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ヴァルキリーエリュシオンについて④


長々書いてきました感想もこれでラスト。まとめとおまけです。


ヴァルキリーエリュシオンの感想
〜まとめ〜




ああ〜…
評判悪いよなぁ…
……評判悪いよ……



なにがって?

だよ。



ぼかぁ好きだなぁー!!!

いいんだってマジで。
誰が何と言おうと好きが恥ずかしい事なんてないんだよ。

だけどやっぱりネットを主に評判は悪いよね。それもわかってる。理由も想像できますよ。
という事で最後はヴァルキリーエリュシオンが一体何をしようとして、そして多くからは受け入れられなかったのか「作り手とシリーズファンの要求とその齟齬」を、僕が受けた印象や見た内容から勝手に想像して締めます。


①作り手が目指していたエリュシオン。

ヴァルキリーの名前を冠しながら、これまでとは全く違うアプローチをした今作。
作り手は何を目指していたのでしょう?

今作の感想を眺めると「ヴァルキリーの名前を使って適当に作った」という言葉をたびたび目にしますね。ありえません。
時間や予算の都合で手を加えきれなかった部分や、諦めざるを得なかった部分はあるでしょうが、適当にでっちあげたものなら今作のクオリティには到達しないと思います。

では、何を作ろうとしたのか?

何を作ろうとして「成功と認められなかった」のか?それは


「ヴァルキリーエリュシオン」の独立。


作り手が目指していたのは恐らくこれです。

ヴァルキリーの名前を持ちながら、これまでとは違う方法論によるアプローチ。過去作のキャラクターを一切使わない完全な番外編。さながらDMCに対するdmcのように、ジャンルとしてもRPGのヴァルキリーから離れた「アクションのヴァルキリー」をこのゲームで担おうとしたのではないでしょうか。でなければ、ここまでのシリーズファンへの媚びの無さは説明がつきません。


②シリーズファンが求めていたもの。



ファンにはファンそれぞれの「ヴァルキリーシリーズといえば」があると思います。

仲間と連携してのコンボが出来ること?
重厚な群像劇こそ?
レザード・ヴァレスが出演することだと答えるファンもいるかもしれません。

では、エリュシオンはどうだったか?

コンボとは違う連携システム(僕はマネジメントと言いましたが)。焦点を絞ったストレートな展開のストーリー。過去の作品キャラクターは一切登場せず存在も匂わされない。
シリーズファンのほとんどの要求は満たされなかったのではないでしょうか。

もちろん、それが悪ということではありません。シリーズの名前を冠したから必ず同じ轍を踏まなければいけない決まりなんてありません。が、シリーズファンはそれでは納得しない。過去作に思い入れが強ければ強いほど、不満も大きくなるでしょう。貶したくもなってしまう。

その気持ちもわかります。

僕にもずっと待ち続けているシリーズゲームがありますが、その新作がついに発売!されたとして「舞台が違う、人物が違う、システムも物語の展開方法も違う」となればがっかりするでしょう。

「ロケット飛ばせよ!月に助けに行けよ!」

とか言うでしょうきっと。3…。

要するに、どれだけ過去作との繋がりが無いと事前に言ったところで、シリーズファン、オールドファンというものは「あのシリーズの新作!」という認識で捉えるのです。どれだけ事前に言ったところで期待し要求するのです。

「もちろん経験者には媚びてくれるんだよなぁ!!?」

シリーズの新機軸タイトルがこういったファンを黙らせる(乱暴な言い方ですね)方法は、その要求を覆うくらい新しいアプローチにした価値をプレイで感じさせることです。
つまり「別の競技で金メダルを獲る」ということです。
では今作は?


物語もシステムも、面白いです。
しかし全体として無難に纏められているように感じる。手堅い印象が強い。

新しく導入したシステムでさえ他ゲームと比べ突出した部分を感じるところまでは行かず、まるで既存のゲームにヴァルキリーの要素を入れたような既視感に襲われる。

新しいアプローチが持つ尖り」が無い。

ヴァルキリーエリュシオンの最大の弱点。
シリーズファンなどにつつかれるスネの部分はここだと思います。

新規プレイヤーからは
「手堅い(目新しさはあまり無い)アクション」
シリーズファンからは
「シリーズである価値が薄いゲーム」

これは素晴らしいと言った音楽も関係があるかもしれません。

今作は「ステージで流れる曲が敵に出会い戦闘に入ると壮大になる」という演出となっています。
これはプロファイルのような激しいエレクトロニックミュージックがゲームの雰囲気を一変させる演出とは違い、「ステージの印象と雰囲気がどの場面でも継続されていく」作りになっています。

