【ポケモンSVシリーズ1】ブラッキー構築【最終62位/最終298位】

【はじめに】

みなさんこんにちは、アシキchです。
今回はポケットモンスター スカーレット・バイオレットのランクバトル シーズン1で最終順位62位最終順位298位を達成した構築の紹介をします。

カビパラ(@cabipara)
アシキ(@ashiki_games)

今回の構築は本記事を投稿しているアシキと、カビパラの二人で考察/使用したもので、上記実績の最終順位62位を達成したのはカビパラで、最終順位298位を達成したのがアシキなので、お間違いのないようお願いします。カビパラが構築記事を投稿しないため、代理執筆という形だと思っていただければ助かります。

【構築経緯】

読み飛ばして大丈夫です。シリーズ1環境において注目されていたポケモンの多くにブラッキーが有利を取れると思い、ブラッキーを軸にした構築を練ることを決めたところからスタート。最初は、暇そうにしていたひよ氏と三人で相談を始め、当時オーロンゲと組み合わせて壁下で運用するコノヨザルが注目を浴びていた中で、コノヨザルにとつげきチョッキを持たせてブラッキーのねがいごとで回復しながらサイクル的に運用する使い方が画期的なのではと考え構築を練り始めましたが、まとまりきらず不毛に最終日まで一週間ほどに。

根幹部分のブラッキー+チョッキコノヨザルには可能性を感じながらも、このままでは構築の完成が間に合わないと思い、この世で一番オフ大会での実績がありブラッキーを愛用しているプレイヤーであるクゥリさんに相談を持ち掛けたところ、当人が当時使用していたこだわりハチマキガブリアスを主軸とした強力な構築を丸ごと紹介され(破格すぎる)、パクるところから再スタートしました。

この頃からひよ氏はすでにほぼ離脱し、自分たちもブラッキーを使わないほうが勝てるのではという疑惑がありつつも、試運転。その中で、クッション二枚+攻め駒の形があまりにも弱く、逆に「強力な崩し性能のあるこだわり枠+ブラッキー」という選出による初手からの高火力の押し付けが、相手のテラスタルの選択肢を狭めつつ、こちらのブラッキーで詰め切れる範囲を広げる戦略として強力であると気づき、そちらの方面に比重を置いて構築をブラッシュアップしていくことに。

クゥリさんに紹介された構築と、そもそも自分たちで考えていたブラッキー構築の共通点であったガブリアス、ラウドボーンは固定の枠としつつも、ブラッキーそのものはみがわり持ちのサザンドラやサーフゴー、キョジオーンなどから容易に崩されるため頼り切るのは難しく、ブラッキー以外の二枚目の「クッション枠」と最終日に近づくにつれ対策の強まったガブリアス以外での最強の「崩し枠」を探し続けたところ、ゴツゴツメットを持ちつつほのおのうずを使用しないカイリューをクッションとし、こだわりメガネ持ちの水ロトムとこだわりスカーフ持ちのサーフゴーで崩す形に行きつき、構築が完成しました。

“以下、常体”

【単体解説】

〇ブラッキー

ブラッキー@たべのこし/せいしんりょく/ノーマルテラス
202(252)-x(↓)-176(236↑)-x-150-88(20)
イカサマ/ねがいごと/あくび/まもる

《調整》
S:無振りアーマーガア抜き

《概要》
構築の始点である古来より伝わる型のブラッキー。一般的な物理アタッカーに強く、物理偏重環境に合っている……と思って構築を組み始めたが、実際には環境にいる多くのみがわり持ちやねむり無効ポケモンに不利を取るため、構築内で一、二を争う選出率の低さとなった。

基本的な役割は物理やチョッキ持ち特殊などブラッキーを突破できないポケモンとの対面であくびを選択し相手に交代を強要しながら選出や持ち物などを割り出し、裏で詰めるための準備をすること。ブラッキー単体を突破できないプレイヤーは少なかったが極稀に選出が噛み合った場合は完封できる性能があった。サーフゴーやキョジオーン主体のシリーズ1環境においては、ブラッキーを使うにあたってこの型が最適だったとは言い難かった。



〇カイリュー

カイリュー@ゴツゴツメット/マルチスケイル/ノーマルテラス
191(196)-176(44↑)-139(188)-x(↓)-121(4)-110(76)
しんそく/じしん/はねやすめ/りゅうのまい

