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最初で最後のゴダール

ゴダールには間に合わないことが多かった。
『ソシアリスム』『さらば、愛の言葉よ』『イメージの本』は新作公開で行けたはずだ。『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』のリマスターも間に合ったはずだ。でも行かなかった。

だから今作が最初で最後の新作で間に合った作品になる。

近年3時間超えが話題にもならないくらい長時間化する映画界で20分の大作。公開初日の1回目、最前列で観てきた。自分にとってゴダール作品は、散文詩のような、何か示唆的なような、でも何も言ってないような膨大なテキストと、美しい映像が冗長に続くペインティングのような作品なのだけど、それが完成したような感じがした。大まかに言うと以下のようになる。

ゴダール/遺作/20分/予告編/Canon/特殊な自画像とドキュメント/テキスト/ストリングス/切断/執拗なまでのテキスト/美女/コラージュ/手書きと手描き/アブストラクトペイント/肉声/アワーミュージック/切断

小さな映画館の小さなスクリーンで観たのが良かった。スケールは小さいのに大作に思えるのはゴダールマジックなのか。もう分からないし映画評論の偉い人がやってるはずだ。別に知らなくてもいい。


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