「我は四等国民か。」

備忘録1 「我は四等国民か。」

「多治見市長選挙の不正を正す会」代表の美和勇夫弁護士ほか606名が、多治見市長選挙において、バローホールディングス会長の田代氏が高木陣営出陣式で行った演説等が虚偽の事項を公にし、また事実をゆがめて公にし、山本候補を誹謗中傷した「選挙違反である」として告発した(7月28日)。

この事実は、ネット等記事から私も知っていた。

多治見市長選は、高木候補(非自民)と山本候補(自民)が、一騎打ちとなった選挙戦。高木候補が28,434票、山本候補が、22,466票で高木新市長の誕生となった。

該当する条文である。
<公職選挙法第235条第2項> には、 当選を得させない目的をもって、公職の候補者又は公職の候補者になろうとする者に関し、虚偽の事項を公にし、又は事実をゆがめて公にした者は、4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金。
※金銭による買収罪でも、原則3年以下の懲役ですから、4年以下というのは非常に重い。

美和弁護士は、田代会長の演説は、虚偽事項公表罪、事実歪曲公表罪に当たるとしている。

私は、田代会長の具体的な応援演説の内容について関心があったが、知らずにいたのだが、
しっかり音声がネットで公開されていた。
内容を知って驚愕した。

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高木陣営(現市長)の出陣式での田代会長の演説は、下記のようなものだった。
「(多治見市長選に)、候補者が2人出ました。
一人はこの高木さん、
一人は、山本さん。
私はそれを聞いた時に、プーチンとゼレンスキーの戦いだと。というふうに思ったわけです。
誰がプーチンかと、皆さん、すべて分かっとると思います。
ただ、プーチンと山本の違いは何か?
プーチンは、頭にロシア正教
そして山本は、頭に統一教会
この違いは決定的な違いだ。
この多治見に統一教会が入ってきたら、一体、どうなるのか。
彼が県会議員でやった唯一の仕事というのは、まさに
統一教会の導入というのが唯一の仕事だと、いうふうに言われております。

まあ、これは、いろいろな人たちが、こういう事を言っている感じがします、が・・・
はじめは、(高木陣営が)出遅れて、そして、今追いついて、そして確実に、この勝負というのは、
『勝ち勝負』に入りました。ただ、この一週間というものが、油断したら負けてしまう。
最後の戦いに、この一週間、皆さん方、徹底的に戦って、絶対に、プーチンを多治見の市長にしてはいけないと、いうことを多くの方に伝えて欲しい、ということをお願いして私の挨拶とかえさせて頂きます。」
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 この演説で「徹底的に戦う」と表明されていた通り、市長選投票日の前々日、4月21日(金)に高木陣営は、2万7500枚の怪文書を、新聞折り込みしてばら撒いた。

この怪文書は、山本候補が、旧統一教会と深い関係にあるかのように印象付ける内容であり、田代会長の出陣式の誹謗中傷演説から始まったネガティブ・キャンペーンの止め(とどめ)を刺すものであった。

 この怪文書に関しては、「多治見市長選挙の不正を正す会」が山本候補の当選を妨害する目的で虚偽の内容のビラを配ったとして、公職選挙法違反の疑いで、当選した高木市長等を告発し、岐阜地検が受理した事(7月31日付)が報道されている。

 この怪文書に関しては、「東濃情報the Sun」が詳しく報道している。

怪文書を発行した「多治見を守る会」は、高木氏の確認団体と特定。またチラシ(怪文書)を印刷したのも高木陣営の判治県会議員が元勤めていた印刷会社として、高木陣営の組織的関与の下で行われたとしている。

 「多治見を守る会」は4月16日、チラシサンプルを選管に提出したというが、このような怪文書が認められるわけがない、「頒布不可」と言い渡されていたという。

ところが、4月20日(木)夕方、山本候補の街宣車がある新聞販売店の前を通りかかった際、店主が飛び出して来て、「明日の朝刊にこれが入る」とチラシを山本陣営 に見せた。

山本陣営はすぐに選管に連絡。同日、19時頃、選管は、「多治見を守る会」代表の田嶋氏に「このビラは違法だから折り込みを中止するように」と指示した。

 しかし、指示は無視され、チラシ(怪文書)は予定通り翌日朝刊に折り込まれた。

2回も選管から注意されたのに無視するとは大胆不敵であると、「東濃情報the Sun」の筆者も驚きを隠さない。

 私は、過去、新聞折り込みの規制の厳しさをいやというほど味わった。幸福実現党として何回もチラシの折り込みを試みた。

 内容は、例えば、政策の主張、党首講演会の開催や、関連テレビ放送、ラジオ放送のPR等、ごくごく常識的なものであった、というより、公共の福祉の増進に寄与すると信ずる内容であったが、幸福実現党が、宗教政党であるという事を理由に内容の是非に関わらず新聞折り込みは出来なかったのである。
 特定の宗教団体を利するようなチラシの折り込みは不可ということである。
(現在、地域によっては、新聞折り込みが可能である。)

戦後日本の国是「表舞台から一切の宗教を排除する」ゆえ、この「壁」はやむを得ないと諦めた。
 遵法精神こそ、法治国家の要、何度、涙を呑んだことか。

それが、このような怪文書、しかも風聞のみを根拠とし、客観的に裏を取らない事実無根の虚偽を公にする怪文書を、二回の選管の頒布不可の警告(レッド・カード)にも関わらず、それを無視し、ポスティングならいざ知らず、2万7500枚も大量に新聞折り込みされたのである。しかも選挙期間中に。新聞販売店も一線を飛び越えた。

 選管を完全になめきった確信犯ではないか。
国政選挙に10年以上関り、不条理なれど法治国家の一国民として涙を呑んだ私として、信じがたい、常識外の「脱法行為」に思えた。

多治見をはじめ東濃経済界のトップと一緒なら、赤信号無視して渡っても怖くないということだろうか。

こんな事がお咎めなして、許されるなら、宗教というだけで新聞折り込みを拒否された我々日本国民と、怪文書でも何でもお構いなしに新聞折り込みできるという日本国民には、どうやら階級差があるらしい。我々前者は4等級の下層国民で、後者は、さしずめ上級国民ということであろうか。(笑)

 私は、我がルサンチマンを蔑ろにせず、一考に値すると、独断と偏見で思うところあり、これを投稿している。

 次回、バローホールディングス会長の田代氏の件の演説について、少し思うところあり、考えてみたいと思う。

いずれにせよ、封建的村社会の特性が色濃く残っている地域社会において、この度、地域経済の絶対的存在、田代氏を告発した美和勇夫弁護士ほか606名の市民の、日本人が比較的不得手とする「善悪を峻別する」性質を克服し、告発された事に対し、敬意を表したい。

ちなみに、美和弁護士は、田代氏と同じ早稲田の同窓である。同窓生であればなおさら「なあなあ」に事を無難に治めることが日本的所作であろうけれど、ここにも非日本的ブレイク・スルーを見るのである。

まあ、それほどまでに看過できない「悪事」が行われたということと理解している。


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