【25】新学期
新しい街での生活が始まり
ナッツ高校2年生。アカルン中学3年生。ケイ6年生になった。
ケイは新しい街への好奇心(方言も違ったし)だけで、学校に行っていた。
アカルンは、数日学校に行ったけれど、
また毎朝、お腹が痛くなり登校できなくなった。
このことは、苦しくなるので簡単に書く。
アカルンは、春休み元気だった。
転校して数日の間に、一緒に下校する友達までできていた。
それでも。
毎朝お腹は痛くなり、不安になり…
行けない自分へのいらだちと悲しさで自分を責め続けた。
「どーして、行けるって思っちゃったんだろ」と。
それは、私も一緒だった。
やっと、学校に行かない生活のリズムができていたのに…
新しい環境なら行けるかもなんて。
逆に、新しい環境の方がアカルンにはストレスだってわからなかったの?
さらに傷つけてしまった。落ち込ませてしまった…
と、私も自分を責め続けた。
一方ナッツは…。
前の学校より、少し偏差値をおとした学校の編入試験に合格して、
編入後は、のんびり自分の将来について考えていくつもり…だった。
でも、ナッツは初登校の日、自分のクラスがトップクラスだということを知った。
最初の面談の日に先生が言った
「ナッツさんの前の学校は有名ですよね。もったいない。
旦那さん、単身赴任すればよかったのに。」
「まぁ、こっちのトップクラスで頑張れば、ナッツさんの成績ならいいとこ行けますので、がんばりましょう。」
せっかく、ナッツの生活を新しくするチャンスだったのに…
宿題の量も以前と変わらず…
逆に、「頭のいい子」のプレッシャーが
大きくなっただけだった。
もちろん。旦那も。
疲れ果てて帰ってくる日々だった。
ケイが絶好調でいてくれたことだけが救いだった。
『ちゃん』は、アカルンがまた学校行かないことを
「良かったね♪ 」と心から喜んで、
アカルンがどういう状態の時でも、
無邪気に「見て見て♪ 」とへんてこりんな事をするので、
アカルンも笑うしかなかった。
ケイは、ケイなりに、
パパやナッツの疲れを気にしていた。
そして、2人に整体のようなことをすることがあった。
それが、独特の施術で。
大丈夫なの?そんなことして?
と私が心配しても、
「大丈夫」と自信たっぷりにした。
そして、パパもナッツも
「え?うそ?すっごく軽くなった」
とか、
「姿勢がらくになった」
とか言うのだった。
もちろん、私から見ても
二人の姿勢が良くなったのがわかって、
「ねぇ。なんで、そんなこと知ってるの?」
と聞くと
「本当に、心から治してあげたいって思ったら…
どこをどうすればいいか、浮かぶもんなんだよ。」
と答えた。
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