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焦燥感

いま、晩ごはんを作ってる最中だ。
あとは味噌漬けのお肉を焼くだけ。

夕方になると、ざわわざわわと落ち着かない。
ホルモンに作用する薬レルミナのせいだろうか。
どこからともなく焦燥感。
手指のごわつき。
身体が痛い。
頬が急に熱くなり、背中とこめかみを汗がつたう。

プルトップを引きあげてひと口、ゴクンと飲み込む。
冷たいビールが染み渡る。
もう毎日は飲まない。
連日飲んでいたのが嘘のよう。


長男(中3)の通学リュックから水筒を取り出した時、ファイルに挟まれた受験用写真が見えた。

写真屋さんが学校にきて、希望する3年生を撮ってくれるとお知らせがあったもの。

「ねぇ、この写真、いつ配られた?」

「あ、渡してなかったか、ごめん、お母さんに渡したと思ってた」

「別にいいよ。これさ、すごく大切なのだからね、ここに置くよ」

大切なものを置く場所へ、長男と確認し合いながら写真を保管。

3㎝×4㎝の、真面目な顔の学ラン姿が並ぶ。
散髪したての髪。

何人もの長男を見てたら、焦燥感の波がまた襲ってくる。

「7時ね、ごはん」

「わかったぁぁぁ!」

長男次男が声をあげる。
ゲームばっかりしてるな。

今日、夫は格闘技部の日。(会社内の格闘技好きで集まって練習している)

夕飯後は勉強。
やることをやるだけ。


………………………

見出し写真は長男作のキーホルダー。技術の授業で作ったそう。おそらく戦闘機です。

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