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石狩レッドフェニックスのファン感に急遽行ってみた話

みなさんこんにちは。
10月になり北海道は1日通して寒くなって参りました。
そして白い悪魔と呼ばれる「雪虫」も現れまして…本当にこの時期は苦手です…。

さて、そんな寒い中ではございますが、10月9日に急遽こちらのイベントに行って参りました。

プロ野球独立リーグ「北海道フロンティアリーグ(以下、HFL)」に属する「石狩レッドフェニックス(以下、石狩球団)」のファン感謝祭です。
私の行動履歴を知る人からしたら「なぜ?」となる人もいらっしゃると思います。今季HFLの公式戦はなかなかスケジュールが合わず行けてなかったですからね。
理由はこのあとすぐ語るとして、今回のnoteはこの石狩のファン感謝祭の感想を書いていきたいと思います。

坪井智哉監督(TSUBOSS)トークショー

タイムテーブルで言いますと14時半頃、今季石狩球団の監督をつとめた坪井智哉さん(通称・TSUBOSS)のトークショーがございました。
現役時代めちゃくちゃ応援していた身としてはやっぱりトークショーだけでも聞きたいわけで、当日私は夜勤明けなのに寝ずに急いで準備して会場である石狩市役所まで行ったのです。
(聡明なフォロワー諸氏は「またこいつ無茶してる…」と思ったでしょうね…)

現役時代の登場曲と共に登場した坪井さん

坪井さんのトークショーは主に今季の石狩球団の振り返りや、自身が見てきたプロ野球の世界などを優しさ半分、厳しさ半分で語ってくださりました。
ざっくりと(私なりの解釈も入れつつ)トーク内容を紹介していきます。
※印象的だった内容のみを掻い摘みます。

●米独立リーグの世界

坪井さんの現役時代。NPBでの経歴は2011年のオリックス・バファローズが最後となりましたが、退団後に日本の独立リーグからも (現役選手として)オファーがあったそう。
(どこのリーグなのか、どこの球団だったのかは語っていなかったため不明です)
坪井さんについて詳しい方でしたらご存知の通り、彼は結局アメリカの独立リーグに進むことになりました。
米独立リーグはいわゆる「食うか食われるか」のサバイバルな世界。少しでも調子が悪くなればシーズン中であろうが戦力外通告が来る。
そう考えると日本のプロ野球はかなり恵まれているのだなと改めて感じますね。余程のことがなければシーズン中に戦力外通告されることはないですから。
米独立時代の詳細は下記の記事を参照ください。

※こちらの記事を教えてくださったフォロワーさんに感謝申し上げます!

●個性溢れる監督

NPB時代さまざまな監督を見てきた坪井さんですが、阪神タイガース時代の監督のひとり・星野仙一さんの厳しさが垣間見えるエピソードを語っておりました。
とある試合でバントを決めなければいけないシチュエーションで失敗。せめて自分はセーフにならねばと一塁まで全力疾走をしたのですが、ベースに到達した際に足を骨折してしまったのです。
そして星野さんは「もう打たせるな!バントだけさせておけ!」とお怒りモード。坪井さん本人も忘れられない印象的な試合となってしまったようです。
北海道日本ハムファイターズに移籍後、トレイ・ヒルマンさんや梨田昌孝さんといった監督のもとプレーをしておりましたが、このお二人はとても穏やかな方であったと。梨田さんに関しては、坪井さんが2軍に行くことになった際に申し訳なさそうに声を掛けてくださったそうです。

自身のエピソードを語っているときは苦笑する様子も

●石狩の選手との取り組み

過去にも北海道のローカル番組等でも語っておりましたが、石狩の選手たちのレベルはまだまだという印象を最初は持っておりました。
練習に対しては坪井さんは現役時代相当拘っておりましたので「練習のための練習」にならないように徹底的に指導し続けたようです。
時には厳しく、時には優しく指導したからなのか、石狩の選手は「厳しかったですか?」「優しかったですか?」のどちらの質問にも頷いておりました。
ただ、やや自虐的に本人は「(HFLで)優勝させることができなかったから、良い監督ではなかったかな」と悔しさが垣間見える言葉も出てきました。

