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【#20】Winny

「労働なんかしないで 映画鑑賞だけで生きたい」のコーナーでは私が行き当たりばったりで視聴した映画について書いた小感記事です。

第20回は2023年3月10日に公開された松本優作監督作品「Winny」について書いていく。

出る杭は打たれる

金子さんは2002年にP2P(サーバーを介さずにユーザー同士で直接データのやり取りをおこなう通信方法)を応用したファイルを共有できる革新的なソフト「Winny」開発。
このソフトができたことにより、違法アップロードも問題となり、2004年になぜか開発者の金子さんが逮捕される。
この事件を作中では分かりやすい例で「殺人に使われた包丁をつくった職人は逮捕されるのか」というのがある。
この映画は無罪を勝ち取るまでの7年間の軌跡。
Winny事件20年ぐらい経つことなので、私はこの映画でこういう事件があったのだと知った。
優秀な技術者がいても、Winny事件のような事が起こると、怖くて手が出しずらくなり、技術者が育たず後れを取ってしまう。
それが今の時代にも反映されていて、余計に日本は出る杭は打つ国だなと思ってしまった。
Winny事件がある中で警察の裏金問題も描かれていたのだが、それを作中で見せられると警察の面子を保つためにも金子さんを逮捕したのではと思ってしまう。
という感じで、映画の内容も無罪勝ち取りスッキリというのではなく、考えさせられる部分が多い。
一見お堅い映画に見えて入りずらいと思ってしまうかもしれないが、金子さんの見方である弁護士団、壇先生の言うことが分かりやすいからスッと話が入ってきたのは良かった。
また、金子さんを演じる東出昌大さんもハマり役であった。
プログラムを書く以外の部分でいろいろと疎く、不器用な感じの演技も非常に上手かった。
Winnyを見たことによって、東出さんの狩猟ドキュメンタリー映画「WILL」が見たくなった。
時は流れ、現在は2024年。
AIの存在が目立ってきている今だからそこ、響いてくるものが多い映画かと思う。

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