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感情は自分でも見えない

以前、仕事で先輩と少し突っかかって言い合ってしまったことがある。 本当に怖いなと感じたのは、その場では冷静に返答しているつもりだったことだ。 自分が頭に血がのぼって冷静とは程遠い状態であることに、何と気づいていなかったのである。 何故なのか。 おそらく、冷静に返答することは、私の理想像だったのだろう。事実は腹が立ったことで見えなくなり、それに気づく前に理想像を事実であるかのように見てしまっていたのかもしれない。 人は、世界がすべて自分に都合の良い見え方をするようにできてい

    • 10年後から。

      約10年前。10年生(高校1年生)を2年間過ごした。 その頃、数年間に渡り我が家は、父の数回にわたる病気、入院、手術、退職、貯金取り崩し生活、祖父母の遠距離介護(新幹線で片道3時間の距離に母が多いときは週1で通い、過密スケジュールをこなし夜中に帰ってくる生活…)等々が重なり、まさに綱渡りの精神状態と体調で、家族みんなが文字通り必死だった。 家でも互いにストレスと疲労で口争いが絶えず、部屋で声を殺して泣き、何時間も文章を書いた。部屋にいてドアを閉めていても、時にドアをドンド

      • 全部気圧のせい。

        低気圧で具合が悪くなる。 そんな話は、わりと一般的に聞く。 数年前までは、何を言ってるのか全く理解できなかった。ある日突然、すごく影響するようになった。 ・ガンガンと響くような頭痛。後頭部に大きな石を乗せられたように頭全体が重たい。 ・からだが怠くて重くて、時に起き上がることすらも難儀になる。 ・息ができないような感覚で苦しい。吸っても吸っても酸素を取り込んでいる気がしない。(医学的にはちゃんと問題なく呼吸しているのだろう…) ・重力がどちらに向いているのかわからない感覚

        • HSP 〜繊細な感性について〜

          5人にひとり。 親友さんが教えてくれて、初めて知った「HSP」という概念。 病気や障害などではなく、先天的に繊細な感覚を持っている傾向がある人のことらしい。 自分がHSPに属するかどうか。 それは、明確に分かんなくてもいいし、どちらでも別にいいなと思う。 わたしが自然体で、楽しく生きられる方法を、わたしが分かってあげていればそれでいい。 HSP診断↓ わたしは98だった。強度にかなり近い中度。 https://hsptest.jp/ 社会は色んな人がいる分、そして色ん

        感情は自分でも見えない

          帰りの電車で、本を読んでいた。

          誰も自分に興味を持たない雑踏の片隅に何ともなしに居座って、ホームで帰りの電車を何本も見送ってしまうことが、よくある。 時には、ちゃんと真っ直ぐ家に帰ろうと意識して電車に乗る。 普段はついスマホを触ってしまうけど、時には、意識してスマホの電源を切り、本を読む。 本は、此処ではない何処かに連れていってくれる気がしたりする。 情景が浮かぶ。 私ではない誰かの、人生のほんのひとかけらが、見え隠れするような気がする。 そうしたら、世界がなんだか優しくてあたたかいものに思えてくる

          帰りの電車で、本を読んでいた。

          独り言。

          泣いていようとも、笑っていようとも。届けきれなかった想いがあろうとも。大切に積み上げてきたものが形を変えてしまっても。 生きている。 人と関わらせていただいている。 大切に思う人たちがいる。 それだけで、それだけで今はもう、充分なのではないですか。 ひとりぼっちのはずなのに、たくさんの人たちに守られているような感覚がして不思議だ。きっと、実際そうなのだろう。 孤独は時に身を滅ぼし、時に自分を作り出す原動力になってくれる。 孤独は宇宙の広さと、その中に在る自分という存在を

          独り言。

          サンタさん

          クリスマスなんて特に関係ないと言いながら、クリスマスらしいささやかな話をひとつ。 子どもたちの夢。サンタクロース。 かなりかなり大きくなるまでサンタさんを信じていた。 それは途中でサンタさんの正体がわかっちゃった疑惑は友達から聞いたことはあった。まさか、と思いつつ、やはり信じていたかったから、気にしてないふりをしていた。 毎年毎年、何歳のときは何をもらったとか全部覚えていたのにな。 もうそれは記憶が曖昧になってしまったけど、正体を知った今でも、あのワクワクはずっと忘

          サンタさん

          言葉は尊い。

          言葉は尊い。 同じ言葉を使っていても、同じものを共有できるわけではない。 近い感覚を共有できる人がどれだけ貴重な存在か。ひとりでもいてくれるなら、その人のためにも生きようと思える。 そう、心友は言った。 言葉は尊い。 こんなに遠く離れていても、言葉に心を乗せて、こんなに近くに届いてきてくれる。 残業で、遅くまで職場にいた。 冬の夜は寒い。 真夏の炎天下みたいに、外を出歩けないほどではないけれど、じっとしていると末端からじわじわと冷えてくる。 早く家に帰ろうと家路を急ぐ。

          言葉は尊い。

          備忘録。

          言葉に、文字にするということは、感覚の一部に形を与え、別の一部を失うことだと思う。 気づいたら、泣くことよりも笑っていることの方がずっとずっと増えていた。 それでも時々、あの頃の感覚を思い返そうと試みている。 数年前、鬱状態になって毎日毎日涙が止まらなくなった頃、3日間だけ大学を休んだ。 あまり食べないのを心配して母が食事処に連れていってくれた。 ちゃんと食べられたとき、私よりも母の方がほっとしたように見えた。 その時は母の心配や気遣いがありがたいよりも重たくてしんどくて

          備忘録。