特等席でトークショーを聞く選手たち

石狩球団の取り組みに関しては、今季クラウドファンディングのリターンに「1日独立リーガー権」というものを取り入れておりました。その名の通り1日だけプロ野球選手として試合に出場できるという権利が買えるのです。
こういった取り組みに関しても坪井さんは積極的でした。とにかく「まずはやってみる。失敗したらやめれば良い」というスタンスでいってみよう、ということですね。

●現在のHFLの立ち位置

HFLの選手は今後数年間でドラフト指名されるか、という質問に関しては、今は厳しいなとのご意見。
やはりレベルの違いというものを痛感しているようで、今季HFL優勝球団の士別サムライブレイズもIPBL(日本独立リーグ機構)チャンピオンシップでは大敗し、現在のIPBL内でのHFLの立ち位置を知る結果となりました。実際、HFLの試合にはNPBのスカウトが来ていないという現実にも触れておりました。
もちろん、その分伸び代がある…というフォローもありましたが。
今後どのような取り組みをし、NPBスカウトを振り向かせることができるか、各チーム注目すべきところかもしれませんね。

トークショー後に撮らせていただきました!
ありがとうございます!
アラフィフになってもカッコ良さは変わらず

「石狩ありがとう祭り」との共同開催

今回のファン感謝祭は、石狩市役所前で「石狩ありがとう祭り」との共同で開催されました。
基本的にはキッチンカーもありの地元密着な縁日形式で、ブースのひとつとして石狩球団のコーナーがございました。ステージもあり、YOSAKOIチームの演舞などの他、参加型ゲームなども開催されました。
選手やスタッフがストラックアウト、握力測定、グッズ販売等を担当しておりますが(午前の部と午後の部の最初は私は現地ではなかったのですが)、ステージで選手の自己紹介コーナーをやったり、参加型ゲームに選手も混ざったりと、非常に盛り上がっていたそうです。

しっかりグルメも満喫しました
揚げパンうまい

地域のお祭りということで、老若男女いろんな方々が石狩市役所に訪れておりました。
元々ファンの方も、まだ石狩球団を知らない方も、石狩球団に触れる機会ができるのは良い試みだと思います。
よくあるファン感謝祭だと、野球場での開催が大半なので、どうしても「野球ファン」以外の方は入りにくく感じてしまいがちです。
ファン向けの企画をしてこそ「ファン感謝祭」ではあるのですが、これからファンになってくださる方にもしっかり目を向けられるのが、地域のお祭りとの共同開催の強みかなと感じました。

●選手と直接交流できるスタンプラリー企画

さらに私が「これいいね!」と感じたのがスタンプラリー企画です。
今季所属選手の顔写真と名前、背番号が印刷されたチラシを受け取り、選手に声をかけると該当の写真にサインを頂けるという企画。全部埋めると景品が貰えると。
(当日不在選手は代理やスタッフがチェックをしてくれます)

選手が当日不在だった場合は代理が立てられるようです

参加者によっては気兼ねなく選手に声を掛けられる人もいれば、声を掛けて良いものか…と迷う方もいらっしゃいます。ですがどんな人でもこのチラシを持っていれば、選手は笑顔で対応してくれるのです。魔法の紙ですよね。
チラシの存在が選手に声を掛けるキッカケ作りとなっているのです。
印象深い選手がいれば、選手の顔と名前、背番号にサインまで覚えることができますよね。良い対応をしてくださったら、またこの選手を見たい!と思えるかもしれません。

選手もファンにどう声を掛ければ良いか分からない方もいらっしゃる場合がありますが、チラシの存在のおかげでファンと交流できるキッカケになりますし、これだけいろんな方々と交流すれば、自分たちは「地元の方々やファンのみなさまに見られている(支えられている)」という自覚が芽生えやすくなります。
「プロとしての自覚」づくりにも一役買っている企画ということになりますね。

