見出し画像

『知識と文脈で深める 上級英単語 LOGOPHILIA』本文一部公開

『知識と文脈で深める 上級英単語 LOGOPHILIA』(北村一真・八島純 著)が4月末に発売となります。

すでにTwitterなどで多くの反響をいただいておりますが、「中身を立ち読みしてから買いたい」と思っている方もいらっしゃると思います。
そのほかにも「もう予約したけど、届くまで待ちきれない」という方々もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、本書の中から以下の抜粋を発売までの1週間限定(~4/27)で公開します。

  • はじめに

  • Chapter 7 医療・心理 32.1「性別と脳は無関係」

  • Extra Vocabulary「政府・国家関連の重要語句」

(書籍の体裁を再現することが難しい部分において、テキストではなく、画像で公開いたします。画像はクリックすると拡大できます。)

また、本書の語彙のレベルは以下のようになっています。
ご購入を検討の際は参考になさってください。

  • 英検準1級~1級レベル

  • 難関大学受験レベル ※(大学受験の)標準レベルの単語を身につけた上で、さらに上を目指したい人向け

4/27追記
こちらの記事は、上記のとおり発売開始後に非公開にする予定でした。
しかし、本書はSNSでも書店でも予想以上に大きな反響をいただいており、本のことを知りたいと思ってくださる方々のため、今後も公開を継続することにいたしました。

5/23追記
もりてつ先生のYouTube「Morite2 English Channel」に著者の北村一真先生が出演し、『ロゴフィリア』を紹介していただきました。
制作のきっかけやレベル感などもお話いただいていますので、こちらもぜひご覧ください↓↓


* * * * *

はじめに

(p. 2~)

 インターネットやSNS、オンライン会議ツールなどの発達によって、国際交流の機会が以前よりも格段に増えている中、社会問題などについて自分の意見や考えを英語で発信する能力の重要性がますます高まっています。それに付随して、英語学習の世界でも、ディスカッションやディベートの機会を増やそうとする動きが活発化しています。発信能力が重要であるのは全くその通りですが、単純にディスカッションやディベートなどの時間を増やせばその目標を達成できるのでしょうか。おそらくそうではないと思われます。多くの学習者にとって本当に必要なことは、それ以前のインプットの段階にあります。社会性の高い幅広い話題について英語で意見を発信できる人が少ないことは事実ですが、時事問題を扱った新聞記事や多様な分野の洋書を正確に読める人、英語のニュースを正確に理解できる人もまた少ないのです。難関大学合格者やTOEIC 高得点取得者でも、日常的に英字新聞や洋書を読んだり、英語のニュースで情報収集をしたりして十分なインプットを行っている人は少数派でしょう。

 その原因の1 つと考えられるのが語彙力不足です。英語学習者の間では、「実用英語技能検定(英検)準1~1級で問われるような単語が、本当に普段から使われるのか」ということが度々話題となります。繰り返しこれが議論になるのは、英語の成績が良い高校生や大学生が見ても解けない問題が多く、それらが「マニアックな知識」を問うものだと感じる人が後を絶たないからでしょう。しかし、英検準1 ~ 1 級の語彙問題に出てくる単語の多くは、実はそこまでマニアックではなく、ほとんどが新聞や小説などでも一定の頻度で目にするものです。にもかかわらず、これらの単語がともすると極度に難解なものとして敬遠され、結果、そこそこの英語力を身につけていても時事英語から積極的に情報を取り入れたり、話題の洋書などを楽しんだりできない人を生み出すことにつながっているのが実情です。そういった人が一歩上の語彙力を身につけるためのきっかけとなるような単語帳があればよいのではないか。そう考えて執筆されたのが本書です。

 本書には、2 つの大きな特長があります。まず1 つは、単語帳ではありつつも英文記事や文学作品などの生の素材を読みながら語彙を身につけていくという形を採っている点です。一定の文脈を持った実例を示すことで単語の使い方やニュアンスをより正確に伝えることができるし、問題となっている単語が実際によく使われていることを肌で感じながら、様々な分野の背景知識も同時に補強することができるという利点もあります。もう1 つの特長は、記憶したり実際に使ったりする上でヒントになるようなトリビア的な解説を全ての単語に付けたことです。受容目的で学ぶ上級英単語というのはとにかく訳語を覚えることに集中してしまいがちですが、単語の語源や成り立ち、実際の使用例などを見ていくと非常に興味深い世界が広がっています。好奇心につられてトリビアを読んでいるうちに、いつの間にか単語の持つニュアンスや使い方までが自然と身についていた、という形になれば理想です。

 本書は全10 章で構成されており、そのうち第1~第9 章までは実際の新聞記事やエッセイを扱っています。各章には、「社会」「IT・テクノロジー」などのテーマが設けられており、そのテーマに沿った英文記事を取り上げています。一方、第10 章はポーやウェルズなどの著名な作家の文学作品や論説からの抜粋が題材になっています。この章だけはやや特殊で英文の難度も高めですが、それ以外の章はテーマによって分類したものであるため、レベルに大きな差があるということはありません。前から順番に進めていってもよいですし、興味のあるテーマを扱った章から始めていただいてもかまいません。英文やトリビアを読む中で楽しみながら、自然な形で英単語を身につけてもらえれば、著者としてこれに勝る喜びはありません。

