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これだけで内定承諾率30%アップ??「真実の瞬間」をデザインする方法

こんにちは!
新卒採用に関する情報をお伝えするAsnalo Picksです!

新卒採用市場では本選考が開始いたします。
ここまでの期間で一定数の母集団形成を進め、ここからは内定承諾率なども意識しながら学生とのタッチポイントの強化を図っていくタイミングではないかと思います。

「内定承諾率」に関する内容は以前にも触れておりましたが、内定を出すまでの接触頻度や濃度が承諾率に影響していくことは釈迦に説法のところかと思います。

また、コロナ禍の就活生は、求人減少による不安や焦燥感から比較的採用がしやすくなっているのではないかと思われがちですが、実際は複数企業で内定承諾をして入社直前に経済状況や内定先のコンディションを判断した上で入社先を決定しようと考えている学生が増えてきているようです。複数企業に内定承諾をすると意思決定している学生も多く『内定承諾』に関して、これまで以上に予断を許さなくなってきています。

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そんな中で本日は「真実の瞬間」に触れていきたいと思いますが、この言葉はご存知でしょうか?


■真実の瞬間とは

真実の瞬間とはサービス業界でよく用いられるマーケティング用語です。

Wikipediaによれば

顧客が企業の価値判断をする瞬間のことである。
赤字体質に陥っていたスカンジナビア航空をわずか1年で再建に導いたヤン・カールソンにより提唱された。
顧客が実際にその企業の提供する製品、サービスに接するあらゆる瞬間が「真実の瞬間」となりえ、そのときに企業姿勢を疑いたくなるような瞬間があればその企業からの購買を取りやめる可能性がある。これは一般の顧客満足度調査には現れないが、顧客の購入の意思決定に直接に関係するものである。


と記載があります。

提唱者のヤン・カールソンが着目したのは、従業員が顧客と実際に直接関わる15秒という時間でした。そして真実の瞬間とは、この15秒のことを指します。顧客はフライト時間の間ずっと消費体験をしていると考えられますが、満足度を左右するのは直接従業員と向き合っている15秒に過ぎないというものです。
たしかに、服を買いに行ったは良いものの店員の無愛想な対応を見てお店を離れるなんてことは経験したことがありますし、逆にすごく丁寧な対応をしてもらえると印象にも残ります。

つまり、顧客は従業員の態度や店舗の設備に対する印象だけで、企業全体の印象を評価するので、従業員が接客で顧客と接する僅かな時間(真実の瞬間)を制することが大事であるということになります。

さらに言い換えると求職者は人事をはじめとする従業員の態度や会社の設備に対する印象で、企業全体の印象を評価するので、従業員が求職者と接する時間を「どのように制するか」が非常に大事であるということです。

求職者と自社にとって一番大切な瞬間に感動を与えることができているのか、今一度振り返ることが求められ、真実の瞬間を考えていくことが、内定承諾率を高める鍵になると言えるはずです。


■真実の瞬間をどのようにデザインするべきか

当たり前ですが、人事の方が求職者と接する際には細心の注意を払っておられる方々ばかりだと思います。
そんな中で、新卒採用においては、どのような対応がポジティブな真実の瞬間となり得るのでしょうか。少し例を出してみたいと思います。


●来社時の従業員の応対

現在、採用活動はZoomやTeamsにおいて説明会や面接などが実施されているかと思いますが、どこかの選考タイミングで来社を依頼することも出てくるかと思います。
対面において求職者に大きな印象を与えるのは、すれ違う社員の方から挨拶をされるということです。このようなことは求職者からすると「安心」や「感動」を醸成させることにつながります。

弊社サービス利用者及び、ご契約企業様の内定者数名に「内定先の好きなところ」をヒアリングすると下記のような答えが数点上がっていました。

・面接前の待ち時間に社員の方が次々と話しかけに来て下さる等、社員の方の人柄に魅力を感じました。(日用品メーカー:21年卒内定者)
・説明会に伺うと社員の方々が「こんにちは」と笑顔で会釈してくださり、それだけで良い会社だなと感じた。(専門商社:21年卒内定者)
・気になっていた会社の面接で伺った時に人事の方以外にも、すごく丁寧にご対応いただき入社意欲が増した。(通信:21年卒内定者)

