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浅生鴨の短編Z

月に二本の短編を掲載します。一篇ずつでも購入できますが、マガジンをご購読いただくと、ほんの少し割引になります。あとコメントは励みになります。誤字脱字の指摘も喜んで!(あまり喜ばな…
僕は締切りがないとぜんぜん書かないので、短篇集の担当編集者から「noteで連載しろ!」と強制されて…
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2023年2月の記事一覧

リカバー

 他人に頭を触られるとつい眠くなるのは、はたして自分だけなのか、それともみんなもそうなの…

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浅生鴨
1年前
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祖母のお守り

 古いアルバムが必要になって、普段はあまり触れることのない天袋を開いた古庄敏夫は、見覚え…

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浅生鴨
1年前
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重なっていた

 井間賀がホームへ続く階段をのんびり上っている途中で発車を告げるアナウンスが始まった。 …

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浅生鴨
1年前
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異次元A

 物々しい態度で補佐官が壇上のマイクに近づくと、それまで雑談をしていた会場の記者たちはす…

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浅生鴨
1年前
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異次元B

 物々しい態度で補佐官が壇上のマイクに近づくと、それまで雑談をしていた会場の記者たちはす…

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浅生鴨
1年前
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選択肢は三つある

 井塚が水道料金の支払いを終えてコンビニを出ると、目の前に駐めてあった車のすぐ横に警察官…

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浅生鴨
1年前
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ブラブラしていた

 自分の席に座るなり、街野はオフィスチェアをくるりと半回転させて水色の低いパーテーション越しに伊福に話しかけた。 「いまエレベーターで飯尾さんに会ったの」  それまで真剣な眼差しでパソコンのモニタを見つめていた伊福がゆっくり顔を街野に向ける。 「飯尾さんって、拓也さんのほう?」 「そうそう。常務になったほう」 「あの人、いきなりすごい出世だよなあ。うーん」  伊福の手がキーボードからすっと離れた。両手を頭の後ろで組んで、体を椅子の背もたれに預ける。窓から差し込む午後の光が眩し

¥100

もかてん

 瀟洒な洋館の出窓には小さなステンドガラスが填め込まれていて、色ガラスを通った春の陽射し…

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浅生鴨
1年前
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やわらかなハードボイルド

 水の中からいきなり引き上げられ見知らぬ男の手に乗せられた豆腐は、自分の身にいったい何が…

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浅生鴨
1年前
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