トランス女性の差別問題
目次の最初では、性別の定義について今一度おさらいするだけなので飛ばして構わない。誤解や偏見が入っている可能性も警告しておく。
性別の種類
既存の性別では「男性」「女性」がある。が、近年LGBTという言葉も広まり、セクシャルマイノリティの認知度は上がってきている。
こちらのサイトによると、セクシャリティを決定するのは、
身体的性、性自認、性的指向、性表現
の4つの要素だという。
身体的性
身体的性とは、生まれながらに決められている身体的な要素のことです。
これにより、(身体上の)男性・女性、それに加えて半陰陽がある。
半陰陽について、当事者である漫画家の新井祥さんの漫画があるのでよければ読んでみることをおすすめする。私自身は全て読んだわけではないが。
新井祥さんについてのサイトはこちら。
性自認
性自認とは、自らの性を自分自身がどのように認識しているかという要素です。
いわゆる「心の性」ということだ。身体の性に関わらず、自分が男性だと思えば男性、女性だと思えば女性であるというのがこの分け方である。
身体的性、性自認の2つの要素により、「男性」「女性」という一見2つに見える性は次の4つに分類される。
シス男性
身体の性も精神の性もどちらも男性。
シス女性
身体の性も精神の性もどちらも女性。
トランス男性
身体の性が女性、精神の性は男性。
トランス女性
身体の性が男性、精神の性は女性。
私が知っているだけでもこのように分類されるので、便宜上「男性」「女性」を呼称するときには「シス」「トランス」をつけることにする。差別の意図はない。
※身体的性と性自認が異なる人のことをトランスジェンダーと呼称する。(LGBTのT)
それから、性自認を決めかねている人(クエスチョニング)や、半陰陽で性自認が男性/女性の人等も含むと、この身体的性、性自認という2つの分類方法だけでも性別は多様だ。
性的指向
性的指向とは、どのような性に恋愛感情を抱くか、という要素です。
この分類法により、異性を好きになる人、同性を好きになる人、どちらも好きになる人、どちらも好きにならない人、に分けられる。
※ここでは特に指定がない限り、恋愛感情を抱くことを「好き」と定義する。
ヘテロセクシャル
異性を好きになる人。男性であれば女性、女性であれば男性を好きになる。
ホモセクシャル
同性を好きになる人。男性であれば男性、女性であれば女性を好きになる。
動物は本能として生殖行為を行い、人間も例外ではないため本能としてはヘテロセクシャルが通常のはずである。そのため、ホモセクシャルはマイノリティとされる。そこでホモセクシャルには別で呼び方がある。
レズビアン
LGBTのL。女性を好きになる女性のこと。
ゲイ
LGBTのG。男性を好きになる男性のこと。
いわゆるセクシャルマイノリティと言われて想像するのはレズビアンやゲイが多いかもしれない。同性婚問題についてはここでは割愛する。
バイセクシャル
LGBTのB。男性も女性も両方好きになる人。その人自身の身体的性や性自認に関わらず、性的指向によってのみ定まる。
パンセクシャル
実は私自身、パンセクシャルは最近聞いたばかりで勉強不足なのでサイトを引用する。
パンセクシャル(またはパンセクシュアル、全性愛)とは、あらゆる性別の人が恋愛対象になる人を指す。男女関係なく誰かを好きになったり、Xジェンダーや現在も性別を模索している人に性的欲求を覚えたりと、相手の性別を問わず「好きになった人が好き」という考え方である。
バイセクシャルとの違いはこちら。
パンセクシャルは、男性・女性だけにとどまらず、Xジェンダーなどすべての性自認を持つ人を特に区別しないで恋愛対象とすることが両者の違いだ。
アセクシャル
こちらも私の説明よりサイトの方が適切なのでこちらを引用する。
アセクシャル(またはエイセクシャル・無性愛・Aセクシャル)とは、他者に対して性的欲求を抱くことが少ない、またはまったく抱くことがないセクシュアリティのことを指す。
それから、アセクシャルに類似する性的指向にもいろいろとあるようで、ツイッターの拾い画ではあるが以下にその例を挙げる。
性表現
性表現とは、自らがありたい性の表現方法の要素です。
これには例えば、女装する男性も含む。
こちらのサイトの人は、身体的性、性自認は男性で性的指向はヘテロセクシャルのようだが、性表現は男性と女性のどちらも肯定している。
トランス女性とは
前置きがやや長くなってしまったが、ここからが本題だ。
トランス女性とは一体どのような人を指すのか?
