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ありふれた

ありふれた夜に
ありふれた路地をぶらつく
輝いていた時代の
俺の足跡探してる

あの日蒔いた情熱の花
酒のつまみに咲かせます
歌に酔いしれ昭和はめぐる
一晩かぎりのワンマンショー

ありふれた町の
ありふれた銭湯で湯に沈む
富士山みあげりゃ
疲れた心あたたまる

雨の日も風の日も
お湯と人情いただきました
番台うたたね女将の色気
ケロリン桶の子守唄

ありふれた床屋で
ありふれたハサミの音色
髭剃り前の蒸しタオル
温め毛穴咲かせます

鏡に映る老けた顔
お前は誰かと尋ねます
私はあなただ御免なさい
頭を叩いて2千円

ありふれた老後を
ありふれた年金で暮らす
仏になった連れ合いと
茶飲み話しデートする

美しき人の面影を
抱いてウトウト昼寝する
ぼんやり見えた極楽浄土
あの日の恋に口づけを

ありふれたお寺の
ありふれたお墓で思う
冷たい墓石に閉じ込めた
遺骨が哀れでなりません

俺があの世に行くときは
墓=牢獄 拒絶する
散骨してくれ彼岸花
遺書に記して印を押す

ありふれた人生と
ありふれた家財道具
ゴミになるから処分する
遺品残さず散りましょう

トラックいっぱい寂しさ満杯
生きた証とお別れだ
カラダひとつ身軽になった
神さま一杯付き合えよ

※この詩に曲をつけて歌ってみませんか~♪
※演歌、ブルース、ラップなど
※動画などで公表する場合は「作詞/しぎわら又彦」と一筆お願いします

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