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2024.03.04 - COI-NEXT「アシル-トイタによる心と体に響く新しい食の価値 共創拠点」第2回ワークショップを開催

2024年3月4日(月)9:00~11:55、室蘭工業大学にてCOI-NEXT「アシル-トイタによる心と体に響く新しい食の価値 共創拠点」第2回ワークショップを開催しました。

本ワークショップは大きく三つのプログラムで構成しました。一つめは、動画・トーク「白糠の恵みとアイヌの世界観」で、白糠町からお招きした磯部惠津子氏(白糠アイヌ文化保存会)のインタビュー動画を紹介した後、「白糠の恵み」「食べ物は薬」「文化を次世代に伝える」の三つのポイントで本拠点メンバーの山田祥子(室蘭工業大学)と磯部氏の対談をしました。

二つめのプログラムは、映画が上映中ということで話題の「ゴールデンカムイ」で原作漫画・アニメ・映画ともアイヌ語監修をされている、中川裕先生(千葉大学名誉教授)による講演でした。「ゴールデンカムイ」アイヌ語監修(映画では秋辺デボ氏とともにアイヌ文化の監修も)の体験談に始まり、アイヌ文化が発信されているさまざまな事例が紹介されました。2009年にUNESCOにより「消滅の危機に瀕した言語」の一つとされて15年、アイヌ語をとりまく状況が大きく様変わりしたことがよくわかりました。講演の最後には、生成AIをアイヌ語学習に役立てる可能性について触れられました。

三つめのプログラムは、座談会「先住民文化とサイエンス:いま北海道の科学技術がアイヌから学ぶこと」でした。上記の磯部氏、中川先生のほか、田村将人氏(国立アイヌ民族博物館)、金間大介氏(金沢大学/東京大学/室蘭工業大学)、奥本素子氏(北海道大学)、徳樂清孝(室蘭工業大学)に登壇いただき、山田の司会進行で、アイヌの文化と先端的な科学技術の連携可能性について意見交換しました。

会場とオンラインを合わせて100名を超える方に参加いただきました。参加者アンケートの記述欄では「アイヌ語に興味を持ちました。人と人のつながり、大事だと思いました」「理工大学生にもわかりやすい内容でとてもおもしろかったです」「室工大でアイヌの話が聞けた」「新しい視点で発想が良いなと感じました」など、わかりやすさや工業大学でアイヌの文化を紹介することの新しさを評価するコメントを多くいただきました。
他方で、「質疑応答の時間が足りなかった」「座談会の時間が短すぎた」といった指摘も数々いただきました。時間配分の悪さ(あるいは、時間に対してテーマが大きすぎたこと)を深く反省しつつ、このテーマや問題提起が広く皆様に受け入れられたのだと考え、今後の取り組みの推進とイベント運営の改善につなげてゆきたいと思います。(山田)

総合司会の倉賀野正弘(室蘭工業大学)
徳楽清孝PLによる開会の挨拶とCOI-NEXT事業の紹介
トークのようす。右が、話し手の磯部惠津子氏(白糠アイヌ文化保存会)。
中川裕先生(千葉大学)による講演
座談会「先住民文化とサイエンス:いま北海道の科学技術がアイヌから学ぶこと」のようす
ワークショップのチラシ

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