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「ちょっとしたもの」はまだ秘密

 幡野広志さんの著書『ラブレター』の制作もいよいよ大詰めである。7月16日から渋谷PARCO8階の「ほぼ日曜日」で開催される『幡野広志のことばと写真展 family』で先行販売するので、なんとかそこには間に合わさなければならないのである。でも、もう制作も最終段階まで来ているから、たぶん間に合うんじゃないかなあ……と思う。いや、間に合わせます。

 さて、最後に残っていた印刷。それは特装版の表紙へ差し込む紙への印刷である。何度も書いているけれども、特装版の表紙は封筒の形をしていて、ここにタイトルと著者名を刷った紙を差し込む仕掛けになっている。

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こちらは束見本なので印刷はされていません。

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 さらに、幡野さんのオリジナルプリントも差し込まれる。この差し込む紙も活版印刷することになっているのだ。ただし、タイトルと著者名のほかにも、ちょっとしたものを刷っておくことになっている。
 この日も僕は、もはやお馴染みとなった日光堂へ向かう。日光堂には、前もって藤原印刷で「ちょっとしたもの」を刷り終えた紙がすでに到着しており、ここにタイトルと著者名を押していくのである。もうね、刷るというよりも押すって感覚なんですよ、僕の中では。ハンコだから。

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日光堂のこの機械もだんだんお馴染みになってきました。

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活版であります。何度見てもカッコよいのであります。

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 今回は活版を押す範囲が小さいので、効率よくするために同時に二枚分刷って、あとから断裁することにしてある。なので、同じものが二つ並んだ版を使って印刷していく。

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 こちらが最初の刷りが終わった状態の差し込み紙である。一枚の紙から四枚とれるので、まずは左側の二枚分を刷り、次に版の位置を変えて右側の二枚ぶんを刷る。これをトンボの位置で断裁すれば、表紙に差し込む紙がいっぺんに四枚できあがるのだ。
 事前に刷ってある「ちょっとしたもの」はまだ秘密である。これはぜひ、本文を読みながら見て欲しいと思っている。通常版には入っていないけれど、もちろんこの紙がなくても本文はちゃんと楽しめるので、そこはご安心ください。

 これでいよいよ印刷はほとんど終わった。ほとんどというのは、バーコードのシールなどの直接本には関係ないところが残っているからで、でもまあこれは立ち会わずにお任せしようと思っている。

 さあ、次は製本である。これまで印刷されてきたものが一カ所に集まり、ついに本の形になるのである。明日は製本所へ行ってくるぞ。


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