さよならカンピョ・オ・ランタン!!
いきなし登場カンピョ・オ・ランタン!!
ちわッす! おいらカンピョ・オ・ランタンのカンピョ・オ・ランタンだよ!!ーーって早速重複しとるううう!!出から失敗しくしくぅ~!!
今日はおいらが生まれた時の話をするんだぜ!!じゃ、さっそくページをめくってくれよな!!
みんな、アイルランドって国は知ってるかい?? 日本からすっと、海を渡ってずーっと結構行ったとこなんだけどよ。
そこでは、農作物がたくさん獲れた事を祝うお祭りがあるんだい!
でもね、そこでは悪い魂がうようよしていて~~~
生まれたてのかぼちゃにとりついて悪いことしちゃおうっていう悪いやつが居るんだ!!
…かく言うおいらもそんなもん!!にしし!!
でもでも~…その年はあまりかぼちゃがとれなくてよ~…
つまはじきっ!!おいら、ジャック・オ・ランタンになりそこねちった!!あわわ!!
おいらあわててほかのはたけをさがしにいったんだけどよ~…この年はふさくもふさくでぜんぜんあまりのかぼちゃがねーんだ。
それでもおいらはやっきになってとりつく先のかぼちゃをさがしてーー山を越え海を越えいつの間にかしらねーとこに辿り着いていた!!でも、おいらもうへろへろ…
もうかぼちゃもないしーーもうだめだーーおいらは力尽きて、ひょろひょろとおちてったんだーー
なるほど、タイトル、さよならカンピョ・オ・ランタンーー
ーーでもでもここで物語は終わらない!!
〝んお!?〟
いつの間にか朝になっとる!!あれ?それにいつの間にか野菜にとりついてるぞ!!やったー!やったー!!これで悪いことし放題。にしし。
…でもでもちょっと待って…う、動けねええええ!!なんだよこのかぼちゃ!!全体的にまんまるでぐらぐらしてこのつながってるとことれねえぞおおお!!とほほ…ってな感じでおいら落ち込んでたその時さ!!
「おめえ、そっだらとこで何やってんだ??」
という間の抜けた声!!振り返るとそこにはなんか見たこともねー赤い服来てるおっちゃんがいたんだ!!
ぷくくす!こいつの事騙して、頭の茎とってもらおおお!!
「はじめまして!!僕はいい妖精のジャック・オ・ランタンです!!」
「ほーん。おら、マシコヤ・キイチつーんだ」
「お、おいらここにハマって出らんなくなっちったんだ!!出してくれよ!」
「ほんだらまってろぉ。今抜いてやっがらぁ」
すぽん!!マシコヤキイチとかいうおっちゃんが抜いてくれたぜ!!ありがて~!!これで悪いことし放題!!にっしっし…
「ん?あれ?それでも動けねえええ!!な、なんでじゃあああ!!」
「なんでって、おめ、からだねーべな」
「はうあ!!なんでおれからだねーんだ!!」
「おらにぎかれてもこまんべな」
ーーど、どうしよどうしよーー
「おめ、あれが?たぬきだろ?」
「は?たぬき??誰がたぬきだこんちきしょー!」
「おめ、変身下手くそでかんぴょうに化けちまったんだろ」
ーーま、いいや今はそゆことにしとくか( ≖ᴗ≖)
「そうなんだ!!おいら変身のできないたぬきなんだ!!」
「じゃ、うちころすべ」
じゃこっと光るバズーカ!!
「ちょとおおおお!!」
えええええ!!その展開ありいい!!??
なるほどここでさよならカンピョ・オ・ランタンんんんんんん!!
「うそうそ。おら、たぬきのこと嫌いでねーからよ。動物にはやさしくせんとな。ほれ。うちに来い。それじゃさむいだろ?立派なおべべ着せてやっから。」
「うおー!なかなかイカすじゃん!!」
なんか、これ着たら手足生えてきた。くくく。じゃ、さっそく~コイツんちめっちゃくちゃにいいい!!
「おお。おらの死んだばーちゃんが着てたやつだ」
ずこっ!!こころのなかずこっ!!
「あ、あそなんだ」
ちぇ。やる気削がれちった
「おら、ここで益子焼、焼いてんだ」
「ましこやき?」
「おお。おめ、しらねーんけ。栃木県の名産だべな」
「とちぎけん??」
ーーどこだそれ?