先程の説明では、「身体の性が男性、精神の性が女性」と述べた。しかし、物事はそう単純ではない。
画像は中野五百雀さん(ツイッター上で私はブロックされているのだが)の引用。
雑に区分けすると、施術済みトランス女性と未施術のトランス女性に分けられる、ということだ。これが一体何を意味するだろうか?
こちらの記事をご覧になるとわかるが、トランス女性は身体の性が男性であるという理由から、女子トイレや女湯といったシス女性のみが当たり前のように使えるものを使えない。これが差別だというのがトランス女性の主張だ。
だが、ここで問題が生じる。シス女性のみが使える場所に入る(自称)トランス女性は本当にトランス女性なのだろうか。これがもし女装しただけの男性だったら?
まさにここが争点になっているのだ。
これらの画像の発言(本気か冗談は置いておくとして)は、トランス女性が性自認のみで女性を名乗れるという特性を利用して、女装して女性のスペースに入ろうとする男性のものだ。
つまり、自己申告によって女性のスペースに男性が入ってくる権利を取得するのは危険極まりないのだ。
だが、トランス女性側はどう反論するだろうか。画像を次に挙げる。
被害が起きてからでは遅いではないか。こればかりは私もフェミニストに同意だ。
さらにもっと飛躍したものがある。
「嫌なら女性のスペースを使うな」「トランス差別は死刑」等……。
差別しているのは一体どちらだろうか。
結論
はっきり言おう。全てはこの画像に尽きる。
性自認によって性別が決まるトランスジェンダーは、他者の権利を侵害しない範囲でしか権利を主張できない。
こちらの画像をご覧頂きたい。
これは、「トランスジェンダーだから」ではなく「ぺニスよりヴァギナの方を好むから」という理由でトランス女性からの交際を断っている様子だ。そして断られたトランス女性は「あなたはトランスフォビアだ」と言っている。
果たしてこれはトランス女性への差別だろうか。
これはトランス女性への差別ではない。好きなパートナーを選ぶ権利をトランス女性が侵害しているという、ただそれだけの話だ。
フェミニストの抗議
トランス女性をシス女性と全く同じ扱いにすることによる危険性は以上の通りだ。さらに詳しくまとめられたnoteがフェミニストによって執筆されている。
法で認められた『法的女性』が、男性の身体のままで女性専用スペースに入ってくることを、誰が止められるでしょう。
それこそ『差別』となってしまいます。
すべてのトラブルの結果は『生まれ付きの女』だけが引き受けるのでしょうか?
トランスジェンダリズムを推進する学者は、上記の問いにまったく答えてくれません。 それどころか、問うこと自体を『差別』と糾弾して、市井の女を黙らせようとします。
これは、単にトランス差別禁止などということでは解決できない問題だ。この論争が続けば、シス女性対トランス女性の戦争も起こりかねない。
だからこそ、トランスジェンダーのような性自認によって性別が決まる人は、他者の権利を侵害しない範囲でのみ権利を主張できる、という原則が必要なのだ。
アンチフェミとしての補足
こちらのnoteでは、日本の性犯罪に発展してトランス女性の危険性を語っている。
簡単に図にするとこういう感じか。(画像は中野五百雀さんより)
どこかで似たような論争がないだろうか?
女性専用車両は痴漢防止のために「犯罪者予備軍」である男性を排除するもの。
男性保育士は、幼児への性犯罪の懸念から排除されている。
これらは不当な排除だ。なぜなら一部の犯罪者のために全ての属性を排除しているからだ。また、女性専用車両にせよ男性保育士にせよ、犯罪を犯すのは男性だけではないという点で、性犯罪防止にはならない。
これに関して"not all men"を適用するのなら、"not all transgender"も適用すべきではないか、ということだ。
これについてはいくつか回答が出ている。
一つは、犯罪対策の有無。
もう一つは、「男女両方いる空間に参入すること」と「女性だけの空間に参入すること」の違いだ。
また、トランスジェンダーは後から属性を変えることができる。つまり、シスジェンダーの人と同じ扱いを求めるならば、施術等を行い、戸籍も変更してからでなければ許すべきではない、ということだ。
結論としては上記のようになる。
おわりに
私はトランスジェンダーを含むセクシャルマイノリティを差別するつもりはない。だが、マイノリティの権利拡張のみを考えているとマジョリティの方が抑圧されるのは確かだ。
分かりやすい図がツイッターの拾い画であったので使用する。
決してマイノリティだから抑圧しているというわけではないということだけ補足しておきたい。
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