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「編集者だし、漢検2級なら満点取れるでしょ!」

こんにちは。英語編集部のKKです。久しぶりに個人的な記事を書きます。
私たち編集者の仕事には、著者からいただいた原稿の表記統一、内容チェックなどを行う原稿整理や、ゲラを見ながら誤植や不備を探す校正などがあります。

つまり日頃から、ことばに多く触れているわけです。
私は英語編集部に所属し、語学書の編集をしているので、英語ももちろん使っているのですが、それと同じくらい日本語も使っているのです。

そこで思いました。
「今なら漢検2級くらい余裕で満点とれるだろう」と。

なぜ「漢検2級くらい」と思ったかというと、中学2年か3年の時に準2級に合格し、「次は2級だけど、ちょっと難しそうだからもう少し後で受けよう…」と思いつつ、今日まで受験せずにきてしまったからです。

ということで、『英語編集部員が漢検2級満点に挑戦』しました。
今回は、日本漢字能力検定協会が問題例としてホームページに掲載している2020年度第3回検定の問題を使用しました。

では、採点済みの解答用紙を見ていきます。

(一)読み

1問1点が30問でしたが、29点。
早くも満点取れる説は立証ならず。
何を間違えたかと言いますと、「荘重(そうちょう)」を「そうじゅう」と読んでしまいました。
たしかに「じゅう」か「ちょう」か迷ったんですが、「重複(ちょうふく)」を「じゅうふく」と読むのが許容されているように、これも「じゅう」にしとけばいいんじゃない? と思ってしまったのです。
はい、言い訳でした。勉強します。

あとは正解できましたが、17の「精緻」や20の「充塡(充填ではない!)は、読めても書けないかもなぁ…と思いました。

(ニ)部首

漢検に「部首」という出題項目があることを忘れていました。覚えていれば、「満点取れる」なんて思わなかったかもしれませんが。

なんと10問中3問も間違えてしまいました。
配点が1点で助かったというのが正直なところ。

7問は正解しましたが、自信を持って解答を書けたのは 8の「麻」だけでした。あとは、たぶんここが部首だろ?って感じで解答しました。
だって編集作業は部首を知らなくてもできるもん…(小声)。

2は「軟」という字の部首。
「ふつうに考えたら『車』だけど、『欠』っていう部首もあるし、裏かいてこっちにしたろ」と深読みしたら間違えました。ちゃんと勉強してないとこうなるんですね。

ちなみに6は「死」の部首で「歹」7は「摩」の部首で「手」が正解でした。

(三)熟語の構成

※見やすくするためにわざと大きくはみ出して塗りつぶしています。

これは、それぞれの熟語の構成を5つの選択肢から選ぶという問題。
例えば、2の「禍福」は、災いを表す「禍」と幸福を表す「福」から成る語なので、選択肢イの「反対または対応の意味を表す字を重ねたもの」になるわけです。

これも1問間違えてました。なかなか全問正解するのって難しいですね。
ちなみに間違えた7の熟語は「論旨」
「議論の要旨」だと思ったので、「上の字が下の字を修飾する」という選択肢ウを選んだのですが、そうではなくて、「下の字が上の字の目的語・補語である」という選択肢エが正解だそうです。ぴえん。

あと、迷ったのは1の「弾劾」。「劾」が「裁く」という意味なのはわかりましたが、「弾」に「たま」や「はじく」以外の意味があるか自信がなくて。でもきっとあるだろうと思ったので選択肢アを選べました。
漢和辞典で調べてみると、「ただす、罪科をせめる」という意味が最後の項に載っていました。

(四)四字熟語

中学生の頃、苦手だったような気がする四字熟語。
ここでは、四字熟語の穴にあてはまる語を、ひらがなで書かれた語のプールから選び、漢字二字で埋めるというもの。そして、11~15は書かれた意味に当てはまる四字熟語を1~10から選ぶ問題。
漢字をひとつ書き間違えていますが、苦手分野で1ミスは上々の出来ということにしましょう。
5の「夏炉冬扇」の「扇」が最初思い出せなかったのですが、12の意味に「役に立たない」と書いてあり、冬に役に立たないものを考えたらすぐに思い出すことができました。

(五)対義語・類義語 (六)同音・同訓異字

(五)の1~5は書かれている語の対義語を、6~10は書かれている語の類義語を、ひらがなで書かれた選択肢のプールから選び、漢字で書く問題。
ここは比較的楽に埋められました。ただ、バランスよく書くのが難しい漢字が多い! 貧窮(富裕の対義語)の「窮」とか、平癒(全治の類義語)の「癒」とか、豪傑(猛者の類義語)の「傑」とか! 漢字はわかっても、うまく書けなくて、何度も書き直してしまいました(まだバランス悪いですが…)。

(六)は、同音・同訓異字を書きわける問題。
普段から校正の際には、漢字の変換ミスには注意して見ているつもりなので、ぜひここは満点を取っておきたかったところ。
ただ、謹製の「謹」を横棒を1本多く書いてしまいました。パーフェクトならず。

ちなみに4の心筋梗塞の「梗塞」ですが、私は昔、「硬塞」かと思っていました。脳や心筋が硬くなって、血管が塞がってしまうのかと思っていたのですが、数年前に親戚が脳梗塞になったとき、「梗塞」が正しく「梗」にも「ふさぐ・ふさがる」という意味があることを知りました。

(七)誤字訂正

こちらは、文中の誤字を指摘して正しく書き直すという問題。
(六)と同じく、校正で誤字訂正をしている編集者としては全問正解するべきだったのですが…1問間違えました。
「衝」と「衡」が混ざって、よくわからない文字を書いてしまいました。恥ずかしい。ちゃんと書く練習もしなきゃ。

(八)送り仮名 (九)書き取り

(八)は送り仮名も含めて、(九)は漢字のみの書き取り。(一)の読みでも触れたように、読めても書けない感じが増えているなぁと感じるので、ここは一番怖かったのですが…、でもなんと全問正解!!! よかった~

そんなに迷った字もありませんでしたが、強いて言うなら「疎ましい」「煩わす」をど忘れしたくらい。よく考えたら思い出しました。
あとは「寡聞」の「寡」も書くのが難しかった…何回か書き直しました。

書き取りには意外と簡単な漢字も出題されていて、「え?これでいいの?」と逆に心配になる問題もありました(笑)。

結果発表~~~!!!

満点の夢は早々と散ってしまいましたが、(一)~(九)を合計すると、
200点満点中、188点でした!!

2級の合格基準が「8割程度」らしいので、この回を受験していたらおそらく合格できていたでしょう。
しかし、「編集者なら満点取れるでしょ」と思った最初の考えは甘かったことがわかりました。
常用漢字でも使いこなせていない漢字があるのだと実感しました。
準1級は2級より数段難しいそうなので、「挑戦します」とは言えませんが、今後も編集者として漢字やことばに敏感に過ごしてみようと思います。

以上、『英語編集部員が漢検2級満点に挑戦してみた(失敗!)』でした。
最後までご覧いただきありがとうございます。


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