●いろんな思い出が集約されたフォトコンテスト

石狩球団のブースには数多くの写真が飾られておりました。
ファン感謝祭の企画のひとつに「フォトコンテスト」があり、開催前に募集をかけ、集まった数々の写真を当日の参加者の方々に投票していただき、優秀作品には賞品として「2023年シーズンの観戦チケット5試合分」が貰えると。
石狩球団に関わる写真であれば何でも良いということなので、気軽に参加しやすいコンテストとなっております。
ざっと見て70枚以上はエントリーされておりました。いろんな思い出がここに集約されているんだなと思うと、グッとくるものがありますよね…!
毎試合行くくらいのファンでしたら、写真を見るだけでこのシーンかな?って思い出すことができるのではないでしょうか。

…ちなみに実は私も僭越ながら参加しておりました。
HFLの公式戦はなかなかスケジュールが合わなくて現地観戦は叶わず、6月に開催されたHFL選抜とルートインBCリーグ北地区選抜との交流試合のみ行けただけでしたので、(1人何枚でもエントリーができるようですが)1枚だけで勝負しよう、と自身に制約をかけました。
エントリー枚数も多く、票はバラけるでしょうし、1票でも入れば御の字でしょう、くらいのユルい感じで参加してみたのですが…

HFL選抜サヨナラ勝ちの瞬間

1位でした!(本気で驚きました)

投票してくださったみなさんに感謝しかありません!
この場を借りて御礼申し上げます!
せっかく賞品をいただけるのですから、来季はちゃんと石狩のホームゲームに行けるように日程調整をかけたいと思っております。

●選手が心から楽しく取り組む姿勢

表情がみんな楽しそうなんですよ…

地域の方々やファンの方々と楽しく踊る様子は、見ているこっちもワクワクしてくるんですよね。素敵な光景だな…と感じるほどには。
選手たちも参加者のひとりとして、このお祭りを心から楽しんでいるのが伝わります。会場は決して広いわけではないですが、なんだか実際の参加人数以上の人がいるような錯覚すら覚えました。
それくらい現場は盛り上がっていたと思います。

HFLはIPBLに加盟し、さらに上のカテゴリを目指せるようにしていくとは思いますが、そんな中でも「地域に根差す」というスタンス、つまり「ふるさと野球」を忘れない姿勢がそこにはありました。
正直に言うと「ちょっと羨ましい」って気持ちになりました。何に対しての羨ましいなのかは、話すと長くなるので今回は割愛しますが…あの日あの瞬間、私はそう思わざるをえなかったのは事実です。
こういったイベントはこれからもぜひ開催していただきたいなと思っていますし、他の独立リーグ球団も(全てこうしろ、とは言いませんが)今回の石狩球団の取り組みをぜひ取り入れていただきたいな、と感じました。

最後に

お菓子撒きの様子
疫病が現れてからなかなかこういうのも
行われなかったはずなので、懐かしく感じました

今回、石狩球団のファン感謝祭に行って本当に良かったと思っております。
坪井さんのトークショーが見たい為だけに行った私ですら「楽しい!」と思えたなら、ファンの方々は最高に楽しかったイベントだったのではないでしょうか。

今後リーグがどんな方向になるのかは当然ながら分かりません。球団もしかり。HFL自体は発足して1年目のリーグ、どんな色にも染められるのですから。
だけど、どんな色になろうともこの「ふるさと野球」の姿勢は崩さず、いろんな方々に愛される球団になっていただきたいですね。
来季の石狩球団はどんなチームになっていくか…前述しましたが観戦チケットをいただけますし、その辺りも含めて少しだけ見守ってみようかな、と思います。

長くなってしまいまして申し訳ありません。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

握力測定コーナーの参加賞は選手カード(ランダム)
所謂「抜け忍」の川上智也選手でした!

「君はサポートしてみてもいいし、しなくてもいい」※サポートのお礼メッセージはすべてネタとなっております