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どこでも住めるとしても。

 どこでも住めるとしたらどんな場所が居心地が良いだろう。

 たぶん、隅っこみたいな背中がすっぽり覆われるような場所があって、なごやかな日差しが入るのに丁度いい窓があるのは、心惹かれるかもしれない。

 たくさんの本と音楽と映画にいつでもアクセスできないと、心身の瑞々しさが失われて、生きるためのスムースさが損なわれるから嫌だな。

 温かい飲み物とチョコレートが欲しいから、最低限のコンロとポットと戸棚と食器が入る収納も欲しい。

 ストレスが溜まるときには、2時間以上湯船に浸かるから、ぬくい浴室も欲しい。

 こんなふうに書くとまるでインドアのようだし、言い訳がましいようだけど、街に出て働いたり、友人に会ったりすることもあるのだから、その言い訳が成立するような立地であることも必要かもしれない。帰り道に商店街でコロッケとか食べながら帰りたいし。


 正直、このあたりが満たせれば良いというのは我ながら夢がないな。

 若干社会に片足突っ込むくらいのバランス感覚が満たせて維持できるのなら、どこでも住めるならばこそ、どこでも良い!みたいな気持ちになっちゃうのは何でだろう。天邪鬼なのかな。

 どこでも住めるっていう状況は、普段から上に書いたような、何となくで居心地の良さを決めている私には何だか難しい。

 ちょっと不便なくらいが、そういう居心地の良さが引き立って良いのかも。どこでも住めるとしても。


  

#どこでも住めるとしたら

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