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寝るねるねるね

ポケモンスリープをしている。
睡眠のデータを取ること自体面白く、自分がデータ化されることを実感するというのは肉体を持つ身からすると自分が概念の世界に入れられる感じがしてとても良い。

小説の一部の町人は、きっと自分がデータの一部なんて自覚なんてないのだから。

だがしかしこのポケモンスリープ。なかなかに心が痛む。
仮想空間の中のシステムが”労働”だからだ。
かわいいポケモンたちは働く。
私が休まねばずっと働いている。
なんとけなげで悲しい状況であることか。

飲み会で遅くなってしまった帰り、
寝る前にアプリをのぞくとうつらうつらしながら私が寝るのを待っている私が名前を付けた私のポケモンたち。
かわいそうかわいい。

先に寝ててくれる?と思うのだが
けなげなポケモンたちは眠い眼をこすりながら待っているのだ。
寝なければならない。

気合だけはちゃんと心に掲げた。

しかし大人になればなるほど熟睡というのは難しい。

昔は怒られても一切起きずに18時間寝ていたこともあり、
病気を疑うレベルでとても布団が好きで、寝るのも好きで寝ていた。

だがしかし今はうとうとする時間も含めて9時間が限界である。だがうとうとしている時間引くとポケモンは100%の回復はしない。

なんというジレンマ。

かわいいかわいい私のポケモンたちの日中の体力は私のおぼつかなくなった睡眠により賄われている。

一回始めるとポケモンを殺してしまうようでやめるにやめられない。
意識的に少し長めに寝るようになった。
なんだったらちょっといいマットレスの購入検討を始めた。
現実世界でおろそかになっていたものを、架空世界の同居人の健康のために現実を修正していく。

こんなに持ちつ持たれつの世界になったことに
自分がデータ化していることを実感している。

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