毎日自由な時間がたっぷりあっても不幸になる理由ーベストな自由時間とは?
毎日自由な時間がたっぷりある?
それだと不幸になるよ。
という話をします。
普通に考えれば、仕事や家事ばかりに時間を使うよりも、毎日好きなことしたり、のんびり過ごしたほうが幸せになれそうな気がしますよね。
「時間を気にせず1日中ゆっくり本読めたら幸せだろうなぁ…」
「ずっと好きなゲームしたりマンガみたりして過ごせたら楽しいだろうなぁ…」
「お金貯めて早くFIREして働かずにまったりしたいな…」
そんな自由な毎日を送ってみたい。
誰にも邪魔されず、自分の好きなことだけして1日を過ごしたい。
あなたも一度はそう思ったことはありますよね。
ですが驚いたことに、時間の使い方の研究をみると、自分の自由な時間がたくさんあればいいわけではないとわかっています。
時間の専門家キャシー・ホームズは、
と述べています。
え?何を言っているの?笑 って感じですよね。
毎日忙しすぎるとかで自由な時間が全然なくて満足しないとかなら分かりますが、たっぷり時間があるのに満足できないってどういうことでしょうか?
そこで本noteでは、
「なぜ自由時間が多すぎると不幸になるのか?」
「私たちにとってベストな自由時間は何か?」
について紹介します。
時間はなさすぎてもありすぎても不幸になる?
結論からいうと、自分が自由に使える自由時間は「1日2時間から5時間まで」が最適です。
これはアメリカ人数万人を対象に、1日の活動と人生にどれだけ満足しているか調べた「生活時間調査」をもとにわかったものです。(R)
キャシー・ホームズらがこのデータをもとに1日の活動と人生の満足度について分析したところ、次の結果がでました。
縦の軸はどれくらい幸せを感じたか、横の軸は自分が自由に使える時間です。
このグラフを見てみると、ちょうどすべり台のような形になっています。
面白いのは、自由な時間があればあるほど幸せ度が上がっているのではなく、不幸に向かって下がっているところです!
時間がなさすぎると不幸になる理由
私たち現代人は、時間に余裕のある人よりも、時間に余裕のないと感じている人が多い傾向にあります。
実際、時間の感覚に関する研究(R)をみてみると、
などと、少なくとも半分くらいの人は「自分の時間が足りてない!」と感じてます。
先ほどのグラフでも確認できたように、自分の時間が足りなくなればなるほど人の幸せの度合いが下がっていきます。
まとめると、
といえます。
また、自分が自由に使える時間が減ると、
・気分の落ち込み
・ストレスの増加
・精神的な疲労
などの悪影響が出ることもいろんな分野の研究で明らかになってます。
たしかに仕事に追われて自分の時間が全然ないなら、落ち込んだりストレスを感じるのは当然ですよね。
ここからちょっと余談ですが、(興味のない方は飛ばしてください)私がかつてあるNPO法人で働いてた時に、繁忙期で1日21時間近く12日間連続で働き続けるといった超ブラックな環境にいたことがありました。その時は体力も精神も限界を超えてて、「もう自分は生きてる価値なんじゃないか…」「あぁなんて僕は無能なんだ…」とどん底まで落ち込んだことがあります。
やっぱり自分の時間が1ミリもないと人ってメンタルがヤバくなるんですよね。(と、ここまで関係ない話です。すみません)
じゃあ、「自由な時間が好きなだけあったらいいのか?」というと、実はそうではありません。
一方でたっぷり時間が確保できたとしても、人生の満足度は下がってしまうのです。
時間がありすぎても不幸になる理由
最初のデータをもう1度みてみましょう。
データを見ると、1日の自由時間が5時間を超えると幸せ度が低下しています。
なんと、自由に使える時間が豊富にあっても人生の満足度は下がっていくのです。
つまり、
これは意外な結果ですよね。
その理由についてキャシー・ホームズは、次のように結論を出してます。(R)
つまり私たち人って、何もしないでのんびり過ごすよりも、達成感を実感するために何か活動していたい気持ちの方が強いんですね。
また、キャシー・ホームズは生産性について、
と話してます。(R)
よく、FIREできるほどお金があるのに働いている人や、起業が大成功したのにまた1から起業を始める人っていますよね。
なぜかずっと家で1日のんびりしたり、遊んで過ごしたりしてません。
これは、自分の時間がたくさんありすぎても面白くなかったからっていうのが理由だったんですね。
理想の自由時間は2~5時間
まとめます。以上の研究から、最適な時間の使い方は、
