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「下手」という言葉を私が極力使わない理由

はじめに

今回は「カメラに関して」から派生した話ではありますが、創作系ジャンルにも当てはめられますし、なんなら今回のタイトルのキッカケになったのはイラストを描いていた頃だったりします。
いつも通り適当にお読み頂ければ幸いです。

「下手」という言葉を使いすぎる人

「下手(へた)」

1. 物事のやり方が巧みでなく、手際が悪いこと。また、そのさまや、その人。
2. なまはんかであること。なまじっかなことをして結果が悪くなること。また、そのさま。
3. 中途半端なこと。満足できるような程度でないこと。また、そのさま。

カメラをやっていると、自分にない視点とかを勉強しようと思って他の人の写真を見ることがあります。
SNSでいろいろ検索していると、その写真の説明や撮り手さんのプロフィールにこういう文言を見つけることがあります。

「下手ですが写真を撮ります」

「下手くそな写真を載せてます」

「下手ですいません!」

個人的には、とってもモヤモヤしてしまいます。
(本当に上手いか下手かどうかは人それぞれなので置いといて)自分の今の実力を把握しているという点ではその言葉はきっと必要なのだろう、と考えてはいますが…。
写真載せるたびにこの言葉を見ると、さすがに言い過ぎでは?と思ってしまいます。

…って、早速偉そうなことを書いておりますが、実は私はこの「下手」という言葉を昔はアホみたいに使っておりました。
しかもカメラではなく、イラストを描いていた頃。
だから上記のようにモヤモヤしたり、そういった話をする資格なんてない人なのです。
そんな資格のない奴がどうしても言いたいことは「下手という言葉を使いすぎてはいけない」ということです。

そう思うようになったキッカケでもある、イラストを描いていた頃のお話をしようかと思います。

自惚れたくない故の感想の否定

もう何年前になりますか、私の趣味はイラストを描くことでした。

漫画やゲームのキャラクターを紙に描いて、ちゃんと着色もして…今思えば続けていたらもっと良いイラストが描けていたんだろうなぁと感じますが、現在は全能力をカメラに振ったのかと言わんばかりに描けなくなりましたね…。
普段から描くことは大事だと思い知らされました。

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比較的マトモに描けてた頃のイラスト
(ファイアーエムブレム 紋章の謎/ジョルジュ)

このイラストを描いていた時期は流石にもう「下手」ってワードを使う頻度はほぼ無に等しいですが、もっともっと遡っていくと、まぁたくさん「下手」だのなんだの言っていたんですよ…。
使っていた私自身は理由があって「下手」というワードを選んでいました。

それは「自惚れたくないから」でした。

大昔なんてお世辞にも上手いとは言い難かったくらいの画力でして。
今だから言いますけど「当時のこのレベルでまず"自惚れようと思いそうだった"のが怖い」と思うくらいには「本当に下手」でしたね。
まぁ、論より証拠です。とりあえずこれを見てください。

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絵を「本格的に」描き始めた当時のイラスト
もはやイラストと言うべきかも微妙である…

さすがにこれと比べたらその前に載せたイラストって見れるレベルになったよなって思いますよ…こうなるまでに○○年かかってるじゃないか…。
でも当時はこれで満足しようと思っていました。思っていたけど、一応踏みとどまっています。

SNSのような交流ツールが少なかった頃…絵描きさんの多くは「個人サイト」的なものを運営して自分の作品を載せていました。
私もネットサーフィンが趣味なので、よくいろいろ巡っては素敵な絵描きさんを見つけて感想を送ったり、お絵かき掲示板に自分のイラストを投稿してみたり…いろいろやっていました。

交流する中で「あささん(当時は別のハンドルネーム)も絵が上手いですよ!」なんて素敵なコメントを残してくれるんですよ。
そのコメントに私は「そんなことないです! めちゃくちゃ下手くそなんです、すいません」と返したのです。

…今思えば本当に失礼な返し。
お世辞だったかもしれない。それでもネガティブなことを言うよりは、褒めて伸ばしたいって思いますよね。
たとえばイラスト教室みたいなガチガチのものであれば指導や指摘の一環で「デッサンが狂っている」とか、それっぽいコメントを言うでしょうけど、ごく普通の交流の場ですからね。

「自惚れたくない」という理由で、相手の感想を全否定してしまったのです。

相手さんは特にそれで気分を害したってコメントは残していないものの、モヤモヤとしただろうなと。
私が相手さんの立場だったら、なんなんだコイツと今なら思いそうです。

「下手」という一種の免罪符

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ペイントアプリでチマチマ描いたもの
背景付きの完成品データがどっかいってしまった…涙
(ロックマン2/メタルマン)

