【詩】感情をツカエ

あの日の閉鎖病棟、
世界が終わったと想った日、
夜の独り言、
何処にもいけないから潜った底の其処
ぶっきらぼうに捨てたのは何 

ぜんぶぜんぶまとめて捨てた
朝焼けの紫の雲
すずしい風
夏の空いてる昼間に見たあおぞら、
全部全部纏めて捨てた

ここは誰
個々は誰 

いらないなんて
昔の声だけで充分だよ
優しい優しい慈しみで包んで
私にだけ見せてたお母さんの笑顔は
誰の幻想?

「ねえ、今夜使わないでどうする?」
吐いたみたいなお粥が一碗
きっとそこに閉じこもってさ
消毒液に非常灯
ふらついて辿ってた病棟は運動用の廊下だから
ベンゾジアゼピン系に墜ちていけ

タイムトリップストリップ
正常性がまだ生きてるようで
手をひかれたから
さようなら

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