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西安市動物園へ、移転前の訪問

2003年、現在の秦嶺野生動物園の前身である、長楽公園内の西安市動物園を訪れました。

その日は晴れていたのに、園内の雰囲気はどこか沈んでいて。
動物たちの元気のなさが目立ち、ライオンやトラのような大型動物でさえ、くるくると同じ場所を同じ動きで行き来するか、外をぼうっと眺めているか。園内が狭いためかもしれません。

うなだれて動かない

園内を歩いていると、さらに驚くべき光景が。
柵を越えて動物を見ようとする人々がいたのです。
事故も心配だし、檻の中の動物にだって相当なストレスでしょう。

餌やり禁止とは書かれてるけど
こんなに好き放題だと何かあげていそうで怖い



中国の伝統的価値観は「家族中心主義」、とでも言いましょうか。
家族や親しい人々に対する愛情や敬意が強調される一方で、環境や動物への配慮、思いやり、マナーについては、疑問を感じることが多いです。

国ごとに形成されてきた歴史や文化の背景が異なれば、当然ながら価値観も異なります。また、急速な経済発展の中で、あれこれかまっていられないのかもしれません。

でも、あと10年もすれば先進国になるとされている中国。(2003年当時は発展途上国でした)世界の中での立ち位置を考えると、環境保護や動物愛護、福祉の意識を高めざるをえないでしょう。
今後はもっと、伝統的な価値観との調和が求められるのだろうと思います。

スタッフさんの話では、もうすぐこの動物園は新しい場所に移されるのだそうで。引越しもその一環なのだろうと思います。

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