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自由な働き方と、家族と働く魅力とは

森林組合の直営班としての働く江田さん。自由な働き方や家族経営の魅力について兄の親治さんに話をお聞きしました。


人物紹介

<話を聞いた方>

江田 親治(こうだ しんじ)さん (写真左)
大分県出身。24歳の時に小国町に移住し、小国町で両親が営んでいた林業を引き継ぐ。現在は弟の今朝行(けさゆき)さん(写真右)と家族経営をしている。

<インタビュアー>

黒木 清香(くろき さやか)
熊本県熊本市出身。熊本学園大学経済学部4年生。
大学では広報スタッフとして活動し、広報誌の一部を作成している。


林業について

黒木林業を始めたきっかけは何ですか?

江田さん:元々は、両親が林業をやっていたのですが、祖母の面倒を見るために母親が辞めたことをきっかけに、私も始めました。林業は、29年目。以前は20年程、運送業をしていました。17年前、森林組合から直営班にならないかと依頼があり、悩んだ末、直営班になりました。理由は、将来的に厚生年金がもらえるからです。ひとり娘のため、跡取りのことを考えると、直営班になった方が良いと判断したんです。

黒木どんなところにやりがいを感じますか?

江田さん:土日が休みというわけではく、基本的に、天候が良い日は仕事をします。若い頃は、夏は暑いし、山に登るのもきついのに、なんでこの仕事を選んだのかと思いながら毎日過ごしていました。
ですが、還暦を過ぎたあたりから、携った木が高値で売れたり、山主さんからまた江田さんに家の山をお願いしますと言われたりしたときにやりがいを感じるようになりました。今では楽しいと思えるようになった反面、自分の体力の衰えを寂しく感じています。

黒木きついことや、大変なことはありますか?

江田さん:夏は体温が上がり、体が動かなくなることもあります。昔は、薄い作業ズボンを履いて仕事をしていましたが、今は、チェーンソーが足に当たった時に刃が止まる仕組みの防護ズボンを履いています。

黒木上達するにはどうしたら良いと思いますか?

江田さん:私も最初は、木を倒すのが怖かったです。今は、慣れてきて上達したと思います。木の生え方や状態はそれぞれ違うので、どういう倒し方が安全かは、経験からわかってきます。大きい木を切るのは大変そうに見えますが、ワイヤーで引っ張るなどそれなりの養生をして安全面に気をつけて作業するため、そんなに大変ではないんですよ。小さい木を倒すときは、大きい木より安易に考えてしまう人もいます。そのため、事故につながりやすいんです。今は、機械で行うことも増え、事故は減りました。

初心に帰ることも大事ですね。私は、父から林業を教わったのですが、県の研修に行って技術を学んだことも成長につながりました。

直営班について

黒木正社員と直営班の違いは何ですか?

江田さん:直営班は、機械代、修理代、燃料代、消耗品代などを自分で支払います。一般労働者と同じで、成果報酬型。社会保険や労災があり、事務関係は森林組合がやってくださいます。

黒木森林組合で働いた後に独立して自由に働くのと、社員として働くのは、どちらが良いと思いますか?

江田さん:性格によると思います。人と話すことや、協力して行うことが好きな人は森林組合で社員として働く方が良いですし、仕事の規模を大きくしたいという希望がある人は、独立してやった方がいいと思います。森林組合で技術を学んで、独立した若い世代の人もいます。

いずれにせよ、最初は森林組合に入って安全面や技術をしっかり学ぶことをおすすめします。

家族経営について

黒木家族経営の良いところは何ですか?

江田さん:言いたいことが何でも言えるところですね。兄弟で協力して作業ができ、金銭面の相談もしやすいです。

今朝行さん:兄の仕事ぶりは見習いたいです。兄弟だからこそ、休みの融通が利きます。学校行事なども休めました。社員だったら無理だっただろうと思うくらい、子どもと接する時間が取れました。

黒木林業に転職して良かったことを教えてください。

江田さん:運送業をしていた時は、広島や鹿児島など遠方に行くことが多かったんです。子どもが0歳の頃だったため、小さい時の思い出が少ないです。以前は、家族との時間が取りづらかったのですが、林業を始めてからは休みが取りやすくなり、家族との時間が増えました。
直営班は、森林組合に行くのは月に2回だけで良いんです。

生活について

黒木小国町での暮らしはいかがですか?

江田さん:37年ほど前に小国町に引っ越してきました。運送会社に務めていた頃、その会社の社長が住宅の世話をしてくれ、町営住宅に20年ほど住んでいましたが、妻はその町営住宅に住んでいた頃の住民同士との関係性が好きだったそうです。今は、有志のメンバーと触れ合いながら、皆さんに良くしていただいています。ご近所さんとのコミュニケーションも増えました。私は人見知りですが、小国町は他所から来た人を暖かく迎えてくれる雰囲気があるので、馴染めました。引っ越してきて良かったと感じますね。

黒木お給料について、可能な範囲で教えてください。

江田さん:直営班に入った頃は、3人で仕事をしていたんですが、3人で1千万円くらい。当時は、欲がなかったですね。今は、機械を買った際の借金を返しつつ、自分たちの納得いくくらい給料をもらうために、身を入れて頑張っています。ここ数年は、給料が上がり、小国町の中でも良い方だと思います。

今後について

黒木若い人が林業に興味を持つきっかけは何だと思いますか?

江田さん:興味を持ってくれる人は、なかなかいないですね。きつい、汚い、給料が安いというイメージがあって、若い人には魅力が伝わっていないと思います。山に興味がなければ林業に進む人は少ないでしょう。ですが、実際に体験してみて、林業を知りイメージが変われば、林業を志す若者も増えるのではと思います。

一度別の仕事に就いて、辞めて特にやりたいことがない人は、給料をもらいながら勉強できるため誘いやすいですね。
自然が好き、山が好きという人は卒業してすぐ林業に就くのも良いと思います。

黒木若い人へのアピールポイントを教えてください。

江田さん:私が森林組合に入った頃は、大きな重機などはありませんでした。手作業で仕事をすることが多かったです。ですが今は、オペレーターで操れるような大きな重機が増えました。これは、若者にも魅力的だと感じてもらえるものだと思います。昔の林業に比べたら、やりがいを感じられます。機械の中で行うため、クーラーも効きますし。

今は安全防護服やヘルメットもかっこよくなっていますので、そうした服装で作業するのも、若い人は魅力に感じてもらえるのではないでしょうか。そういったところからも憧れを持ってほしいですね。


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 文:黒木 清香
編集:溝尻 亜由美
写真:田中 大也


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