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Orient Express Tea(オリエント エクスプレス ティー) ―湯気の向こうに車窓を見る

 突然だが、アガサ・クリスティー「オリエント急行殺人事件」はご存じだろうか。恥ずかしながら私は読んでいないので、内容に関しては全く言及できない。しかし、今回紹介するOrient Express Teaは、この小説の舞台でもあるオリエント急行から名前が付けられている茶葉だ。ちなみにシンガポールは、オリエント急行と同じ会社が運行するEastern Oriental Express(東のオリエント急行)の始発駅でもある。TWGのOrient Express Teaがどちらをイメージして作られた茶葉なのかはよく分からないが、ラグジュアリーな列車旅を彷彿させるものなのは間違いないだろう。

 香りは、甘酸っぱいベリー系だ。印象としては、こっくりとした甘さというよりも爽やかさが際立っている。飲んでみると、やはり瑞々しいフルーツがしっかりと感じられる味わいとなっていた。飲み方としては、風味を活かすストレートがおすすめだ。他のレモンやミルクは試していないが、茶葉の持つ個性とあまり合致しないのではないかと推測する。

 マリアージュは、ベリー系の風味と合わせて苺のショートケーキやベリーのタルトがおすすめだ。紅茶の味を際立たせるなら、シンプルな焼き菓子も良さそうだ。個人的に合わせてみて良かったのは、レーズン入りのスコーンにブルーベリージャムを乗せた食べ方だ。紅茶の果実味とぴったりでベリーの味を堪能することができた。
 塩味の食事系は、絶対的に合わない訳ではないものの、あまりおすすめはしない。食後のデザート用に改めて紅茶を淹れ直すのが面倒なら一緒に食べるのもあり、というイメージだ。

 今回紹介したOrient Express Teaは、量り売りのみでの販売だ。現在は在庫が無くなっているのか、オンラインショップで購入できないようになっている。再び販売されるのかは分からないが、飲めば車窓が目に浮かぶ味なので、ぜひ機会があれば手にしてみて欲しい。


Orient Express Teaの量り売りが入った袋。

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