見出し画像

「自分」だけじゃなくて[Footwork&Network vol.22 No.5]

創くんについて

同じゼミ生の創くんについて、印象に残っていることがある。

以前、ゼミ合宿について話し合うためにゼミ生でzoom会議を行った時のこと。その会議はチャットでしか参加できないゼミ生もおり、全員が顔を合わせてコミュニケーションが取れる環境ではなかった。けれどその中で、創くんはチャットの意見にすぐレスポンスを返し、後から入室したそれまでのチャットを見られていない人たちに向けても議事録を細かく送るなど率先して行っていた。そして次第に、他のゼミ生たちもチャットとのタイムラグが生じないように工夫するようになった。

長岡ゼミでキーワードとしてよく出てくる「場づくり」を実践している姿。意識していることはあるのかと聞いてみたところ、「見ていてわかりやすい反応をしよう」、「この人とはこんな話をしたい」と考えているけれど、これはどこか俯瞰で見ている部分もあるからできているのかもしれないと話していた。創くんは、長岡ゼミの中で同じ活動を行うけれど、大学は他のところに所属している。なので、自分を軸にするのではなく第三者の視点で、外側からゼミのコミュニティーを見ている時もあるように思うと、彼は言う。


軸を変えてみる

この、自分を軸に考えるのではない視点は、創くんのフットワークの軽さにも関係しているのかもしれない。自分という軸を一度忘れ、全体の様子を俯瞰で見てみると、創くんのようにその空間の中で足りていないものや困っている人の様子が見えてくることがある。そこに手を伸ばし、どうにかその人たちのためにこの環境をよくしようと試みることは、自分のいる環境が過ごしやすくなることでもある。もう一つ、創くんはさまざまなコミュニティーに越境している。越境をする理由は、自分の居心地の良い空間や興味のあるものを見つけられるためということもあるけれど、やはりその越境先での課題を解決することに携わりたいということが基本にあるからのように思う。実際、自分も多くの人と繋がり活動を行いながら、新たな人どうしの繋がりを紡いでいる様子は、創くん自身が他の人のために、好きで、楽しみながらやっていることが伝わってくる。

「自分が自分が」、と物事を見ることから少し距離を取ることは、自然と外側に歩みを進められるようになる第一歩のようにも感じている。その場所で自分が貢献できることは何なのか向き合いたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?