見出し画像

2月5日はルーネベリタルトの日


 今日はフィンランドのお菓子、ルーネベリタルトの話です。フィンランドでも公的に定められている記念日で、フィンランドの外務省が公式に作成している観光情報サイト this is FINLAND にも掲載されています。

駐日フィンランド大使館もたびたびツイートしています。

 このタルトは詩人ルーネベリが好んで食べたのが始まりのようです。ラズベリージャムを使ったお菓子はよく見ますが、下の記事がジンジャーブレッドなのは北欧らしいですね。ドイツのレープクーヘンとも近しいものを感じます。近所のケーキ屋さんで偶然見つけて、早速持って帰りました(お値段は良心的、250円でした)。

(一緒に写ってるスコーンは今回の記事には関係ありません。私はベリーのお菓子と同じぐらい、かぼちゃのお菓子が大好きなのです!!)

 ジンジャーの辛さと上のアイシングの甘みの対比に、ラズベリーの鮮やかな香りがとても合って美味しかったです。私がいただいたのは中に刻んだ胡桃も入っていてより香ばしく、食感に強弱がありました。

 ちなみにこのタルトの元になったルーネベリ氏の名前からルーツが気になり、調べました。正式な本名全体は Johan Ludvig Runeberg 。ファーストネームとミドルネームはいかにもゲルマン系のように見えます。Johanヨハンはドイツ語では読み方はそのままJohann, Ludvig ルードヴィグは、ドイツ語圏ではLudwig(ルートヴィッヒ)となるもののほぼ同じです。フィンランド語はスウェーデン語やドイツ語とはかなり遠い距離にある言語です。

 ルーネベリはスウェーデン語系フィンランド人で、母語も執筆言語もスウェーデン語だったようです。ルーネベリがスウェーデン語で創作した詩が、後にフィンランド語へ翻訳され、現在のフィンランドの国歌に採用されています。有名な作家トーベ・ヤンソンもスウェーデン語を母語とするフィンランド人で、ムーミンの原作はスウェーデン語で書かれているのはかなり有名な話ですね。フィンランドが公用語にフィンランド語とスウェーデン語の双方を制定したのは1919年。ルーネベリの死後40年ほどのことですが、正式に2言語使用が認められる前から隣国の言語で創作活動を行なっていた詩人が国歌的な偉人とされ、国を代表するお菓子の名称にもなっている事実から現地の言語事情を窺えて面白いです。
 


自身でもバイトはしておりますが、外国語文献の取り寄せなどに費用がかかり生活は楽ではありません。もしよろしければご支援いただければありがたく存じます。