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「オープンワールド型ゲーミフィケーション」について

おはこんばんにちは!現在LV.21のゲーミフィケーションくんです。

本日『教育版マインクラフト』を使ってみたのですが、めちゃめちゃ感動しました。と同時に、今までの知識が一気に結びついたので、それを共有しようと思います。

というので、今日の研究日誌は「オープンワールド型ゲーミフィケーションについて」ということを書こうと思います。

ライトセーバーを持って戦う映画を作れば『スター・ウォーズ』になると思われがち

まず、なんで『教育版マインクラフト』が良かったのかという点を整理しておくと、「神は細部に宿る」みたいなことです。

見出しの「ライトセーバーを持って戦う映画を作れば『スター・ウォーズ』になると思われがち」というのが、なんだその例えはと思われそうなのですが・・・。

ゲーミフィケーションの要素といったものがよく言われるのですが、以前このようなnoteを書きました。

内容を抜粋しますと・・・。

ゲーミフィケーションの要素である「目標」とか「成長の可視化」をすれば神ゲーになるかというとそんなことはなく、クソゲー化する可能性が十分にあります。

なので、細部がつくられた既存サービスを使ったほうが良いということです。

クソゲー認定されたゲームを紹介されているYouTuberさんもいらっしゃいます。神ゲーも見つつ、失敗例も見ないといけません。

ゲーミフィケーションの要素が大事というのは本当にそうなのですが、ゲームはもっと細部の工夫があっての没入感なので、要素で語るのは微妙だと思っています。

一本道の学習は教育観が古い

このあたり、がっつり教育学の話になってくるのですが、これからの教育は、一本道ではなく、それぞれの方法で進んでいくべきというような話があります。

たとえば、博物館に行ったとして・・・。

一本道のやり方として、「博物館に到着!じゃあみんな並んで!これ3分見たら、次はこれ。その次はこれ。」というやらされ感あることをゲーミフィケーションで負荷を減らそう、というのも大事なのですが・・・。

それぞれの方法をもつために、「博物館に到着!じゃああとは自由行動で!」という形にもっていきたいのです。

ゲームでいうと、『ゼルダの伝説』が一本道のRPG(正確にはちがうジャンル)から『ブレスオブザワイルド』みたいなオープンワールドに移ったみたいな感じです。

で、これまでのゲーミフィケーションは、このようなオープンワールドのゲームをあまり想定していないのですよね。

「やってほしいことを、やってもらう」ようなゲーミフィケーションと、「自由な探索を促す」ようなゲーミフィケーションはだいぶちがうのです。

つまり、今言われがちな「やってほしいことを、やってもらう」ようなゲーミフィケーションが、今の教育観に合っていないということです。

今の教育観的に、オープンワールド型のゲーミフィケーションが必要だよね、ということです。

教員は「ファシリテーター」ではなく「プラットフォーマー」になるべき

じゃあオープンワールド型のゲーミフィケーションってどうすればいいの?というところなのですが、「砂場」をイメージすれば分かりやすいかなあ、と。

僕個人の体験談を語ると、砂場で遊んでいる時は、道具と素材だけほしいのですよね。

砂場というオープンワールドで、自由に創作したいんです。

今でも、研究室環境は最高で、自由に研究をしています。このあたり、強い武器がほしいからWi-Fiや暖房や書籍がある環境がとてもありがたいという感覚があります。

ネットがあればネットサーフィンができて、いつのまにかすごい詳しくなっているというのにもかなり通じています。

で、この状態を作るのを教員は目指すことになっていくのかなあと。

実際にやると、下に貼った記事のようになります。

内容を抜粋すると、最初にはこのように書かれています。

学校で子どもにお金について考えさせることは、悪いことなのか。東京学芸大学附属世田谷小学校教諭・沼田晶弘氏は「アクションワールド」という教室内通貨をつくり、実際にクラスでお金を知る疑似体験を行った。そこで子どもたちは何を学んだのか――。

この後の教室で起こったストーリーがとても分かりやすく書かれていて、教室の中で資本主義のシミュレーションのようなことが自然発生的に起こっていきます。

で、最後にはこのように書かれています。

子どもは、自分でお金を稼がなくても不自由のない暮らしができます。だから、お金の大切さはなかなかわかりません。だからこそ、それを教えてあげなければいけないと思うのです。「アクションワールド」は、子どもにとってはゲーム感覚に近かったのかもしれませんが、その中で、お金を稼ぐことや、お金を使うことの基本は学べたと思っています。

本当にすごい実践だと思います。

で、僕はこれをとりあえず「オープンワールド型ゲーミフィケーション」と呼ぶことにしました。この時教員はプラットフォーマーです。

以前の一本道のものは「RPG型ゲーミフィケーション」という感じです。この時教員はファシリテーターです。

こうして分けて考えた時、この「アクションワールド」の取り組みのように、教室にプラットフォームを作って「オープンワールド型ゲーミフィケーション」するのが重要だ、ということです。

このあたり、言葉の定義などの厳密な話は割愛しますので、ざっくり伝えられたらいいなあと思っています。

よくゲーミフィケーションと銘打った実践は、決められたレールをいかに負担なく通ってもらうかだったりして、子どものペースじゃないのですよね。

ある教育実践の対話で生まれた経験則に、「アクティブラーニングは子どもが発表しているかとかの表面的なことは関係ない、子どものペースにあるかが重要、そのとき先生は邪魔」というようなことが書いてありました。

