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【恋物語】蝉時雨

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【恋物語】蝉時雨/第四章 -終-

【恋物語】蝉時雨/第四章 -終-

僕にはもう既に彼女の色がべったりと張り付いているのだろう。
真っ直ぐに見る瞳を失って、彼女の音の方に漂って、触れたら消えてしまう事も恐れず。
きっと恐れる脳味噌が溶けて無くなっていたのだ。

一方彼女は正反対で。馬鹿な僕の向こう岸で、真っ直ぐ澄んだ瞳でこちらを見ていたのだとしたら。

「よっちゃん……」
小春は僕を抱きしめて浅い息をする。
脳味噌の溶け出した後の僕を。
出会った時から今まで、ずっと

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