 本書の執筆にあたっては、アスク出版編集部の永戸みず穂さんに記事や語彙の選定から執筆内容の検討に至るまで事細かくサポートを頂き、スムーズに執筆を進めることができました。また、同編集部の森田修さんにも折に触れて有益なアドバイスを頂戴しました。この場を借りてお二人には心より感謝申し上げます。

2022年4月 北村一真・八島純


英文の選定基準

(1)国際的にも話題となっていて日本人としても馴染みがある、興味深いトピックか
(2)上級者として覚えておきたい必須英単語が含まれているか
(3)英文の構造が比較的シンプルで、単語を文脈の中で理解しやすい素材か
※ Chapter 1 ~ 9 の英文に関しては、実際の新聞記事や論説から抜粋しており、掲載内容はすべて発行当時のものです。また、その内容は著者及び出版社の主張を反映したものではありません。

見出し語の選定基準

(1)英語で情報収集や発信するのに必要とされる、ハイレベルかつ重要な単語か
(2)使用ジャンルが限られる専門用語をなるべく避け、様々なトピックで使用される一般的な単語を選定
(3)英検準1 級~ 1 級レベルの語彙を中心に選定

無料ダウンロード音声について

英文(P-XXX)
英文(Passage)の音声を1 回ずつ収録。
単語(V-XXX)
英文で扱った単語(Vocabulary)と例文の音声を、1 回ずつ収録。

※全てアメリカ英語で収録しています。
※ 英文(P)と単語(V)でトラックが分かれていますが、英文の後に続けて単語を収録した音声ファイル(PV-XXX)も別に用意しています。
※英文、見出し語、例文の日本語訳の音声は収録しておりません。

本書の音声はスマートフォンやパソコンで聞くことができます。

(実際の書籍では、ダウンロード方法を紹介しておりますが、noteでの限定公開では割愛させていただきます。)

* * * * *

Chapter 7 医療・心理

(p. 246~)

32.1 性別と脳は無関係

行動に見られる性差を脳の構造の違いで説明しようとする考え方は注目を集めやすいが、この考え方にはどの程度の信憑性があるのか。実際にオスとメスではっきりと脳の構造が異なる動物も存在するが、人間の男女の脳にはそのような差は見られないということを指摘する記事。

Quiz の解答
Q1
 one は「女性の脳」、the other は「男性の脳」。
Q2 脳の研究成果により分かったことを行動上の性差と結びつけたくなるため。
Q3 オスが求愛歌を用いる鳥類で、オスとメスの脳で構造が異なること。


 
男性と女性の頭脳の違いは誰もが聞いたことがある。一方は、おしゃべりで少し神経質だが、物事を決して忘れず、人の世話をよくする。もう一方は、衝動的ではあるが、より落ち着いており、噂話を無視して仕事をこなせる。
 これらはもちろん固定観念だが、実際の脳科学の設計や解釈に驚くほどの影響力を持っている。MRI が登場して以来、神経科学者たちは、男女の脳の違いを発見するために絶え間ない努力を続けてきた。このような研究が注目を集めるのは、特定の脳の発見をついつい行動における性差に結びつけてしまいがちであるからだ。(中略)
 私の行っている共同研究では、人間の脳が「性的二形」だという考えが誤りであることを示すために、「二形性を捨てよ」というタイトルをつけた。性的二形とはいかにも科学めいた言葉だが、生物学者が、鹿の角や男女の生殖器のように、男性と女性で異なる2 つの形態を持つ構造物を表現するために使う用語だ。
 脳に関しては実際に性的二形が見られる動物もいる。たとえば、一部の鳥類の脳には、オスの方が6 倍も大きい、歌をコントロールする神経核があり、オスだけが求愛の歌を歌うことができるようになっている。しかし、私たちが徹底的に調査して示しているように、人間の脳はこれとは似ても似つかない。


* * * * *

Extra Vocabulary「政府・国家関連の重要語句」

(p. 352)

日本語の「永田町」という言葉は地名だけでなく日本政界を表すこともあるが、同じような言い回しは英語にも存在する。政府や国家に関連する特殊な表現を4つ紹介する。


* * * * *

公開はここまでとなります。本書の魅力を感じていただけていれば幸いです。
実際の書籍では、54テーマの記事・作品の抜粋(合計で英文パッセージ100本分)、950の見出し語、そして16本のExtra Vocabularyのコラムを掲載しています。
少しでも気になった方は、以下の「予約・販売について」をご覧くださいませ。

* * * * *

予約・発売について

予約はこちらから

・Amazon

・Rakuten ブックス

上記の通販サイトでは、お届け日をご確認の上、ご注文ください。
通常の書店での発売は、4月28日~29日頃を予定しております。

先行販売情報

また、下記の書店では先行販売を実施する予定です。
【4月25日午後~】 
・丸善丸の内本店 
・ジュンク堂池袋本店
・紀伊國屋新宿
・ブックファースト新宿店
【4月26日~】
・紀伊國屋書店梅田本店
・丸善名古屋本店

※これらの発売予定は変更される可能性があります。最新情報はアスクのTwitterなどをご確認ください。
アスク 英語編集部 Twitter
アスク 営業部 Twitter

* * * * *

北村一真先生のSNSはこちら

Twitter

https://twitter.com/Kazuma_Kitamura

note

#LOGOPHILIA
#ロゴフィリア
#北村一真
#八島純

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?