《調整》
HB:特化マリルリのじゃれつくがマルスケ有でほぼ半分入らない
A:ゴツメ→A+1テラス神速で無振りマスカーニャ確定落ち
S:+1で最速ミミッキュ抜き

《概要》
こだわり二枚を主体とするこの構築における、主要なクッション枠。構築の初期段階ではフェアリーテラスタルを用いたほのおのうず型で運用していたが、相手ポケモンの処理速度があまりに遅いことや相手の特定のポケモンに容易に起点にされることを懸念し、従来のりゅうのまい+はねやすめ型にゴツゴツメットを持たせたような型に帰着した。

後述のこだわりポケモンがテラスタルを切るなどで初手から一体処理した後、二体目で出てくる相手のポケモンに対応するためにこのポケモンを投げる動きが本構築の基本的な立ち回りになる。ブラッキーでは見るのが難しいマリルリやマスカーニャといった物理ポケモンを弱点を突かれるにも関わらず受けることができ、自身もりゅうのまいからエースになる詰め筋を取ることができるため、ほのおのうず+アンコール型が主流な今環境では強力だった。ただ、最終日付近になると同様の型が散見され、こおりテラスタルのマスカーニャのようなピーキーなポケモンに狩られる事例も頻発していたし、上記のゴツメ+A1上昇テラスしんそくで落ちるマスカーニャには一回も当たらなかった。


〇サーフゴー

サーフゴー@こだわりスカーフ/おうごんのからだ/はがねテラス
169(52)-58(↓)-115-203(252↑)-111-130(204)
ゴールドラッシュ/シャドーボール/トリック/じこさいせい

《調整》
S:準速ドラパルト抜き
C:183-105ガブリアスをテラスゴールドラッシュで乱数75%~

《概要》
構築の終期に入ってきた、最強要素。当初は眼鏡型で同じ技構成のサーフゴーを使用していたが、トリック+じこさいせいの汎用性の高さは目を瞠るものがある一方で、火力や耐久よりも上から奇襲をかける性能があったほうが動かしやすいと感じ型を変更したところ、構築の強さが格段に上がった。上記の通り、ガブリアスを始めとする多くのポケモンがはがねテラスタルのゴールドラッシュを耐えることができず、フェアリーテラス環境においてはがねタイプの一貫性を切るのは難しいため、初手から大きなアドバンテージを産む要因となっていた。ただ、こちらに有利な乱数ではあるが多くのポケモンに確率で耐えられることもあり、気合いを入れる必要がある。カイリューと併せて選出し、初手のシャドーボールもしくはゴールドラッシュで一体倒し、一度カイリューで相手を流してから再度サーフゴーを場に出して詰める動きが非常に強力だった。

今作のテラスタル主体のゲーム展開において相手の予想外のところから一匹倒してゲームを始めるのが理想的であるため、こだわりテラスタル+クッションの形は今後も開拓の余地が十分にあるように思える。

163(4)-58(↓)-116(4)-203(252↑)-117(44)-130(204)
1/7追記。実際に使用した調整は上記のものだが、こちらでの使用を推奨。サザンドラやサーフゴー、ゲンガーなど元々不安定だった初手特殊との対面で生存できる確率が格段に上がり、物理相手はヤるかヤラれるかの二択になりがちだったので、Dに厚く割いたほうがよい。


〇水ロトム

水ロトム@こだわりメガネ/ふゆう/フェアリーテラス
131(44)-x(↓)-128(4)-165(196↑)-129(12)-138(252)
10まんボルト/ハイドロポンプ/テラバースト/ボルトチェンジ

《調整》
C:D105ガブリアスにテラバーストが212~
S:準速 最速ガッサ意識のポケモン全抜き

《概要》
俺が知らない間に構築にいた、謎のポケモン。フェアリーテラスタルのロトムは環境の初期中の初期に誰もが考えたものだが、最後まで戦えるポテンシャルがあった。テラスタイプが見え見えすぎるので一生キモい択があるうえに技外しもするのであまり好ましくなかったが、ヘイラッシャやラウドボーンなど地味に重い遅いポケモンに対して特に強かったため、しぶしぶ使用を続けた。一人で構築を考えていたら絶対に使っていない。

