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【全文和訳】韓国 国防白書2022 前書き

https://www.mnd.go.kr/cop/pblictn/selectPublicationUser.do?siteId=mnd&componentId=14&categoryId=0&publicationSeq=1040&pageIndex=1&id=mnd_020704000000

대한민국 국방부 (最終閲覧2024.2.11500)

発簡の辞

今日、韓国軍はこれまでの70数年と変わらず、当面の脅威から国家を守るという使命を継続的に遂行する中で、急変する安保環境に効果的に対処するために飛躍的な革新を成し遂げなければならない重大な転換点を迎えています。
既存の伝統的な脅威に非伝統的脅威が加わり、絶え間ない「競争(Competition)」と共にグレーゾーン紛争が常態化するなど、安保環境は複雑になり、厳しさを増しています。米、中、韓の戦略的競争の激化、ロシアのウクライナ侵攻などで国際秩序の流動性が大きくなり、主要軍事大国間の軍備競争が激化しており、インド・太平洋地域に対する国際社会の戦略的関与が増大しています。このような中、北朝鮮は核・ミサイル能力を持続的に高度化しながら、様々な手段と方法で戦略的・戦術的な挑発を繰り返しています。
一方、災害、テロ、新型感染症など非伝統的脅威の重要性が浮上しており、宇宙・サイバー・電磁波など新たな領域での優位に向けた競争も激化しています。 特に、先端科学技術の発展は、安全保障のパラダイム変化を引き起こしています。対内的には兵役資源が急激に減少し、適正水準の国防予算の確保が難しくなっており、軍に対する国民の期待と要求は高まっています。
このような安保環境の中で、韓国軍は戦略的優先順位に基づいた「選択と集中」を通じて「機会要因」を最大限に活用し、「挑戦要因」を克服するための努力を強化しています。

第一に、複合的な安保脅威に対する「統合・能動防衛」が可能な「全方位防衛態勢を確立」しています。持続可能な平和は相手の善意ではなく、力の優位性によって達成可能であるという信念のもと、韓国軍は北朝鮮の進化する脅威に適時・効果的に対処できる対北朝鮮軍事準備態勢をさらに強化していきます。

第二に、競争優位の軍事能力を備えた「先端科学技術基盤の精鋭強軍」を建設するために「国防革新4.0」を強力に推進しています。未来の安全保障環境に適合する先導的な軍事戦略と作戦概念を発展させ、AI基盤の核心先端戦力を確保していきます。 このような変化に適応できるように軍構造と教育訓練全般を発展させるとともに、国防R&D体系と戦力増強体系を再設計し、先端科学技術基盤の革新が可能な国防環境を醸成します。

第三に、「防衛産業を国家戦略産業として育成」するため、韓国防衛企業のグローバル競争力強化を積極的に支援しています。挑戦的な国防R&D環境を造成し、 汎政府的な防衛輸出支援に率先して取り組むことで、先端戦力建設と防衛輸出拡大が好循環する構造を定着させていきます。

第四に、「同盟と連帯」を強化し、韓国の安保に有利な対外環境を積極的に構築していきます。
「 韓米同盟の飛躍的発展」を推進しながら、価値を共有する友好国との連帯を通じて「国防協力を深化・拡大」していきます。 国際平和維持活動への参加と在外国民保護の努力も強化します。

第五に、国民の軍隊としての「安全、透明、民軍相生の国防運営」をさらに強化していきます。国民の安全を増進するための政府次元の努力に主導的に参加しながら、各種規制緩和、国防運営の透明性向上など、健全な民軍関係の発展に向けた努力を倍加していきます。

最後に、「未来世代に適合する国防文化の造成」のために、兵士の衣食住と医療支援体系、人権保護体系を国民の期待水準に合わせて画期的な改善を行っています。国家のために犠牲と献身した方々に対する相応の礼遇と補償体系を強化するなど、軍服務が誇らしい国防文化を醸成していきます。

国防部は、「強固な国防、科学技術強軍」の建設を通じて「力による平和」を実現するための韓国軍の努力について、国民が簡単に理解できるように、国防分野の政策と現案の詳細内容を今回の「2022国防白書」に詳しく収録しました。 今回の国防白書が国防政策に対する理解と共感を広げるのに役立つことはもちろん、国防政策と現案に対する活発なコミュニケーションの基盤となることを期待し、韓国軍に対する国民の皆様の変わらぬ支持と支援をお願いします。
2023年2月
国防部長官 李鐘燮

⚫️ 凡例
  太字:原文で太字になっている箇所

⚫️ コメント
やはり前政権とは全く違った国防白書になりましたね。個人的には「持続可能な平和は相手の善意ではなく、力の優位性によって達成可能であるという信念」という日本国憲法前文とは真逆のことが書いてあるのが興味深かったです。
また、少子高齢化による国防人材の減少に対処するために、韓国軍は『戦略的優先順位に基づいた「選択と集中」』「AI基盤の核心先端戦力」により効率化、精鋭化を進めていくことがわかりました。韓国軍は人を減らしても国防力を維持、向上させる努力を国をあげて実施しようとしています。同じように少子高齢化により国防人材が減少している自衛隊も参考にできるところが見つかりそうです。
次回から本格的な内容に入っていきます。


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