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【防災学習】「地区防災計画」シミュレーションゲーム (あそび方)

住民が主体となって、自分の街の「地区防災計画」をつくる活動が各地で
進んでいます。防災計画をつくるうえで重要なのが「どんな状況になったら避難行動を開始するのか?」をみんなで決めておくことです。

今回のゲームは、「避難開始の判定」をあそびにしたものです。

用意するもの

・「仮想地区防災計画」

・「災害状況カード」(なるべく地域特性に合わせて作成しグループの数だけ準備します)

・なるべく実際のご近所同士でグループをつくると、より実践的です。

図1

導入・説明の仕方

防災計画をつくるうえで、災害を時系列的に考えてステップ分けすると、ステップ1:災害の兆しに気づく、ステップ2:避難開始を決める、ステップ3:避難開始の情報を伝える、ステップ4:避難する、の4段階に分けられます。

この中で特に判断しづらいのが「避難すべきタイミング(いつ避難するのか)」です。

そのために「地区防災計画」においては、避難開始を決めるための判定基準を定めておくことが望ましいです。

このゲームでは、ステップ2の部分を体験します。「仮想地区防災計画」にある避難判定の条件をよく読んで、周りのグループの状況にも目を配りながら適切な行動をみんなで考え、実践します。

避難判定の条件には、3つ以上に該当したら避難開始のものもありますし、1つでも該当したらというものもあります。

また、ステップ3と4では「みんなで行動」することを定めていますので、早い人から先に行くのでなく、「避難を呼びかけ合いながら行動する」ことを伝えておきます。

「避難済み」を分かりやすくするため、教室の前方や後方など、避難先(避難場所)を決めておきましょう。

図1

あそび方・災害状況カードの配布

①各グループから1名、災害状況カードを取りに来てもらいます。

カードは裏返して分からないようにし、ランダムに配布します。災害が一足飛びに進まないようになるべく軽めの情報からスタートしましょう。

②もらったカードの災害状況が、地区計画のルールに該当しているか、みんなで確認します。

③確認の間を置いてから、また次の人にカードを配りましょう。

図1

指導時のポイント

カードの内容は、計画に該当するものもあれば、しないものもあります。逆に「避難指示がでた」など、1枚で避難開始を判定するものもあります。

また「隣のグループが避難したら」という条件もあるため、周りの状況も随時確認しておく必要があります。

みんなで避難開始のルールを決めておけば、誰か一人の判断に責任を委ねるのではなく、みんなで判断・行動できることを実感してもらいたいゲームです。

地区防災計画の策定について

住民が主体的に防災に取り組み、防災訓練の計画・実施や、災害時のルールを取り決めておくものが「地区防災計画」です。

住民の災害への関心はさまざまであったり、家の構造や場所によっても想いはさまざまです。

住民で合意形成した内容を防災計画にしていくためには、繰り返しの話し合いが重要です。

このゲームでは、「避難行動のきっかけ」や「住民間での声かけ・情報共有」の必要性を体感できます。

災害状況カードの内容は運しだいですが、他のグループよりも先に避難したい気持ちが強くなり、そわそわしてきます。災害時もこのように、必要な情報を多くの住民で共有できるようになれば、災害から身を守ることに繋がるはずです。

ゲームの位置づけ

地域の安全を誰かに任せきりにしてしまうのではなく、住んでいるみんなで想いや情報を共有すれば、命を守ることにつながります。

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