「おお。栃木県ちゅーたら、いちご、かんぴょうときて益子焼だな」
「そういや、俺の事かんぴょうとか何とか言ってたな」
「そうだ。おめが化けた野菜はかんぴょうっつーんだ」
「へーえ」
ーーこれ、かぼちゃじゃなかったのか。
「…ところで俺の作品…みるかい??」
全然興味ねーけど見てやるか。
「これが壺」
ふむふむ。
「これが茶碗」
ふむふむ。
「これがマグカップ」
ふむふむ
「これがまあ、なんでものせる皿だな」
ふむふむ
「んーで、これがーー」
「マシコガンだ」
ーー??なんて??
「これはおらの作品の中でも会心の出来でなーー」
「ましこ…なんだって?」
「マシコガンだっての。おめ、あれしらねんけ…コブラのサイコガーー」
「うわああああ!!ちょっと待てちょっと待て!!」
「なんだおめ」
ーーなんかわかんねーけどこれ以上言わすと、凄い危ない気がする。
「これはおらの会心の出来だ。熊が出てきたら、これでぶっ飛ばしてやるんだ」
「…それ撃てんの??」
「いんや。こう。ぶん殴る」
「だはああああ!!」
「しらねーのか??マシコガンは曲げて撃てるんだで??」
「まっすぐも撃てねーじゃねーかよ!!」
「で、これがいちごよ。うめーどー」
おいらは栃木県の名産とかゆー、いちご畑に来ていた。
「たしかにうめーなーおっちゃん」
「そうだろ!!がっはは!!がはは!!」
「ほんで、いいだろ、そのランタン」
「うん」
「おめーがランタン欲しいなんていうからよ。益子焼くり抜いてランタン作ってやったがよ。まー。いい出来だわな。おら天っ才! ま、おらのマシコガンにはまけるだがよ!がははは!」
…うーん。どーも調子が出ない。大自然。おっちゃん。そしてランタン…なんでこうも俺によくしてくれるんだ…するとなんだろーなあ。あれほど悪いことしてやろうって思いがなんだかーー
もくもくもくもく。
「あら??あらあら??なんだか雲行きが怪しいなーー」
とかおっちゃんが言う。おいらもそっちをーー
青い空を覆う真っ黒な黒い雲!!
「これは一雨来そうだな!帰んべ帰んべ」
「…」
「どした。おい。風邪ひいちまうぞ」
「…おいら、ちょっと用事が出来たみたいだ」
「…」
「そか。ほんなら、夕飯の支度して待っとるからな」
空を覆う黒い雲。おいら、それに心当たりがあるんだ。
「うろろろろろろろおおお!!うごあああああああああ!!」
やっぱりそうだ。この黒い影は、おいら同様の悪い魂だ。
「うおおおおおお!!」
きっと、野菜不足で俺みてーにかぼちゃにとりつけなかった魂達が集まって体を求めてここまで来たんだ。でもーー
「うごごごごおおおう!!」
こんなにでっかくなっちまったら野菜になんてとても入りきれねえ。
「なんだおまえええええ!!いいなああそのからだああああ!!うごべきいい!!うおおおお!!おれたちはからだほしいいい!!わるさするぞおおお!!」
…ここまでくると、もう野菜も要らないのかもしれない。明日になれば消えていそうだ。
でも。
おいらはカチッとおっちゃんの作ってくれたランタンに火を灯す。
「ここから先には行かせねーぞ」
「あああああ!?おまえおれだぢのながまだろおおおお!!」
「違うね。かぼちゃにとりつきそこねたおいらは、ジャック・オ・ランタンじゃねえ。カンピョ・オ・ランタンさ」
「悪さしない悪い子うばああああああああ!!」
「栃木生まれのカンピョ・オ・ランタンは悪さなんかしないんだ!」
「うごああああ!!」
黒い雲ーージャック・オ・ランタンの成れの果てはおいらに襲いかかってくる!
けれど、おいらはおっちゃんの作ってくれたランタンを振り回す!!めらめらら!!
「あぢいいいい!!」
「そりゃそうさ!!おっちゃんの作った特注品だからな!!マシコヤ・キイチのおっちゃんは世界一の益子焼職人なんだ!!」
「ぐぐおおおおお!!」
でも、そいつらは強かった。なんてったって大勢対一。おっちゃんの力を合わせても大勢対二だ。ちくしょう!俺はそいつらにとっつかまってーー
「ぐおおおお!!悪くない子は砕いてやるううう」
「うわあああああ!!」
おいらの頭があああああ!!
ばぎいいいいいん!!