私は「自惚れたくないから」という理由を第一に挙げていましたが、他にも理由はありまして、結局のところ「相手に下手と言われるのが怖い」というのもありました。
決して上手くはない画力なのは心の奥底で思っていました。地球は広いですからいろんな画力の方がいますし、プロとしてイラストを描いている人だっているんですから、自覚はあったのです。それで「自惚れたくない」なんてよく言えたもんだ…。

下手だと分かっていても、言われると辛い…だったら、自分から言ってしまおう!
そしてあわよくば、相手が「そんなことないですよ〜」とか「いやいや、上手いですよ!」って言ってれれば…なんて思ったこともあります。

…本当に愚かな考えだと今は猛省しています。
「下手」という言葉を一種の「免罪符」にして、本当に「下手」と言われる(思われる)ことを避けようとしていたのです。
そういった行為を続けていたら、ある方からお叱りの言葉をいただきました。

「お世辞とか関係なく、相手が"上手い"と言ってくれた、そのセンスを君は否定して、結果お互い嬉しいと思えるのか? そのセンスに対して、ありがとうも言えないのか?」

ハッとさせられましたし、そこで悪い夢から目が覚めた気がしました。
褒められたら、素直に「ありがとうございます」と言う。たったこれだけのことを私はまったくできていませんでした。

行き過ぎた謙遜を避けるには

撮り手さんのアカウントの話に戻ります。

そういった経緯もありまして、プロフィールや投稿でその文言を見るたびに、過去の自分と重ねてしまい、それは自分もだし、見てくれた相手も辛くなるよ…!って、老婆心ながら心配してしまうのです。
センスがないから…とか、ピントが合ってないから…とか、安いカメラだから…とか、たくさんの「免罪符」を貼ってしまっていると、見てて辛くなるので、そっと閉じてしまいます。

(あ、でも「ピント合ってない」とかは私もたまーに使ってしまうから、これを機に控えるように頑張ります)

日本人ならではなのか、褒められるとつい謙遜してしまいがちです。謙遜が美徳と思われるのか、上記のように褒められる前から「免罪符」を貼ってしまう事例もたまに見受けられます。
でも謙遜が行き過ぎれば、こうやって相手の言葉やセンスそのものすら否定してしまい、気付かぬうちに後味が悪くなる会話になってしまいます。
でも正直どこまでが「ちゃんとした謙遜」なのか「行き過ぎた謙遜」なのか、私でも分からないです。

先ほども書きましたが「上手いですね」「すごいですね」「この写真好きです」等の写真の腕に直結する感想が一言添えられていたら、まず私は「ありがとうございます」とお礼を書くようにしています。
当たり前の行動だけど行き過ぎた謙遜をしてしまう人はそれすら失念しがちです。
そういった感想一行だけのコメントの場合はありがとうの一言(たまに「そう言っていただけて嬉しいです!」も添えたり)をストレートに返答しています。

それ以外の一言コメントや、比較的長文のコメントの場合は、そのコメントに合わせて返事を書いたりしますね。
冗談とかも交えつつ、なるべく相手の感想を否定しないように、足りなすぎる頭をフル稼働して書いています。
語彙力がなさすぎる私にとって結構大変。毎回模索しながら返信しております。

そんな感じで「下手」というワードや相手の感想を否定するワードを極力使わないようにして、プラス思考を大事にしていくと、お互い楽しく会話できると思います!

言葉で呪わないように

親友からこんな言葉をかけられたことがあります。

「ネガティブな言葉は自分を縛る呪いになる」

写真を載せるときは比較的プラス思考なのですが、普段の私はダークマターかよと思ってしまうくらいのネガティブ思考です。ある意味、ネガティブなことを言ってストレスを発散しているのですけど…お目汚しなTLにさせているよなと反省もしています…。
そんなときに、親友のこの言葉を思い出しています。
実際、ネガティブな言葉ばかり出てくる時期って、体調を崩しやすかったりするので、心と身体ってちゃんと繋がっているよなぁって感じますよね。

今回の件もそれに当てはまると思います。
下手だ下手だと言いづけて生きてきたら、そのまま成長が止まって本当に下手になってしまうかもしれない。上手くなるチャンスを逃してしまうかもしれない。
そう考えると「下手」なんてワードは易々と使えない。
「私は誰よりも上手い! ガハハ!」なんてコメントも人によっては「えっ?」となるらしいですが、普段ネガティブな私からしたらそれくらい突き抜けていた方が見ていて清々しいし、見習いたくなるって思います。

自分をこれ以上言葉で縛らないように、そして相手が気持ち良く感想を書けるように、自分の写真にもっと自信を持って、胸を張って載せてほしいな〜と感じた次第です。

画像4

親戚が気に入ってくれた写真
誰かが気に入ってくれたものは惜しまず
他の方々と共有したい

過去にやらかしてしまったからこそ、今の私は胸を張れます。
戒めも込めつつ、今回はのnoteはこれで終わりにしておきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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