僕はこれがとても好きでしたが、もし初めに受けた印象が良くなかった場合、その印象も変化しないまま終わりまで続くことを助長します。
「物語もシステムもキャラクターも何もかも悪い」という感想をたびたび目にするのはこういった要素が悪い方向に作用してしまったのかもしれません。

僕のようにヴァルキリーが大好きで、ヴァルキリーに会えればいいというようなプレイヤーならいいんです。
買うのもプレイもアイドルに会いに行くようなものですから、でもそんな人なかなか、大多数にはなりません。

もっともっとプロファイルとは違う、「これがエリュシオン!」とはっきり押し出せる物語なりシステムなりがあればよかった(僕的にはエインフェリアをもっと戦略的にマネジメントできたらよかった。)


「やりたい事をやりきれなかったのでは?」

とはシステムの感想でも述べましたが、無難に手堅く纏めたがゆえにどこかやり切れていない印象が拭えない。スパイスが足りないゲームになってしまっているのではないでしょうか。

これは大好きと公言する(アンケートにも続編出して!と書きましたよ)僕も感じます。

ですから「隙を探すシリーズファン達」からは尚更悪く捉えられたでしょう。これがヴァルキリーエリュシオンが受け入れられない理由です。


③種。



本当に好きなの?
好きを隠れ蓑にしたアンチじゃないの?
とか言われそうな程悪い面ばかり挙げてしまいました。

はっきり言って、ヴァルキリーエリュシオンは今作一本ではヴァルキリーシリーズとしての魅力はかなり弱いゲームだと思います。

しかし、だからこれで終わりにしていいのかと言われると?

終わりにしていいはずがありません。


「想像してみてよ」


アクションに落とし込んだエインフェリアとの共闘。ボイスドラマや脳内井戸端会議。ヴァルキリーとエインフェリアの関係性など。
これまでと違うけど確かに魅力を感じる(或いは可能性を感じる)要素は沢山生まれたんです。

本当に、一度プレイしてみて欲しい。安いし。

その上で今作が不満だらけでも、それを改善して一皮も二皮も剥ける可能性は大いに感じられるはず。

良い種は既にいっぱい蒔かれたんです。次回作を作ってくれなきゃ勿体無いですよ!

というか僕個人的にはエリュシオンの次回作が是非やりたいんですけど。

出して欲しいよなあ…!
更に美麗グラフィックになったヴァルキリーにも会いてぇしなあ!


なあ、みんな!



(以上。まとめでした)





おまけ

(ただ僕の想像を聞いて欲しいだけなので、読まなくてもいいです)



「アルマン」

なんで個別に項目を作ったのか?

正直最初から最後までそんなに好きになれなかったキャラクター、アルマン。
同時に気になる点があまりに多いキャラクター、アルマン。

みんな疑問を持たなかったのかな?(もうとっくに擦られてたらごめんね)この項では僕なりに彼の正体を推測します。

(ちなみに設定資料集などは一切読んでませんのでめっちゃ外れてても許してね。想像が楽しいのよ)


…で…アルマンって誰だっけ。

↑こいつ

ヴァルキリーの行く先々に現れる青年。
彼にはずっと「探している物」があります。後にそれは恋人のノーラだとわかります。

アルマンに会うと、ヴァルキリーの頭の中に彼の記憶が流れ込むことがあります。

大怪我を負い歩く記憶。
探し物をもとめ旅している記憶。
やがてこれは物語の核心に繋がります。

ちなみにこの"誰かの記憶の追体験"はヴァルキリーの固有能力であり

人の記憶→ヴァルキリーの方向はあっても
ヴァルキリーの記憶→人の方向は無い

そういうタイプの一方通行の能力です。
これを劇中で発動するタイミングは3つ。

アルマンと出会った時

エインフェリア(強い魂を持つ者)の思い出の品を発見した時

ヴァルキリーヒルドを抱きかかえた時


ちなみに③の時はヒルドとお互いの記憶を追体験し合いますが、これはヒルドもヴァルキリーであることでお互いに能力を発動させ記憶を交換させたという事なのでしょう。


さて、ここからがアルマンの謎です。


アルマンの謎①

ヴァルキリーと記憶を「共有」した。

物語最終盤、ヴァルキリーとアルマンはお互いの記憶を共有し、ヴァルキリーは実は自分が人間の少女ノーラであったこと、住んでいた場所がオーディンにより襲われ自身は魂を奪われたことを思い出します。

一方アルマンはヴァルキリー(ノーラ)の「オーディンに魂を奪われた時の記憶」を共有することで、目の前のヴァルキリーこそ探していたノーラの魂であると認識します。

一方通行であるはずのこの能力で何故アルマンにまで記憶が伝播したのか?