せっかくとりついたかんぴょうがーー割れちまった。
「ぐわはははは!!わるいこときもちいい!もっともっと!!わるいこと!!わるいこと!!」
ーーごめんおっちゃんーーおれのちからがないばかりにーー
そんな時だ。ぎきいいいいい!!何かとてつもない音がしたんだ。
「うぬぬぬ!!化け物め!!おらの家族をいじめるな!!」
おっちゃんの声だ。おっちゃんがトラックで戻ってきたんだ。
俺はひょろひょろと魂になりながらおっちゃんの方へ向かっていく。言わないとーー言わないとーー
「お、おらがおめーみてーなばけもん、おらのマシコガンで倒してやるからな!!」
無理だ!!無理だよ!!そう言っておっちゃんは…あのマシコガンを構えるんだ。
「くらえ!!ばけもの!!」
しーん。
そりゃそうだ。おっちゃんだって分かってたはずだろ!?
「んんん??なんだなんだああ??そんなもん!!何も出ないじゃないか!!ぐははは!!」
「くそっ!!くそっ!!マシコガンはーーくそっ!!」
おっちゃん!!
俺はよろよろとおっちゃんの方に近寄るーーああ。意識が遠のくーーおっちゃん…せめて…ありーー
ありーー
ありーー
「あり???」
「なんじゃこらああああああ!!」
「あれ?おまえなんでそんだとこいるんだ??」
「そんなもん俺が聞きてええええええ!!」
お、おれは、おいらは!!おれは!?かんぴょうを失った俺はあああ!!
おっちゃんのマシコガンにとりついとるうううう!!
「おめえ、そんなにおらのこと好きなんけえ」
「し!!しらねえ!!しらねえよ!!」
オイオイオイオイなんなんだこの状況は!!
「いいなあああ!!おまえ!!にこ!!にこもからだああああ!!おれたぢはいっこももってないのにいいいいいいい」
ーーと、その黒い雲がぶっとんできやがる!!
「おっちゃん!!撃て!撃つんだ!!」
「いや、でも、恥ずかしながら、実はこれただの益子焼だからよ」
「そんなの分かってるよ!!
でも、いいから撃つんだ!!」
「よこせえええええええええええええ!!」
「うおおおおおおおおお!!」
「うおおおおおおおおお!!」
おいらとおっちゃんの声がリンクする。
〝どひゅううううううううううん!!〟
俺は勢いよくおっちゃんのマシコガンから飛び出した。
〝ばりいいいんん!!〟
後ろでマシコガンの割れる音がする。
そしてその勢いのままに黒い雲にぶつかる!!
「ぐおおおおおおおおおお!!」
俺は黒い雲を突き抜ける。しかし!!当たりが浅い!!
「ぐあっはっはっはあああああああ!!当たり損ねたようだなああああ!!」
そんな中で俺はほくそ笑む。おっちゃんを見ると、ほんげーって顔して割れたマシコガン見てら。
「俺にもからだをよこせええええええ!!」
おっちゃん。見るならこっちだ。まだマシコガンは本当の力をみせてねー。
言ってたよな
「マシコガンは曲げて撃てるんだああああああああ!!」
急速旋回!!俺は明後日の方向!!黒い影の方に向きを変える!!
「てめーに体は100年早いぜえええええええ!!」
俺の命をくれてやる!!
お前をこの栃木県で悪さはさせないぞおおおお!!
再びどひゅうううううんん!!
黒い影は俺の全力を受けて、消えてゆく。
おいらは最期におっちゃんの腕の中に来られた。よかった。ありがとう。おいら、悪いことをする魂だったけどーーおっちゃんのおかげでーーこの土地のおかげでーー
おいらはーーおいらは最期におっちゃんの腕の中で…腕の中でーー
「消えねえんだよな!これが!!」
俺、またなんかしんねーけど益子焼の中に入ってる!!
「マシコガンは予備があんだで」
「じゃああの大粒の落涙は!?」
「あのでっけえ黒いのがあまりにも怖すぎてだな」
ほんげー!!
「おい。たぬき。ろくろがへちまがっとんぞ」
「こんな手してっからな!!」
と、俺はまんまるのおててをみせる。
まあ、俺はそんは感じで栃木県を満喫してる。
たまーに悪いことしよっかなとか思うけど、まあ、おっちゃんが生きてるうちはやめとこっかなって思ってる。
なになに?
このおはなしはさよならカンピョ・オ・ランタンだろって?
ああ、その事ね。そらそーさ。
今の俺はマシコ・オ・ランタンだからな。 にっしし☆
おしまい
お願いシマチューホームズ行ったことない! うそ! ホントはあるかも! 断定しかねる!!