技範囲の強さはカタログスペック通りだったが、このロトムは準速であるという部分が重要で、すばやさラインの上下さが激しい今環境において、遅いポケモンの速いライン(理解れ)を絶妙に抜いているのが強さのポイントだったように思う。カビパラは遅いステロ撒きのガブリアスを倒したいと言っていた。その辺りに刺さる。終盤に急増したセグレイブに対してサーフゴーからロトム引き、ロトムからサーフゴー引きのような動きでテラスタイプや技を確認しながら姑息に対応していく必要があった。個人的には、そのセグレイブとウルガモスの並びに対してより安定する動きが取れればさらに構築の完成度が上がった気がするが、時間もなかったしカビパラは勝っていたので、何とかなるらしい。


〇ガブリアス

ガブリアス@とつげきチョッキ/さめはだ/はがねテラス
183-182(252)-115-x(↓)-106(4)-169(252↑)
じしん/げきりん/アイアンヘッド/ストーンエッジ
(じしん/げきりん/アイアンヘッド/テラバースト[かくとう])

《調整》
HD:テラス後サザンドラの特化眼鏡りゅうせいぐん確定耐え
   特化ロトムの眼鏡フェアリーテラバースト確定耐え

《概要》
ブラッキー入り構築の相性補完で重要なポケモンとして、構築に最初から最後まで入っていたポケモン。年末ごろには鉢巻ガブリアスが強すぎるという情報をブラッキーに詳しいクゥリさんに教わり勝っていたが、その少し後に鉢巻ガブリアスが爆増して一貫性が取りづらくなって以降、HABステロ型や珠ASステロ型など様々な形で構築の穴埋め要員として利用され、最終的にとつげきチョッキ持ちとなった。

この型の主な役割はラウドボーンを崩せる眼鏡持ちのウルガモスを処理することと、ブラッキーが起点にされるみがわりサザンドラに勝つこと。チョッキを持つことでサーフゴーにもかなり有利になったため、ひこうテラスタルにも打点の取れるストーンエッジで使うのも強いらしい。はがねテラスタルであればセグレイブとウルガモスの並びにも強く出られるがかくとうテラスタルだとサザンドラやドドゲザンに有利なため、一長一短。両立できる型があれば理想ではあったし、このポケモンは時間さえあればもっと型が変わっていたはずなので、チョッキさえ持っていればわりと何をしてもいい。


〇ラウドボーン

〇ラウドボーン@おんみつマント/てんねん/フェアリーテラス
211(252)-x(↓)-121(4)-131(4)-132(196↑)-93(52)
フレアソング/おにび/みがわり/なまける

《調整》
S:4振り70族抜き
(もしくは、HD252S4。カビパラはそっちだったが、誤差のはず)

《概要》
ブラッキー構築の補完枠として、最初から最後まで同じ型でずっと構築にいたポケモン。ブラッキーを起点にするちょうのまいウルガモスに対する処理と、あくびを無効にするキョジオーンに対するハメ性能がポイント。みがわりを採用することでさまざまな場面での詰め筋が広がっていたため、技構成やテラスタルなどあらゆる箇所の変更の余地がないポケモンだったが、選出率はブラッキーと並んで下位から一位、二位を争う。途中、カビパラがふういんラウドボーンを使っていたが、キショいので解雇させた。水ロトム投入前は構築として相手のラウドボーンが重かったため、一考の余地はあるけれども、キショい。

おんみつマントはしおづけの対策として持たせたが、他にもあくのはどうやつららおとしの怯みを引かないことや、シャドーボールのとくぼうダウンを引かないことなどで様々な負け筋を潰してくれた。

【基本選出/立ち回り】

①サーフゴーorロトム②カイリューorガブリアス③@1
この構築の考え方はシンプルで、相手の六体を見てサーフゴーとロトムの刺さっているほうを初手に置き、通せない相手から退くためにカイリューかガブリアスを置き、最後に穴埋めになる一匹を選ぶという順で選出を決めることができるため、選出パターンはほぼ上記の一択。

例として、ドラパルト+ドドゲザンのような並び相手には、サーフゴーを初手に置きドラパルトを処理、裏から出てくるドドゲザンに対してはカイリューを投げ、@1と合わせて残り二枚を倒していく――という流れがよくあった。@1の自由度は高く、サーフゴーとロトムの両選出も、ガブリアスとカイリューの両選出もまったく問題ないしガブリアスに関しては初手でも投げられるが、ブラッキーとラウドボーンの両選出だけは極力避けたほうがよい。

