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Temi FTGFOP1(テミ エフティージーエフオーピー1)※セカンドフラッシュ ー王国だった場所から届いた複雑な夏摘み茶葉

 以前から、シッキムやテミ農園という言葉は耳にしたことがあった。どうやら美味しい紅茶らしいという知識はあったものの、具体的なことは知らなかったので、気付けば後回しになっていたのだ。今日はTemi FTGFOP1を取り上げる。

 今回紹介するに当たり改めて調べてみたところ、シッキムはネパールとブータンの間に位置しているそうだ。現在はインドの一部となっているが、1975年までは、シッキム王国という国だったらしい。世界史には詳しくないものの、結構複雑な事情がありそうに見える。ただ、ネパールとインドという紅茶で有名な場所の付近ということもあってか、シッキムにも茶園がある。それが今回の茶葉の名前にも入っているテミ農園だそうだ。

 袋を開けてみると、ダージリンセカンドフラッシュと同じ位の色合いの茶葉が入っている。公式の説明にも夏摘みと書かれていたので、その意味では似ていて当然かもしれない。香りとしては穏やかで、少し控えめな印象を覚えた。しかし、抽出してみると、結構しっかりとした味わいになった。強いていうなら、アッサムが似ているように感じたが、それよりもあっさりとした風合いだ。
 飲み方としては、ストレートだろう。アッサムと少し共通項が感じられると前述したものの、どっしりとした深みがあるタイプの茶葉ではないため、ミルクティーは不向きと推測する。また、レモンは試していないが、塩梅を間違えると紅茶が負けてしまう可能性があるので、あまりおすすめできない。

 非常に穏やかなタイプの紅茶なので、マリアージュを考える際は料理や菓子をメインに添えた方が良い。しかし、あまりに個性が抑えられた茶葉ということもあり、料理や菓子が勝ちすぎる組み合わせも、両者のバランスを損なう可能性があるので注意したい。

 食事系の場合、バタートーストからシンプルなサンドイッチ位控えめな物に留めておいた方が良いだろう。ベーコンやソーセージのように燻製風味が強い物も、紅茶が負けすぎてしまう可能性がある。正直、個人的には丁度良い塩梅の食事とのペアリングが見つけられなかった。それ位に繊細な印象だが、恐らくツナサンドやハムサンド位なら許容範囲だったかもしれない。

 スイーツも食事と同様に注意が必要だが、こちらは焼き菓子や素朴な味わいのスイーツを選んでおけば間違いないと思う。クッキーやマドレーヌ等、バターの風味を持つ優しい味わいの菓子なら大丈夫だ。個人的にも、キャラメルトーストやカステラとマリアージュしたところ、かなり合っていた。

 最後にTemi FTGFOP1は茶葉の量り売りのみでの販売となっている。その上、50gでS$42(約4,672円)と結構高額なので扱いづらいとは思うが、繊細な味わいを是非試してみて欲しい。

Temi FTGFOP1の量り売りが入った袋。

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