また、筆者自身の体験ですが、とあるコンサルティング会社さんに訪問した際、受付の呼び鈴を鳴らすと全従業員の方が「いらっしゃいませ」と迎え入れてくださるので毎回感動しています。すごく明るくて元気の良い方々が働かれているのだろうと、会社の様子も容易想像できます

しかし、会社の文化が浸透していれば容易ですが、ゼロベースから作り上げていくことは、社内の巻き込み含めて意外と難しいかもしれません。


●第三者からの賞賛

こちらは採用活動だけでなく、いろんな場面でも用いることができます。若干黒いかもしれません(笑)

このポイントは、普段接している人以外からもポジティブな評価をもらうと、その人だけでなく会社から認めてもらえている感覚になるということです。
例えば、求職者が普段接している人事の方とは面談も繰り返す中で、人となりや会社の雰囲気がつかめてきたとします。そんな中、社員座談会などで初めて会う現場社員の方から「●●君がすごく良いって話題になってたよ」という言葉をもらえると嬉しいですし、何より特別感を覚えます

余談ですが、筆者が就活をしている時に最終面接で社長が登場し、名前を呼んで選考を受けに来たことに感謝をしてくださりました。当時の自分は、なぜかそれだけで心を掴まれたことを今でも覚えています。そして、実際に行く予定をしていなかったこの企業に入社をしたのはここだけの話です。

兎角、筆者の例は極端ですが第三者からの反応は非常に良い真実の瞬間となり得るのではないかと感じます。特に会社のバリューに沿って賞賛やリアクションを行うことで、より会社にフィットしていると考えざるを得なくなります。


求職者が企業の選考を受験している時、少なからず「不安」はついて回っています。特にオンラインでの採用活動が主流になっている昨今では尚更でしょう。
そして、彼らは就職活動という人生において大切な期間で、間違いなく将来への「期待」を背負っています。

そういった中で、真実の瞬間を演出するに大切なポイントは恐らく以下の3点かと考えます。

・快感
・安心感
・特別感

これらの要素をうまく噛み合わせて真実の瞬間を演出することができると良いのではないかと思います。


■着手するにあたっての3つの論点

真実の瞬間に取り組むにあたり、大切なことを記載しておきたいと思います。
これらは書籍「真実の瞬間」よりピックアップした内容になります。


①現場への権限譲渡

やはり、最前線で顧客と接する時間を重要視すべきで、現場から離れたところで作られた規則には頼るべきではなく、限られた真実の瞬間を無駄にしないためにも現場に責任を委ね、その瞬間、そのときに意思決定をさせることが良いとされています。

真実の瞬間は、飽くまで現場でしか起こらないので具体的なやり方や伝え方は現場発信であるべきなのかもしれません。


②フラットな組織構築

書籍においてヤン・カールソンは、従来の組織構造を否定しています。顧客と市場が経済活動を主導する時代が到来するとのことで、先に述べたように現場のメンバーが輝くであろう状況を作っていくことが大切であると説いています。

実際に現場主導型にすることによって、現場のこれまで以上の責任感とやりがいを醸成することができます。


③簡易な言葉を用いる

誤解を招く危険を冒すよりは、だれに聞いてもよくわかる言葉で自分の考えを伝えた方がよい。

これは人事の仕事をしていると気をつけないといけない点かもしれません。そもそもビジネスマンと学生の間では常識としている言葉が全くもって違います。中には長期インターンなどに触れてビジネスシーンで使用する言葉を理解している学生もいますが、大概の学生は例えば、KPIという言葉は知らないはずです。

中には小難しい言葉が出てしまうこともありますが、基本的にはわかりやすい言葉で考えを伝えていくことが望ましいということです。

以上が、真実の瞬間に関しての内容になります。

本来であれば、わざわざデザインするべきものでもないのかもしれませんが、このような取り組みから貴社の内定承諾率が少しでも向上すれば幸いです!

本日もお読みいただきありがとうございました!!

次回もお楽しみに!!

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