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特集:世界から見た「アサクラ」

越境 岑國希(シャム クォク ヘイ)


岑國希(シャム クォク ヘイ)。通称コクヘイさん。
現在、彼は朝倉市地域おこし協力隊のインバウンドチームに所属し、日々の活動に取り組んでいる。またのちに述べているが、これまで彼は35の国を旅し、仕事や留学で香港・ソウル・ロンドン・日本と住み渡ってきた。そこで体験した彼の生活実感や彼の吐く独特の比喩表現を使った話し言葉がとても面白く、私が個人的にとても興味を持ったのがそもそもこの取材の始まりである。

2021年12月末、朝倉市の某カフェにて。彼と会うのは2回目。全身黒でコーディネートしたファッションは長身で細身の彼に良く似合う。しかも今日は散髪仕立て。1回目に会った時と同じ、2回目もお互い少し緊張気味であった。今回はカフェで待ち合わせし、私はコーヒーを、彼はカフェオレとクリームたっぷりのシロノワールを注文。まるでデートかのようなシチュエーションで話はスタートする。

学生時代、香港の浸会大学(在学中、ソウルの大学にも交換留学)の人文学部に入学。第一専攻は人文学科、第二専攻は日本語を選択する。彼の日本語が上手いのはこのせいか。その後、同大学の図書館にあるマルチメディア管理部へ就職。そこで2年間働いた中で、将来の自分に疑問を持つ。誰しもが悩む若かりし時期。私も大学卒業後の数年間、何度も深く考えさせられた。20−30代は今の自分の仕事、いや今の自分という存在に大きく不満を持ってしまう。これはその時にある理想と現実の差異から生まれる成人思春期のようなもの。負の青春。彼はそこで想い飛び立ち、ロンドンの大学で写真を勉強することとなる。香港→ロンドン。いろいろな期待と不安が交差する思いが青年を成長させる。

続く


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