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Oud Night Tea(ウード ナイト ティー) ―名前に滲み出る超個性派紅茶

 結構前になるが、燻製のような香りがするスモーキーフレーバーの紅茶にハマった。既に全部試したはずとは思いながら、紅茶ブランドTWGのウェブサイトで調べると、1つだけ飲んだ覚えのない紅茶がヒットした。それが、今回紹介するOud Night Teaだ。

 袋を開けてみると、確かに少しスモーキーと言えるが、今までとは少し違うようにも感じる。少し違和感を持つも抽出した方が香りは強くなるため、そのまま淹れて飲んでみることにした。口に運ぶと、少し甘い香りが鼻をくすぐりつつも先ほど引っかかった部分が顕著になった。

 今までスモーキーフレーバーと言えば、前述の通り燻製のような香りで、具体的にはスモークチーズやベーコンに通じるものだった。しかし、今回のOud Night Teaのそれは、エスニックなお香を焚いたときの煙のようなスモーキーさであり、全く違うのだ。飲み物に対してあまり良い表現ではないかもしれないものの、私と母のイメージはアジアン雑貨専門店の香りに近い。

 それもそのはずで、紅茶の名前にも付いている「oud(ウード)」というアラビア語の言葉の意味は、沈丁花科の香木のことを指すらしい。ちなみに、日本語では「沈香」とも呼ばれるそうだ。単語の意味を知ってから名前を見ると「沈丁花のような香木の香りを持つ夜のお茶」ということになり、最初からアジアンなインセンス風の香りがすることは明示されていたことになる。

 全くの余談だが、あまりに個性的なため、いつも一緒に新しい茶葉を試してくれる母は2度目以降を敬遠していた。個人的に高麗人参の香りが付いていたBreakfast King Teaよりは飲みやすいと思うものの、癖が強いという母の感想には同感だ。


 飲み方としては、恐らくストレートが良いと推測する。レモンやミルクは試していないが、かなり個性的な香りであるため、喧嘩するだろう。

 基本的にどの紅茶も「マリアージュは簡単」と書くことが多いが、今回に限って言えば結構難しいだろう。

 正直なところ、食事系とのイメージはあまりついていないが、強めの個性を持つ料理なら、バランスが取れるのではないかと思われる。具体的には、マレー料理の少し甘めの焼き鳥であるサテーならいけるかもしれない。ちなみに私はコールスローを挟んだサンドイッチと組み合わせたところ、互いの特徴を相殺してしまった。味が強かったらバランスが取れる、というものでもないようだ。

 スイーツなら、ジンジャークッキーのように、シナモンや生姜などのスパイスが含まれた焼き菓子が雰囲気と合うだろう。シンプルなバタークッキーでは、恐らく紅茶に負けると思うので、おすすめしない。あるいは、紅茶が持つ少しの甘味と酸味のような部分を強調する意味でアールグレイ風味の菓子とペアリングするのも良いだろう。個人的にアールグレイの茶葉を練り込んだスコーンと合わせたところ、紅茶の風味を消すことなく、飲みやすい組み合わせとなった。


 最後にOud Night Teaは、量り売りのみの販売となっている。また紅茶ではないが、フレーバーを模したキャンドルはある。元々がインセンスのような香りのため、蝋燭は結構良いかもしれない。茶葉も含めて興味がある人は、ぜひ試してみて欲しい。

参考文献
カラリアマガジン「ウードとはどんな香り?特徴やおすすめのウード香水もご紹介!」(2024年2月13日16時55分閲覧)
ウードとはどんな香り?特徴やおすすめのウード香水もご紹介! - カラリアマガジン - 香り専門メディア (coloria.jp)

Oud Night Teaの量り売りが入った袋。

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