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5000m 13分台出すまでの取組み~④まとめ編

体調不良や繁忙により、前記事から時間が空いてしまいました。

改めて、これまで振返りをもとに5000m 13分台達成要因を市民ランナー視点で考察し、ポイントをまとめます。

尚、ここでのポイントは実践的な練習論というよりも、競技姿勢・競技観を中心に考察したものです。

また、考察のベースはあくまで経験則であり、生理学的な裏付けを考慮していない点にご留意ください。

<ポイント>

1.外部環境への適応

・生活環境等の変化に見舞われる度に、練習計画や練習習慣、練習内容の見直しを図り、外部環境への適応(練習管理の最適化)に努めていた。これは13分台を出した2019年も同様であった。

・ただし、2019年は幸いにして十分な練習時間を確保し得る環境に身を置けたことに加え、前年までの取組み成果により体力(競技力)・モチベーションとも高い状態を維持した時期であったことも事実。

・生活上の変化に見舞われがちな市民ランナーにとって、いかに練習時間を捻出するかが共通課題。13分台を出すためには相応の練習量が必要で、これを実現し得るための練習時間の確保が重要。

・また、記録達成の確度を高める観点から、自身の練習計画を遂行し得るだけの練習環境を整備することも重要な要素の1つ。競技に集中できる環境に身を置くことや、難しい場合はそうした環境を工夫して作り出せるかどうかがポイントと感じる。

2.練習計画のPDCA

・かねてより短期計画(1年単位の練習計画)をベースに練習を実践してきたところ、13分を出すまでの5年間、記録の上では一貫して成長路線を継続することができた。

・この間は前年の取組みをもとに当年度の練習計画を策定し、年度ごと計画の改善・アップデートを図ってきた。また、日頃の練習を行う中で練習内容や強度設定、練習の組み立て等の考え方や基準のようなものが整理でき、これらは年を重ね、競技力が上がるにつれて精度が高まった印象がある。

・その上で、2019年は短期計画上5年目のシーズンである一方、見方を変えると5ヵ年長期計画の最終年度であり、練習計画のPDCAが長期にわたり機能した結果、成果創出に繋がったものと感じる。(特別なことをやったわけではなく、計画立てて日頃の練習を着実に消化し、競技力を高めていった結果、13分台を達成したもの)

・何かと忙しい市民ランナーにとって、学生のように練習期間の定めがない中、長期視点で競技に取り組むことは割と難しい。しかし、高い目標であればあるほど、3〜5年程度の長期計画の中で練習を重ねて着実に競技力を高めていくことが、一見して遠回りのようで一番の近道であると感じる。

3.時間をかけた能力開発

・前段のとおり、自分自身は5か年の長期計画の中で、比較的時間をかけて能力開発を進めてきた。特に2017年〜2019年にかけては、十分な練習時間を捻出できる環境にあり、月間走行距離400〜600kmをキープしたうえで、目標とする種目に合わせたスピード能力開発、有酸素能力開発、LT強化等を図ってきた。

・なお、目標とするレースが何かによって、必要な能力や開発順序等が変わるのは言わずもがなであるが、自分自身はどちらからというと5000〜10000mに対する想いが強く、2019年当時の練習比重としては有酸素能力開発とLT強化を重視するトレーニングが多かったように思う。(とはいえ、スピード能力を軽視したわけではない)

・他方、個別の能力開発に特化することや、基礎的走力向上のための練習をしすぎることは効果の薄れ(漸進性の低下)やモチベーション低下等に繋がるため留意が必要。惰性で練習することを回避するうえで、高強度のポイント練習やレースを練習計画上のマイルストーンに設定して取組むことが、緊張感や実戦感覚の維持に効果的であったと感じる。

以上、ポイントをまとめましたが、整理する中で浮かび上がった自身の競技における今後の課題についても、以下簡潔にまとめます。

<今後の課題>

1.抜本的な練習管理の見直し

・2020年~現在にかけて、家庭や仕事の関係から練習時間の捻出が難しくなったことに伴い、従来の練習管理(目標レースから逆算して練習計画を立てて実践すること)の限界を感じつつあるところ。

・また、30歳を過ぎて加齢による体力や回復力、モチベーション低下等の影響で、意図せずしてオフを余儀なくされることや、高強度のポイント練習を外すことも増え、競技力の向上はもとより、練習計画のPDCAが機能しているとはいえない状況にある。

・長期かつ計画的に競技力を高めていく従来の練習管理の運用が困難になったことを踏まえ、今後は練習計画自体に柔軟性(強度設定の幅やオオフの取り方の工夫)をもたせることや、有酸素能力とLTを基軸とした能力維持・強化(高強度の無酸素系ポイント練習に頼らない)を重視する方向性で、練習管理の在り方そのものを見直すべく試行したい。

2.現実感のある目標設定

・前段のとおり、日常生活における競技以外の優先順位(家庭、仕事等)が高まり、相対的に競技に対する優先順位が低下している。こうした中、高い目標を設定することが理想と現実のギャップを生み、更なるモチベーション低下に繋がる可能性を懸念。

・また、相応の練習量を積まない限りPB更新は困難。そのため、ある程度の練習時間が捻出できるか、もしくは練習環境の改善が見込まれるまでは、現実感のある目標設定のもと、競技に臨むことが望ましい考える。

・まずは大きな方向性として「PB更新」を掲げつつも、当面「月間走行距離300kmの維持、月に1本レースに出場」を目先の目標に掲げ、競技力の維持に努める算段。

3.競技に対するマインド変換

・ライフステージの変化もあり、今後年間通して練習時間を目一杯確保することは困難。また、日々の練習過程でより多くの変化や障壁に直面することも予見され、従来のマインドの延長で取り組むだけでは中途半端な結果しか出せないまま、競技者としてのキャリアを終える可能性が高い。

・いずれにしても現状においては、より限られた時間の中で競技に取り組まざるを得ないことを認識したうえで、「予定調和型の練習計画からの脱却」、「隙間時間による練習量確保」、「より一層の疲労対策」等に努め、最低限これらを継続する中、記録を狙える環境・準備が整った段階で改めて具体的な練習計画・戦略を立てて再度記録更新に挑戦したいと考える。


今回も、最後までお付き合いくださりありがとうございました。

今後も不定期で各種情報を発信する予定ですが、次の記事更新は未定です。
ご意見等ありましたらお待ちしております。


参考:これまでの振返り記事①~③は以下からご覧ください。


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