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DAY1 パクチー有給休暇

起床は有給休暇の日であっても7:00に目が覚めてしまった。以前はウルトラセブンの曲で6:30に起きていたんだけど、妹に「うるさいし紛らわしい」と叱責されてからは、シーリングライトが日照時間に合わせて徐々に明るくなるというストレスが無さそうな朝を迎えている。ただ、この起床方法については照度と共に段々と意識が覚醒していくので、覚醒する前に浅い眠りが1時間ぐらい続くのだが、この間に夢を見る確率が飛躍的に上がる。
私の見る夢は一喜一憂する類の夢が多く(例えばラスベガスでバニーガールに双方からフカフカのクッションでバブバブこつかれる夢など)、起きてから「嗚呼、バニーガール...」と落胆する場合もあるので夢は極力見たくないのだ。
「今日は仕事、じゃなくて有給だったな」とスマホでTwitterを見ながらほっと一息つく。
有給休暇の日の朝食は甘味という不文律があり、あんドーナツを引っ張り出してぼそぼそ食べた。粉砂糖がまんべんなくまぶされている表面を見るだけでQOLが上がる食べ物、あんドーナツ。唯一無二の存在だと思う。
今日は午後休をとる後輩とアジフライ定食を食べに行く日なのだが、最近私はアジフライに熱をあげているのだ。
近所にアジフライの上手い定食屋があって、以前ここに後輩と行った際、アジフライの衣のふわっと具合に大変驚いた。瓶ビールを飲みながらダラダラ仕事の話をするのもいいなと思っていた。
ところが、本日件のアジフライ定食が定休日だという。この店のアジフライ定食を食べる為にあらゆることを犠牲にして(大袈裟)後輩に午後休暇まで取らせたのに、このツキの無さの最たるや。
そういえば、以前好きな子を誘ってピザ窯のいい感じのお店があるからワイン傾けに行こうよとかいう底辺の誘い方に成功して目当ての店まで行くと、先週まであった店が潰れていて居抜きで餃子専門店になって泡食った経験がある。Googleマップ上ではタイムラグなのか、ピザ屋が確かにそこに表示されていたのがなんだか悲しかった。
さて、アジフライ定食屋の話だけど結局今回はスタンド居酒屋に行くことになった。
実は私の住んでいる大阪の谷町界隈ではスタンド居酒屋が流行っており、昭和レトロテイストだけどネオンや装飾がどことなくお洒落で映えそうという絶妙なバランスを発揮して若者たちで連日賑わっている。
立ち飲み屋なのに行列が出来、列整理のポールまで配置されているのだけど、正直言って立ち飲み屋に立って並ぶのはなんかおかしく無いですか。立つために立つという考えただけで頭が狂いそうになるし、立ちながら缶ビール持って並んだら注意されそうだなと思ったら気が気でないので普段は遠慮している部分があった。
だがしかし、本日は有給休暇を取っているのでシングルライダーよろしくな、待ち時間レスで入れると踏んだ我々はいざスタンド居酒屋の暖簾をくぐったのです。
やはり人気店、行列こそ無いが平日なのにスタイリストやらDJやら何で生計を立てているかは謎だがティムバートン似のおじさんや、ヘレナボナムカーターに似たおばちゃんやらがアクセントになって非現実的な空間が完成していた。
私はアジフライの仇を打つために、メンチカツやら揚げ出し豆腐やらをつまみに瓶ビールを飲んだりよろしくやった。中でもメンマの漬物みたいなものがこれが大変美味く、私の中の白米食いたいマンが覚醒したがお腹ぽんぽこりんのぽんぽこらーのチョーキューベーのチョースケが心配になったので我慢した。
「あ、パクチーがある」
単品パクチーと酎ハイプレーンを注文し、パクチーを箸で2、3回つまんで酎ハイに投入するとパクチー酎ハイの完成である。私はこれが大変好きで、居酒屋にあれば必ず注文する様にしている。そもそもパクチーというものは好きか嫌いかしか無く、嫌いな人は親の仇ぐらい嫌いであって決して中間層が存在しないというのが私の推測である。
「私もパクチー入ったお酒飲みたい」
隣に座っていたヘレナボナムカーター似のおばちゃんが店員さんに注文したらそんなもの無いと言われてびっくりしていたので、カスタマイズ出来るという旨を伝えて得意げになって店を後にした。
15時ぐらいにお開きにして、後輩と次はアジフライを食べようという約束してから帰宅した。「先輩、あと僕達年末まで2日休まないとダメみたいです」別れ際に後輩がポロッとこぼした。
次こそはアジフライ、でも他にもやりたいことがあるのでちょっと悩む。

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