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あせっとびるだーず 今月の投資レポート2024.5.30

米国株最高値更新。

《米国株式市場、絶好調》

 今月の米国の株式市場は、NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数といった、主要な株価指数で最高値を更新しました。最高値更新後、NYダウは若干下落してはいますが、それでも好調さはキープされていると感じています。
 そして日本の株式市場も、日経平均、TOPIXともにまだ最高値は更新できていませんが、4月の下落からはだいぶ回復してきたといえます。
 特に、今月は今の米国株式市場をけん引していると言っても過言ではない、半導体メーカーのエヌビディアの決算があり、この決算が非常に良い結果となったことで、株式市場に追い風が吹きました。

 そんな中で、当社の金融運用資産に関しては、あまりパッとしない感じの推移になりました。
 3月ぐらいからREITへの投資割合を増やしてきたことで、当初から危惧していた通り、今月の株価の上昇についていくことができていません。
 4月の下落相場の時にほとんど下落しなかった分、今月の上昇にはついていけていないという感じになってしまいました。
 もしこの株式市場の上昇基調が続くようであれば、今後もあまり芳しくない状況が続いてしまう可能性があると思っています。

《バフェットがアップル株を大量売却?》

 5月上旬に、バフェットが経営するバークシャーハサウェイの株主総会が行われました。
 その中で、バークシャーハサウェイがアップル株を約1,000万株売却していることが発表されました。これはバークシャーハサウェイが保有しているアップル株の1割ぐらいにあたり、日本円にすると2兆円分ぐらいの資産を現金化したということになります。
 3月末のバークシャーハサウェイの手元資金は、1890億ドル(約29兆円)で過去最高となり、バフェットの話では、6月末には2,000億ドル超える可能性もあるとのことです。

 米国株式市場が絶好調な中で、保有株式の売却、そして手元資金の増加など、バフェットがおこなっていることは、株価上昇のリターンを放棄しているかのような行動です。
 株式相場が上昇している時では、保有株はできるだけ長く保有し、現金はできるだけ早く株式に変えてしまうほうが、利益は大きくなるものです。
 バフェットのように、株式を売ってしまったり、現金をそのままにしてしまっているのは、強気相場では、運用成績を悪くしてしまう可能性が高く、あまり良い方法ではないと言えます。
 もしかすると、バフェットが「もうすぐ暴落がくるのでは」と考えているのかもしれない、という声も一部聞こえてきますが、バフェットは、相場を予測することは不可能だといっているので、「もうすぐ暴落がくる」という考えはないのではないだろうと思っています。

 上昇相場で、保有株式を売る。現金をそのままにしている。これらの行為は、まちがいなく、得られるはずだったリターンを逃してしまう行為になります。普通なら「あの時売らなければ」とか、「もっと買っておけば」といった後悔の気持ちがでてくるものです。
 今回の私自身も、証券投資のポートフォリオを株式資産からREITに入れ替えしてしまったことで、5月の上昇相場で得られるはずだったリターンを逃してしまいました。
 そこに多少なりとも後悔の気持ちがないといったら嘘になります。

 そんな中でも「それでもいい。」と思えるようになるためには、その結果に対して、自分を納得させるだけの根拠が必要になると思っています。
 自分は、どういうスタンスで投資を行っていくのか。良いことも悪いことも含めて、自分が求めている結果はどういうものなのか。そのために今回とった行動は正しいことだったのかどうか。
 目的と行動があっているかどうかを、よく理解して行っているのかどうかが、投資にとっては必要なことなのではないかと思っています。

 投資の難しいところは、正しい行動をとったからと言って、必ず良い結果が得られるわけではないところです。
 逆に全然正しくない不適切な行動であっても、運が良ければびっくりするほど良い結果となることだってあります。

 私たちは、行動はコントロールできるけど、結果はコントロールすることができません。投資というのは、結局のところ運次第で結果が大きく変わります。

 バフェットのアップル株の売却や膨大な現金資産の保有は、投資行動として、『良い結果』を与えてくれるものなのだろうか。もしかすると、バフェット自身もよく分かっていないのかもしれない。
 それでも、豊富な知識と経験から導き出された、『正しい行動』は、今は株を売り現金を持つことなのかもしれません。
 そう考えると、そこにはバフェットの投資に対する信念や哲学的なものがあるのかもしれません。