の方の働く様子や人となりまで紹介されてあったので、自分の働くイメージを想像でき、見学に行きました。見学に訪れたときに、実際にチェーンソーで切り倒しの体験をさせていただいたんですが、木が倒れた瞬間の爽快感が気持ちよくて。「すごい世界だ」と思い、ここで働こうと決めました。


林業の仕事

長迫林業の仕事に就いて2年目だとお伺いしましたが、実際にどのような仕事を任されているのですか。

磯畑さん:木の切り倒しや採材、運搬等を行っています。1年目の最初のころは、チェーンソーの資格がないため、一人でチェーンソーを持つこともできませんでしたが、今は任せてもらえる仕事も多く、やりがいを感じて働いています。また、2年目になり、今までやってきた仕事も、その作業が何のためにやるのかを、より理解して行えるようになったため、楽しいです。

長迫2年目ということで、できる作業も増えてきたとおっしゃっていましたが、実際に磯畑さんの一日の流れを教えてください。

磯畑さん:だいたい出勤するのは、一般的な職業の方と同じように、朝の8時です。一度事務所に出勤し、そこから8時半、9時前ごろに現場の山に出向きます。そのあとは、ひたすら木を切る作業です。丸一日、夕方4時まで山で作業を行っています。

林業の仕事は、体力的にしんどいこともあります。特に、植栽した苗木が健やかに育つように下層部に生える雑草や雑木を除去する「下刈り」という作業は、体力を消耗するので、きつい仕事です。また、林業の仕事は、基本的に雨の日も雪の日も同じ仕事を行うので、天気のいい日に比べて大変です。力仕事がほとんどなので、体力面ではつらいこともありますが、一日の活動時間が限られているので、残業がないことが自分の働き方にあっていると感じます。

長迫2年間、林業をやってこられて、改めて林業の魅力は何だと感じましたか。

磯畑さん:魅力は、自然と向き合って、すごくシンプルでわかりやすい仕事であることだと思います。ひとつひとつの作業は難しいかもしれないですが、木を切って、採材して、出荷するという流れはとてもシンプルです。2年目で、1年目のころより様々な作業を任せてもらえるようになったので、林業の楽しさを実感しています。

長迫そんな魅力ある林業ですが、若い担い手としてどのように成長していきたいですか。

磯畑さん:江田さんのようになりたいですね(笑)。実際、江田さんの現場はすごくきれいで見習いたいと思っています。作業後に現場もきれいにしていることは、山をきれいにしようという姿勢の表れだと感じます。僕も江田さんのような技術力と山を大事にする心を見習いたいです!


林業の未来

長迫最後に、林業の業界について質問させていただきます。今、若い林業の担い手が少ないというお話を耳にします。磯畑さんは林業の未来をどう考えていますか。

磯畑さん:若い人が増えれば楽しいと思います。何事も1人でやるよりは2人の方がいろんな考えが出ます。林業も同じように、担い手が増えればそれだけいろんなやり方を試すことができ、業界も楽しくなりそうだなと感じます。

長迫また、林業の業界には男性が多いと思いますが、女性の方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。

磯畑さん:小国町森林組合には、女性で実際に木を切る人はいませんが、他の地域にはいらっしゃいます。林業は力仕事ではありますが、女性でも使えるような軽いチェーンソーもあるので、今や林業も男性、女性、と制限することではないと思います。道具や機械が進化し、自分にあうチェーンソーが使えますし、重機もあるので、女性でも十分に活躍できる仕事です。機械をうまく活用して、男女ともに活躍できる仕組みを作っていくことで、もっと女性にも働きやすい業界になると思います。僕は、女性と一緒に働いたことがないので、想像になりますが、女性は採材などの細かい作業などで活躍できるのではないかと思います。このように、性別に関係なく、お互いに協力し合いながら、分担しながら進めていくべきだと思います。


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 文:長迫 凜
編集:溝尻 亜由美
写真:田中 大也


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