相手の構築にセグレイブがいる場合はロトムとサーフゴーはほぼ必須選出となり、裏にいるウルガモスを含めた並びに対して竜を投げるかラウドボーンを投げるか……といった考え方をすることが多かった。基本的に、遅いポケモンが多い並びにはロトム、カイリュー以上準速ドラパルト以下の速いポケモンが多い並びにはサーフゴーを投げるのが安定する。

ただし、選出よりも、全てのポケモンがテラスタルをして強力な型であるためどこでテラスタルを切るのか、サーフゴーとロトムのどちらを通すのかの判断の比重がやや重い構築になっている。根本的な考え方としては、初手の対面ではテラスタルを切ることで一匹倒すか二匹以上を大きく削れるのであれば切り得ではあるが、中盤以降の場面での切りどころがかなり難しい。そこを含めて扱えるかどうかが、使用者による順位のブレ幅に繋がったと思う。


【重いポケモン】

トリトドン……サーフゴーもロトムも安定して受けられるため、キツい。サーフゴーでトリックをしてカイリューで積むルートを目指す。

・サザンドラ……みがわりがないならどうとでもなるけど、あるとめちゃくちゃキツいしだいたいあるからキツい。サーフゴーで気合いを入れて倒すか、ガブリアスで何とかする。ガブリアスのかくとうテラスは悪半減で偉いけど、はがねのほうが強い。

・ウルガモス……ステロ+オーバーヒートやほのおテラスのオーバーヒート連打はラウドボーンでも受けられず、鬼火型はガブリアスやカイリューでは崩せないのでキツい。けどほとんど殴ってくるやつだったので、ガブリアスやカイリューで勝つ。

キラフロル……というかどくびしがキツい。サーフゴー+ロトム+カイリューの選出で何とかなれー!ってやることが多い。そして、何とかなる。キラフロル、悲しいね。パルシェンでどくびしを撒くのはさすがにずるいと思う。

・ロトム……フェアリーテラスタルをいつ切ってくるのかの読み合いで、嫌な思いをしてキツい。


【おわりに】

以下、敬体。

ゲームとしては、シリーズを通しての自身の目標の一つであった最終レート2100を(たぶん[たぶん!?])達成できているので、何はともあれよかったです。剣盾の時もあった最終日の緊張感はもとより、新しい環境で妙なポケモンを見たときの新鮮な驚きや、想定している対戦展開を現実が覆すケースに出会うことが多く、とても充実してプレイすることができました。

今回は新作の最初のシーズンということもあり、さまざまな知り合いがプレイしていたためヒトと協力して構築を練ってみましたが、ゲーム本編では協力要素がない分、こういう遊び方も楽しくはありましたし、実際“やってる”人もかなりいるはずなので、今世代では推奨されていくことになるんじゃないかなと感じています。ただ“やる”側に回ったことで、一人で考えるよりも複数で考えるほうが圧倒的に効率が良いというのも分かってしまったので、せめてもの誠意として、協力してもらった内容については詳らかにしようと心掛けています。隠してるのが、一番タチ悪いし。


スペシャルサンクス
・マスターAPEX部
カビパラ、ひよ氏。剣盾やらずにペクスして培った絆で、他人のキショいアイデアを一刀両断にできる。

・クゥリさん
俺とカビパラの二人でブラッキー構築を考えていてもあまりカビパラ側に得るものがないなと思っていた中で、クゥリさんに相談に乗ってもらえたおかげでカビパラの蒙が拓けて結果を出せていたようなので、親心での多大な感謝があります。ブラッキー使っているプレイヤーの全一と全二のタッグだと思うので、俺のいないところで勝手に仲良くなって、より極めていってほしい。
→クゥリさんの記事リンクはこちら

・アシキchメンバーシップ
メンバー限定配信を見て応援をしてくれたり、俺が気分転換で掃除をしているところを聞いてくれてありがとうございました。

そして……全ての対戦相手の方に、感謝します……!!


自分は“構築記事”という文化が好きなので、ポケットモンスター スカーレット・バイオレットにおいても、変わらずに続いていけばいいなと思います。

アシキ


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