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#15 中野吉之伴さんの指導をみて感じたこと(前編)

8月の初旬に、大阪府の熊取町で活動されているFCマトリックスさん主催、中野吉之伴さんサッカー教室と指導者保護者向けレクチャーに参加してきました。マトッリクスのGMさんは兼ねてより、中野さんのフッスバルラボで大変お世話になっていて、中野さん同様に是非お会いしてみたい方のお一人だったので、緊張しながらもOKしてくれた息子とその友人を誘って、遊びに行ってきました!

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普段より、勉強会や中野さんの書かれた記事や本を読み、考え方やその哲学と人柄に触れてはいましたが、やっぱり目の当たりにし実際に会ってコミュニケーションをとると、非常に大きな感動がありました。

備忘録として、ここに書き留めたいと思います。


【目的と状況に合わせた環境設定(オーガナイズ)の合致性】

まず驚いたのが、参加者の人数の多さでした。20人前後?多くて25人くらい?と呑気に考えていた私の予想を遥かにこえ、40人程のU9~U10の子ども達が集まりました。

しかも、チーム参加や個人参加など、初めて集う子が多く、中にはお知り合いのチームの方もいたようですが、あちらこちらで緊張の面持ちの子ども達をみかけました。

そんな子たちを前に中野さんが主な内容としたのは、それぞれルール設定の異なる4つのミニゲームのコートでした。ルール設定の内容は省略致しますが、微妙に難易度が異なり、それぞれにプレーヤーが考える仕掛けもあり、かつ初めて会う子どもたち同士がシンプルに楽しめる(複雑すぎない)絶妙な設定でした。それを何色かのビブスを用意して、4人(または5人)のグループを作り、コートを順番に回るというものでした。中野さんが素晴らしいなと思ったのは、チーム参加で盛り上がっている子ども達には敢えて違う色のビブスを渡して「同じチームの子とはいつでもできるからね。そうじゃない子とサッカーしよう。」と。素敵!そして軽いアップの後は、本当にただひたすら、コートチェンジしながらの、ミニゲーム。でも少しずつ子どもたちの輪が繋がったり、繋がろうする子が出てきたり、サッカーの本質を、笑顔で、文句を言わず、周りを幸せに(後程触れます)しながら、感じることのできる絶妙な環境設定でした。感嘆、感服。

【アイスブレイクの絶妙さ】

そんな緊張感たっぷりの子どもたちを前にして、中野さんが最初に子どもたちに問いかけたのは、「ドイツ、ヨーロッパについて」時には冗談も交えながら、お話してくれました。(最初ちょっと聞けなかったので、微妙な誤差があるかも)子どもたちからの発言も引き出して一気に場が和んでいました。そして、サッカーのお話。中野さんが子どもたちと約束したのは、3つでした。

①笑顔、②文句をいわない、③周りの人を幸せにする

シンプルでしたが、子ども達へのメッセージを強く感じました。

その後は軽いゲーム感覚のアップをして、一気に子どもたちの心を解きほぐしていった中野さん。流石!超超緊張していた息子たちも少しは表情が和らぎ、私もほっとしました。

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【言葉がけのタイミングと強弱】

まず、うわー絶妙!と思った事。最初のボールを使ったアップにて。

「一番向こうのコートどこのゴールでもよいから(ゴールは4つ)シュートして戻ってきて!よーいスタート!」

といきなり始まったと思いきや、頃合いをみて、10秒カウントを始める中野さん、のんびりの子ども達もスピード感を否応なしに意識させられる。でも中野さんの細やかな所は、本当の10秒カウントをしないところ。遅れ気味の子ども達にも合わせて敢えて、「4、、、、、、、3、、、」(無言5秒くらい?)で、ほどよく全員戻ってきたところで、「2,1!はいおしま~い!」と。これって、簡単なようで、忘れがちな視点だなと気づかされました。

軽いアップの後は、給水しながら、時間で区切っての、コートを交代しながらひたすらのミニゲームでした。日が傾きかけた午後の時間帯とはいえ、熱気が充満していて、子ども達は集中が途切れてしまうこともあります。中野さんは各コートを本当に縦横無尽に歩いて回り(多分すごく歩数を稼いだはず!)プレーに対してリアクションしたり、ヒントを与えるような問いかけだったり、チーム毎、または個々に沢山言葉をかけていました。全体に向けて話をしてくれたのは、記憶が曖昧ですが、本当に2回あるかないか?それも技術的な指導は1つか2つでした。それでも子どもたちは60分以上あるミニゲームを最後まで集中して、楽しんで、まだまだ出来るよっていう子も中にはいる程でした。

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【対個人と向き合う姿勢】

その中でも特に素敵だな、と思ったのが、本当に個人個人に意識を向けてトレーニングしていたこと。40人という大勢のしかも初見の子ども達をまとめて、滞りなく進めるのは凄く大変なはず。ともすれば、うまくトレーニングを回そうとするあまり、対40人とはいわなくとも、全員に向けて発する言葉が多くなりがちではないでしょうか。でも中野さんは違いました。本当に隅々の子ども達までみて、傍によって、目線を合わせて、その子の話を聞いたり、伝えたり、聞かれた質問に答えて、サッカーとは関係ない話も時にはしたり、”会話”や”対話”をしていました。だから、初めて会う子どもたちも、終わりころには「中野コーチ!」とすっかり距離感なくなっていました。確かに全員に一人、一人は無理だったかもしれません。でもかなり意識的に、一人ひとりに意識を向けていてくれたように思います。逆に全体に向けて、大きな声で話すという場面は、90分の中で本当に僅かでした。でも、その日そのグラウンドで、サッカーしている子ども達や見守りの指導者には、確かな一体感があったように思いました。

地域の指導者でも、一人ひとりの成長をみてくれてはいる、というのは感じることもあります。でも中野さんの指導を目の当たりにして考えさせられたのは、無意識か、意識的かの違いなのでは、と思いました。

小学生年代の指導者は、もっと意識して個々の成長にフォーカスすることができれば、試合に1分も出さないなんて状況は作られないだろうし、チームの結果・成長ありきの指導ではなく、個人の成長がチームの成長、チームの結果に繋がると、考えることができるのかな、と感じました。

まだまだ素敵なことが沢山あったので、残りは後編にまとめようと思います。

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後編メモ
(人を見る目)
オープンマインド
言語化できる知性
人を惹きつける人柄

真夏に行うトレーニングについて

保護者レクチャー

↓↓↓後編はこちら。


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