地に墜ちた衛星 #7 劉子超(ノンフィクション作家)
鄧小平通りとスライマン=トー聖山1
〝オシに行っちゃダメ〟――僕は折に触れてアリサからの警告を思い返していた。彼女自身はオシに行ったことはない。僕がビシュケクで知り合った友人の中にもオシに行った人はいなかった。
「どうしてオシに行くの?」。僕が今後の旅の予定を話せば、相手は必ず怪訝な面持ちでそう訊ねる。その度に僕は素朴な気持ちでこう訊き返したくなる。「どうしてオシに行ってはいけないんだ?」
どんなところにでも行ってみたいと思うのは旅人として自然なことだ。何故オシだけが