ファシリテーターとしての教員って、結局教員のペースで進めて、でもパッと見子ども主体のように見えるのですよね。

教員には、砂場を用意してあげるみたいなプラットフォーマーとしての役割があるよね、ということです。

これもプラットフォーム!という例

ニコラス・ネグロポンテさんという方の、「 ワン・ラップトップ・パー・チャイルド(OLPC)」というとても面白い取り組みがあります。

以下の記事に載っているのですが・・・。

一部を抜粋すると、

「学校が無い所で学習はできるのか」というテーマで、我々はタブレットPCを取扱説明書も付けず何の説明もせず、箱ごと子供たちに渡し、彼らがどのような行動をとるか実験をしました。実験後、各タブレットに入っていたシムカードの記録を解析したところ、こんなことがわかりました。
子供たちは、箱を受け取った2時間後には電源を入れ、1日8時間使用。(バッテリーの都合上、1日8時間位しか使えないのです。)4~5日後には1人あたり50余りのアプリを使用。2週間後には「ABCの歌」を歌い、6ヶ月後にはAndroidアプリを使いこなせるまでになっていました。教える人は誰もいません。
これは私が撮った写真ですが、右端の子は自分から先生役を買って出て、左側の子供たちに教えているところです。子どもたちは普段英語を話しませんが、タブレットの使用を通じて自ら英語も学んだのです。

この筆者が撮った写真というのは、記事のサムネになっている写真です。再掲します。

で、この「一人一台ラップトップ渡したら勝手に学んでいった!」という話に対して、イーロン・マスクさんも協力しているということを以下の記事で見ました。有料記事です、、!

一部抜粋すると・・・。

私(ニコラス・ネグロポンテ)がイーロン・マスクらと設立した「Xプライズ財団」は、こうした取り組みを新たな次元に引き上げるため、2017年に賞金1500万ドルを懸けたコンテスト「グローバル・ラーニングXプライズ」をスタートさせた。賞金の主な出資者はイーロン・マスクで、グーグルがパートナーとして参画した。

このイーロン・マスクさんは、以下の動画で教育観について語っています。

発言を抜粋すると・・・。

「教育」とはデータやアルゴリズムを脳にダウンロードすること
学習プロセスはゲームのように楽しくなきゃいけない。

とのことです。どうもイーロン・マスクさんはこのプラットフォームを提供することに教育観の軸があるようです。

砂場を与えられるように、自由に探索できる環境(一人一台ラップトップ)があれば、オープンワールド型の学習になるよね、ということです。

『どうぶつの森』のタンス的なビジュアルでファイル管理

これがどう関わってくるかは未知数なのですが、プラットフォームというからにはゲームのような使いやすさ(オンボーディング)が極めて重要です。自分で学習を進めていくからです。

で、その時のUIについてです。

『教育版マインクラフト』をしていて思ったのは、とにかく直感的だなあと。具体的には、マインクラフト環境の中の宝箱を開けたら、ものがとれるという感じです。

で、これってめちゃめちゃ重要になってくると思っていて、以下の動画も見ていただきたいのですが・・・。

内容としては、バーチャル空間にホワイトボードがあったり、壁にクイズが出てきたり、現実世界に合わせていっているUIが紹介されている感じです。

で、これって昔『おいでよどうぶつの森』でもあったんですよね。ゲーム内の家にあるタンスを開けるとものがとれるという仕組みでした。

子どもが使うんだから、直感的なほど良いというのがあるのですが、ということは、PCのファイルとかもこんな感じのUIが良いのではないかと。

部屋のデスクから紙を取り出すように、バーチャル空間のデスクをクリックするとファイルが見られる感じです。

常にこのあたりの話が気になっていて、、身近にあふれるPCも、グラフィカルユーザインターフェイスという、今のアイコンをクリックしてソフトを開くようにしたことで、新しい可能性を広げました。

この『どうぶつの森』のタンス的なビジュアルでファイル管理が、新しい可能性を広げるような気がしています。

直感的な操作の流れで、バーチャル空間を模したUIがくるかもしれないし、その直感的でリアルなUIはオープンワールド的な学びに不可欠かもしれない、ということです。

オープンワールド的人生観

教育はその時代に求められる人生観を反映していきます。

そこで、今はどんなことが言われている時代かというと、テンプレートの幸せを歩むのではなく、自分の道を歩もうと言われるような時代です。

以下の記事に、あなたの人生は『マリオ』のような一本道ではなく、『マインクラフト』のオープンワールドのような人生だよ、ということが書かれています。

人生がオープンワールドとして解釈される中、教育にもオープンワールドの学びが反映されるのは、言ってしまえば当たり前だなあ、ということです。

ということで

オープンワールドを実現してくれる『マインクラフト』、もう民間ではしっかり使われているようです。

じゃあどうしていくのかというと、僕はオープンワールド型ゲーミフィケーションはどうやれば実現できるのかというところを、再現性を求めながら調べてみようと思っています。

プラットフォーマーという言葉への正しい理解をするために勉強しないといけませんし、探究といった学習スタイルへの研究も調べなければいけません。

では!

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