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タイTITF「訪日即売会」のポイント(2024年度版)

東北ブースをTITF、タイ国際旅行博にはじめて出展してからもう10年以上になるでしょうか。当時はタイ語もできなかったですし、タイの旅行業界の仕組みも、業界の力関係や派閥も分かりませんでしたが、今は活用の仕方にとっては一粒で何度でも美味しいイベント(にできる)となっております。

TITF(タイ国際旅行博)は、タイ旅行業協会(Thai Travel Agents Association: TTAA)が主催する、アジア最大級の国際旅行フェアです。バンコクで毎年開催され、一般消費者向けの旅行商品の即売会として知られています。TITFは、大手航空会社や旅行代理店、リゾートホテルなど、旅をテーマにした様々な出展者が参加し、巨大なフリーマーケットのような雰囲気を提供します。旅の祭典ですね。北海道から沖縄まで、日本の自治体や企業も多数出展しており、タイ人による日本旅行商品の探求が活発に行われます​​。
タイ人からすると「安くツアーが買える機会」です。

TITF2023の様子

TITF2023では、JRパスのお得なキャンペーンや、直接予約が可能なホテルのブースが人気を集めました。また、じゃんけん大会や商品プレゼントキャンペーンを行うブースもあり、ブース運営の総合力で高い集客を実現していました。東北エリアのブースでは、タイ人からの具体的な旅行の質問が多く寄せられ、情報発信や受け入れ環境の課題が明らかになったという声もありました。富山県ブースでは、アルペンルートの人気に関する質問が多く、訪問前提の質問が寄せられるなど、昨今ではゴールデンルート以外のUnseen Japan(まだ見たことのない地方)が人気です。

出展方法

TITFへの出展方法には、ジャパンゾーンを間借りして出展する方法と、タイ旅行業協会のTITFウェブサイトから申し込みをする方法があります。ジャパンゾーンでは、主催者のルールに従う必要がありますが、比較的簡単に出展が可能です。一方で、ウェブサイトからの申し込みを通じての出展は、自由度が高く、企業や商品を自由にアピールできます​​。しかも早割もあり安い。福島県などは独自に出展することが多いですね。

参加者と出展者

TITFには、タイの一般消費者がターゲットとしています。日本旅行を具体的に計画している(バーゲンセールにも)感度の高いお客様が集まり、入場料は無料です。前日にはタイ旅行会社とのB2B商談会(ランチとディナー付きで1名め300USD、2名目から200USD)もあり、TITFは、濃い相互コミュニケーションを通じて、訪日予定の見込み客に深く訴求する機会を提供し、CでもBでも、タイ人の生の声を聞くことができる貴重な場となっています。
しかし、認知拡大の目的であれば手間暇金のかかるイベントよりも、SNSなどデジタルの方がコストパフォーマンスが高いとも言われています​​。しかし昨今はSNS以外のメディアは費用対効果的には今ひとつです。インフルエンサーもいいですが、数年の計画の中での位置付けと、彼らのファン層を確認してからにされるとよいでしょう。

TITF2024の概要

TITF2024は、旅行用品、キャンプ用品、アウトバウンド旅行会社、ホテル/リゾート、クルーズ/レンタカーなどの出展が予定されています。

TITFは、タイだけでなく、アジア全域の観光業界にとって重要なイベントであり、旅行業界の最新トレンドや情報を交換する、ある意味絶好の機会を提供しています。忘れてはいけないのが、長い付き合いが必要なタイ旅行会社にとって、年間通しての最も稼ぎどきです。セールスコールなどで邪魔をし過ぎないようにしましょう。

タイ旅行会社が売っているのは、日本だけではない。

出展の際のポイント

  • ターゲット理解:タイの消費者が主なターゲットであることを理解し、ニーズに合わせた情報提供を心がける。TITFはGIT向け。事前に旅行会社に旅行ツアーを作らせて売らせること。

  • ブースデザイン:魅力的なブースデザインと企画で来場者の注意を引く。お金がなかったら、ポスターだけでもよい。肝はテーマを持つこと。春向けの体験なら何、など、他県他国にないテーマがオンリーワン。

  • 情報提供:具体的な旅行情報の提供を通じて、来場者の質問に対応する。
    これは、地元を旅行したことのあるタイ人スタッフの体験がベスト。

  • タイ人スタッフの配置:タイ語でのコミュニケーション能力を持つスタッフを配置し、文化的な理解を深める。タイでの日本語&タイ語通訳は大変高いのですが、、地元にタイ人いませんか? 地元愛のほうが大切。

  • オンラインとの連携:デジタルプロモーションを活用し、事前に情報発信を行う。Facebookはデフォルトです。できれば出展ブースと連動してプレゼントキャンペーンを。

  • コストパフォーマンス:出展方法の選定を慎重に行い、目的に合った方法を選択する。TITFの他に、毎年9月ころの日本博バンコク、11月ころのFITフェアもあります。

  • フォローアップ戦略:出展後のマーケティング活動に繋げるための戦略を立てる。 旅行会社へのフォローアップは何年も何年もやって、関係構築がツアー企画・シリーズ化の肝です。


コロナ禍後、タイで最もPR日から入れているのが台湾。しかし決め手に欠いている

TITF2023の様子からは、JRパスのキャンペーンやホテルの直接予約が可能なブースが特に人気であったことでのFIT化が顕著なこと、そして自治体の観光地ブースではタイ人から深い具体的な旅行の質問が多く寄せられました。要はリピーターが増えているのです。
私達はあなたの観光地に来てもらえるようなテーマ設定(オンリーワン戦略)と、その解決方法の試行(狭く深いターゲットに刺さる、ファン化する)の方が大切です。
あとは継続。タイと台湾とフィリピンは、狭く掘っても、営業するだけ積み重なる訪日インバウンド市場です。

アジアクリック 高橋学
mana@asiaclick.jp
http://asiaclick.jp

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