結論:1日2時間から5時間の自由時間をもつ
毎日仕事や子育てで忙しい人であっても、最低2時間の自由時間は確保するのがベストです。
逆に「自分はフリーランスだからスケジュールは自分で決めれるよ!」みたいな人は自由時間を5時間以内におさえます。
2~5時間の時間を確保する方法はいろいろありますが、「必ずこの時間は○分使う!」と決めるのもアリです。
例えば、本業で週5勤務をしながら土日で副業している人の場合はこんな感じ↓
【2~5時間の自由時間を確保する例】
・朝起きたら本かマンガを読む(30分)
・お香を焚きながらコーヒーを1杯のんびり飲む(15分)
・友だちと夜ごはんを食べる(1時間)
・毎週金曜日の夕方にサークルでソフトバレーをする(2時間)
・スマホでアクションゲームする(15分)
・好きなアニメを1話観る(30分)
自分が1日のやりたいことは予め決めておいて、合計が2~5時間におさまるように設定します。
「最近、仕事ばかり優先して自分のやりたいことできてないな…」
と思う方は、1日の中であなたの好きな時間をスケジュールしてみるのもオススメです。
終わりに
時間がなさすぎるのはもちろんストレスですが、一方でありすぎるのも問題というのは、なんとも人間って複雑な生き物だなぁって感じですね。
でもたしかに言われてみれば、休日に何もしないでただぼーっと過ごした日は、個人の感覚としてもあまり幸せを感じなかったですね。
毎日暇っていうのもそれはそれでかなり精神的にきつかったりします。
その理由はなんというか、上手く言語化できないんですけど、自分が世界に必要とされてない感じがするというか、どうせやることないなら何かに貢献したいよねっていう気持ちになるからだと思います。
だから私はもともと何も予定がない日でも、自分なりの目標をつくって集中して活動する時間をつくるようにしてます。
例えば、これまで自分が書いた記事を読み直したり、執筆をする時間を意図的に入れるとか…。
なぜなら自由時間を5時間以内に抑えられるから。
自分は今日何か有意義なことをした!と思えるので満足度を下げずに済む。
逆にどんなに忙しくても、アニメの続きは絶対観るとか、マンガを読むなどして自由時間は2時間以上もてるようにしてます。
こんな感じで、自由時間を2~5時間の範囲にするだけで、人は幸せを感じる気持ちを高められます。
あなたも毎日忙しすぎた日は最低でも2時間、逆に「暇すぎるわ」って日でも最低5時間以内に自由時間をおさえてみてください。
これができるだけで、時間の使い方上手な人になれますよ。
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【記事執筆】あすか
【X(旧Twitter)】:あすか@サイエンスライター
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【Instagram】:あすか@サイエンスライター
参考文献・データ等
キャシー・ホームズ『「人生が充実する」時間の使い方』
U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS “American Time Use Survey”
John P. Robinson(2012)Americans Less Rushed But No Happier: 1965–2010 Trends in Subjective Time and Happiness. Social Indicators Research 113(3) DOI:10.1007/s11205-012-0133-6
Anat Keinan, Ran Kivetz(2010)Productivity Orientation and the Consumption of Collectable Experiences. Journal of Consumer Research, Volume 37, Issue 6, 1 April 2011, Pages 935–950, https://doi.org/10.1086/657163
Mihaly Csikszentmihalyi(2000)The Costs and Benefits of Consuming. Journal of Consumer Research 27(2):267-72 DOI:10.1086/314324
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