謎はまだまだ続きます。


アルマンの謎②

何故か霊魂と話せる。

ヴァルキリーが追体験したアルマンの記憶です。

ノーラを探して"神の領域"に踏み込む際、霊魂と会話し止められています。なんでただの人間が霊魂と話せるのでしょうか?というか、なんでそもそも霊魂が見えているのでしょう?

↑ですよね〜

アルマンの謎③

何故かオーディンに見逃される。

追体験したアルマンの記憶にて、不死者による襲撃で大怪我を負ったアルマンは彷徨い歩いた先でオーディンの義体に出くわします。

しかもこの際神族のなんらかの能力を目撃し、ノーラの魂が奪われた事も認識しています。だからこそヴァルキリーと最初に出会った時、探している「物」がある。と表現したのでしょう。

ということは、オーディンは自分の能力を見た人間をそのまま生かして放っておいたことになります。

傷を癒すため魂がひとつでも欲しかった時期のはずなのに何故?
ちなみに、オーディンとの邂逅後アルマンが"生きて"目覚めた瞬間の描写はありません。

次の記憶は全て旅をしています。


アルマンの謎④

いくら何でも無謀すぎる。

どこまで来んねん。

旅をするアルマンはあらゆる場所へ現れます。

廃城、雪山、さらには毒の沼に囲まれた小島(写真)。不死者がいてもお構いなし。本人に戦う力は無いのにです。なにか機械のような物を背負っていますがこれは不死者避けなのでしょうか?


※その他、寿命が永い(永遠に近い)神族と人間の時間感覚が同じとは考えづらいという理由から、アルマンがいつの時代の人間なのかという違和感もありましたが、これは確証が無くどうとでも想像できるため今回は置いときます。



というわけで


・何故かヴァルキリーと記憶を共有できて、
・霊魂と会話できて、
・オーディンの義体に見逃されて、
・ヴァルキリーの行くところに必ず現れる


これがアルマンというキャラクターの特徴です。
以上をまとめると、1つの大きな疑問が浮かび上がります。



彼は本当に生者か?

本人に自覚なし

端的な疑問。

エインフェリアのような魂だけの存在なのでは?

しかし、旅の道中に集落などあると、頼み事を聞く替わりに食糧を貰ったり宿を貸してもらったりもしているよう。魂だけの存在に食事は必要ないので、少なくともアルマン自身は自分が生きていると思っているようです。

ごはんは食べるらしい。

しかし、それでももしアルマンが魂だけの存在ならば、終盤のある展開にも理由がつけられます。


あの鈴蘭草原ってもしかして…

ここです。


物語最終盤、唐突に現れる鈴蘭でいっぱいの草原。公式にもこんな説明がされています。

登場になんの前触れも無いのでプロファイルファンからの評判が非常に悪い演出ですが、アルマンが魂だけの存在と考え、この草原をエインフェリアの持つ精神世界と同じものと捉えたらどうでしょう?

アルマンの記憶を基に作られた世界であれば劇中の唐突な登場もある程度納得できます。



そしてアルマンの正体とは




え?ノーラの恋人じゃないの?
再会できてよかったじゃんね。

いやいやもっと想像できる。ということで僕はその正体を明らかに(想像)するため、アルマンの役割について考えました。

アルマンの役割、それは


"ヴァルキリーが人間だった頃の記憶を取り戻すための鍵"

正に愛の奇跡。素晴らしい。
しかし、それは同時にもう1つの役割を果たしているとも言えます。

つまり

"ヴァルキリーがオーディンに反旗を翻すための鍵"


ということです。

さあ彼の正体を予測しましょう。
(といっても僕は北欧神話には明るくないので、あくまで物語から読み取れた言葉のみ使います)


