明日葉

見たり聴いたり心が動いたり‥ 自由に気ままに記録していきたいと思います。 本と珈琲…

明日葉

見たり聴いたり心が動いたり‥ 自由に気ままに記録していきたいと思います。 本と珈琲、ときどきチョコレート https://m-asu.hatenablog.com/

最近の記事

勝尾寺、お墓参り、母との対話

暑い暑い8月のはじめ、思い立って箕面の勝尾寺へ行ってきた。 エッセイ集『和牛の一歩ずつ、一歩ずつ。』(2021年、KADOKAWA)の中で、川西賢志郎さんが勝尾寺のことを書いていらっしゃって、読めば読むほど行きたくてたまらなくなってきたのだ。 バスから降りて勝尾寺に向かうと、やさしく落ち着く匂いがする。 川西さんが勝尾寺の山の匂いを「あの山で嗅ぐ特有のいい匂いに、毎回ベタに深呼吸してしまう」(p.159)と表現されていたけれど、本当にそうだ。 どことも似ていない、いい匂

    • 偉い、偉くない

      やす子さんへのフワちゃんの発言を目にして、なんかグゥゥゥーっと傷ついている。 有名人が、「言ってはいけない言葉」を、突然、世界中の人が見えるSNSという場で発信したということにショックを受けている、けど、それだけじゃない。 やす子さんの「生きてるだけで偉いので皆優勝でーす」と、 フワちゃんが返した「おまえは偉くないので、〇んでくださーい。予選敗退でーす」っていう言葉がグルグル回っている。 〈生きてる=偉い・優勝〉というやす子さんの価値観に、 〈偉くない=〇んで・予選敗

      • 映画『オッペンハイマー』を観た

        ずっと答えが知りたかった。 どうして、アメリカは日本の敗戦がわかっていたはずなのに、原爆を落としたのだろう。2回も。 1945年5月にドイツは降伏し、ナチスに先に原爆を作られるという懸念はなくなったはずなのに、なぜ原爆を投下したのだろう。 どうして原爆の実験(トリニティ実験)がポツダム宣言前に成功したのにそこで止まらず、実際に人の住む都市に落としたのだろう。 マンハッタン計画に携わっていた科学者達はどんな思いで原爆を開発し続けていたのだろう。 5月のドイツ敗戦で日

        • この世界の片隅に生きるわたしたち

          笑ったり、怒ったり、泣いたり…、それぞれの大切な日常を生きている、そんなひとりひとりが巻き込まれ、傷つけられ、大切なものを失うのが戦争。 この映画を見ると、戦時下で生きる人々がただただ悲惨なのではなくて、そこに確かに温かさや優しさ、人と人とのふれあいがあって、みんな懸命に生きているということに気づく。 第二次世界大戦の世界での死者は4千万から5千万人、日本での死者は約310万人と言われている。 沖縄戦の死者は約20万人。 広島の被爆者約14万人、長崎の被爆者約7万4千

        勝尾寺、お墓参り、母との対話

          風通しの良い家族ってなんだろう

           スロウな本屋さんのフラワー読書会『29歳、今日から私が家長です。』に参加した。ナビゲーターはてつがくやさんの松川えりさん。 (以下、ネタバレを含む感想です)  小説の前半は違和感にモゾモゾして、なかなか読み進めることができなかった。娘が両親を雇用して「家女長」になるということが私には受け入れにくいのだと、読み止まる度に実感した。自分の中に確かにある、内面化している〈秩序〉の存在に気付かされる。  「あー、読むのやめようかな、いかんいかん、読書会までに読まなきゃ!」

          風通しの良い家族ってなんだろう