『ハヤブサ消防団』 読了 田舎暮らし×極上ミステリー ※ネタバレ注意
あったかい田舎の人間関係×極上ミステリー
最近読んだ本の中でも個人的超ヒットの本作。
ミステリーの緊迫感とのどかな田舎の雰囲気が絶妙で、飽きずに読めた。
どんどん読める本って、こういう緩急がミソなんだと痛感。
あらすじ
ミステリ作家の三馬太郎は、ひょんな出来事で訪れた、父の故郷であるハヤブサ地区に魅了され、東京から移住してきた。
ハヤブサ地区では、雄大な自然や陽気な人々が太郎をあたたかく出迎え、太郎は徐々に馴染んでいった。
しかし、ハヤブサ地区では最近火事や殺人事件が多発していた。
太郎はそれらの事件を探るうちに、騒動に巻き込まれて…。
誰も信用できない環境で、誰かを信用する必要性
本作でキーとなるのは、「誰を信用するか」ということだ。
すぐそばに事件の関係者が存在することは確かだが、
誰かと手を組まないと事件の解決に至ることはできない。
その上で、太郎は近くの人間を味方だと「踏んで」手を組む。
この賭けが、事件の解決を促したと考える。
敵の可能性がある身内を本気で信じて、協力する。
この本気の賭けによって、味方は太郎に命をかけてついてくことができた。
また、敵の心を動かして、状況を変えた。
太郎は、「事件解決」を目標としたチームのリーダーとして、これ以上ないポテンシャルを発揮したと思う。
リーダーとしての行動
作中で明言はされていないが、もし登場人物に役職をつけるなら、確実に太郎がリーダーである。
リーダーがブレずに、リスクを背負って仲間を信じ行動することは、チームを良い方向に持っていくのだろう。
人を信じるという力の強さを感じる作品でした。
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