正体予測①

やっぱり霊魂

神族が好き放題魂を収奪した上神界戦争を起こした影響で、ユグドラシルは機能不全に陥っています。そのせいで本来ユグドラシルに帰るはずの死者の魂は地上界に残留してしまっているのです。

そのことから、不死者とオーディンに襲撃され死亡したアルマンの魂が、ノーラの魂の行方を案じるがあまり人の姿をとって彷徨っているのではと考えます。

強い魂を持つ人間がその姿を保ったまま居続けるという例は劇中にも存在します。


これなら同じ霊魂とも会話できるし、ヴァルキリーも記憶を追体験できる。何よりとってもロマンティック。

ただしその場合食事は必要無いはずなのと、不死者には普通に襲われます。そしてヴァルキリーと記憶を共有した理由がわからない。

うーん?


正体予測②

フェンリルの使いの義体


ここでヴァルキリーがオーディンに反旗を翻すという役割に注目しましょう。

同じくヴァルキリーであるヒルドに人間の記憶を取り戻させオーディンから奪ったフェンリル。オーディンを怨み散らかしてるフェンリルですから、今回のヴァルキリーにも同じことをしてやろうと企みはしないでしょうか?

そこで、ヴァルキリーの人間の頃の恋人アルマンの魂の残滓を密かに回収し義体に乗せ(魂そのものはオーディンが回収し傷を癒すのに使った可能性が高い)、ヴァルキリーに会うよう仕向けた。と考えます。


これならさも生理現象があるように振る舞えるのではないでしょうか。

更に霊魂との会話も記憶の共有もなんとなく出来そうです。また実際旅をしてるわけではなくヴァルキリーが訪れる場所にフェンリルが配置しているだけなので、不死者に出くわす可能性も低いです。

だとしたらかなり残酷


ただしこれも疑問が残ります。

予言を恐れラグナロクより先んじて神界戦争を仕掛ける程警戒心の強いオーディンが、奪われた前例のあるヴァルキリーについて、しかも同じような手段に対し何の策も講じないでいるでしょうか。

しかも基本的にフェンリルはヴァルキリーから敵扱いされているので(エンディングによっては浄化されますし)拐かすにしても怨みを買いそうなこの方法が賢い選択とは正直言えません。

反逆しても返り討ちにする自信があったとか?
うーん?


正体予測③

第3の神族の使い


こういうのはどうでしょう。

神界戦争を経て純粋な神族はオーディンとフェンリルのみになったと言われているが、それは2柱の認識違い或いは嘘で、実はまだ神族は残っていた。

好き勝手しているオーディンとフェンリルを排除し自分が主神になる為にアルマンを使いヴァルキリーに行動を起こさせた。

これなら「?」で溢れたヒルドとの協力エンドも少し納得できます。純粋な神族はまだ残っているのだから、半神族2人で純粋な神族みたいな無理矢理な方法が実は通っていなくても世界の維持は可能です。

誰かが生きていた?


ただしこれもオーディンの対策がなされていなければ、ですが。


正体予測④

全てが嘘

追体験したアルマンの記憶もノーラの記憶も全て"ヴァルキリーが自分のために働くように仕向けた嘘"であるという考え。

何故か?

アルマン自身がヴァルキリーを手に入れたい何らかの存在(神族?)であるから。

具体的に誰なのかはわかりませんが、本当の最後の神族となりたい何者か等がアルマンの正体だという事です。

この展開だとヒルドに記憶を取り戻させたのは実は誰か?という新たな選択肢が出たりして非常に面白い。

とはいえこれが真実なら、アルマンと逃げるエンディングの先にもう1展開ありそうですし(続編を匂わせるにしても流石に引き延ばしすぎでは)また、これを採用してしまうと「全部嘘でひっくり返せるなら何してもいいじゃん」になってしまうので、僕個人の気持ちとしてもこの予測は微妙です。
見たものの中のいくつかは真実であって欲しいからです。


以上。

僕のアルマン正体予測でした。

だいぶこじつけた上はっきりと断言もしませんでしたが、まあ想像ですから。より様々な角度の深い考察をお望みであれば「ヴァルキリーエリュシオン 考察」なんて検索してみるのもいいかもしれません。出るかな?実際。

プレイしたあなたはどう予測するでしょうか?というか、公式資料集にはなんて書いてあるんでしょうか?


…やっぱり続編出そうよぉ〜。

(以上おまけも終わり。)

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