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【ASE-Lab.メンバーの声】 #5 〜弘前大学 安田伊吹君 編〜

海外や全国各地から宇宙好きメンバーが集うASE-Lab.。
都内に拠点を置かない団体の活動にメンバーは実際どのように参加しているのでしょうか。。
そんな疑問を持った皆さん!運営メンバーの舟坂が調査してきました

メンバーインタビュー企画第五弾!今回は弘前大学で宇宙、災害、地球環境などについて幅広く学ぶ安田伊吹(やすだ いぶき)君に取材を行いました。
ASE-Lab.内ではゼミへの参加だけでなく運営にも一緒に携わってくれています!努力家なだけでなくユーモア溢れる性格をしていて団体のムードメーカー的存在のいぶすけ(←安田君の愛称)ですが、今回は彼らしく宇宙に対する愛や団体内の活動について熱くロマン溢れる口調で語ってもらいました


いぶすけって誰?

舟坂:まず、自己紹介の方を軽くお願いします

安田:弘前大学の理工学部、地球環境防災学科3年の安田伊吹です。学科では、地球環境、自然災害、防災などについて広く学んでいます。大学内のサークルや団体には入っていないのですが、学外のサークルであるASE-Lab.とSDFでの活動を行っています。

舟坂:三年生ですけど、研究やゼミはやっていますか?

いぶすけ:研究室に仮配属になって、ゼミとかが始まるのは後期からです。自分の学科は宇宙系の研究室が三つあって、そのうちの宇宙論の研究室と宇宙線の研究室で迷っていました。「宇宙」という名のつくものを全て面白い!と感じてしまうので、多分どちらにいっても面白さは変わらない気がします。なので、先生との相性や卒業研究後のことを考えた時に、より自分を研究者として育ててくれる雰囲気を感じたということで宇宙線の研究室を今の所希望していますね。



宇宙に興味を持ったきっかけ

舟坂:いつから宇宙には興味を持ちましたか?

いぶすけ:小学校二年生の頃に、映画ドラえもんの『新・のび太の宇宙開拓史』という映画をみて、そこから宇宙に対して漠然とした憧れを抱きました。それを機に学校の図書館で宇宙の本を読んでみたり、仙台市天文台に連れて行ってもらったりとかもして、宇宙に触れていくうちにどんどん好きになりました。宇宙系の研究室に行きたいというのはずっと思っていたことでした。自分が宇宙のどこに興味があるのかというのはまだはっきりしてない状態で、宇宙に関われるならなんでも良いから、とりあえず自分の専門を極めたいなと。何かしらを深く学べば得られるものがあるだろうという感覚で、研究室について考え出しました。

仙台市天文台

いぶすけ:結局、宇宙のことだったら全て面白そうだなって思うのは、宇宙について何も知らないからだと思います。学部生のうちから関心がある分野に対してなぜそれに関心があるのかをちゃんと分かってその分野に進む人って中々いないと思うし、受験生の段階で学部や学科を選択してある程度道を狭めなきゃいけないというのは中々酷な話ですよね。色んなバックグラウンドを持った人たちが「宇宙が好き」という共通項だけで集まってきて、様々な視点とか考え方をこの団体でシェアできることは、宇宙を理解してなぜそれに興味があるのかを考え直す上ですごく意義のあることなんじゃないかなと。

舟坂:そうですね。交流という意味でのメリットは大きいかと。宇宙に興味があって例えば理学部に入っても、結局学内では理学部の視点でしか宇宙を見る機会がないので、ASE-Lab.とかに入れば、色んな分野の視点から宇宙を見る機会があるので、そういう意味ですごく有意義な時間を過ごせますよね。

いぶすけ:そうですね。ましてや地方になると、そもそも宇宙系の団体やイベントが少なかったりして、常にアンテナを張り巡らしてないといけないのは、感じているところで。やっぱり場所によらず、自分が勉強している内容によらず、繋がれる場は凄く貴重だなと思います。
 
舟坂:確かに!これは宇宙分野に限った話ではなく、豊富な情報や良い仕事、十分な教育の機会を得るには都内に行くというその一択しかないというような風潮がありますけど、ASE-Lab.のように、場所によらず繋がって不自由なく教育を得たり仕事をする機会を作ることは、現代の不安定な都市集中型の社会を脱する一つの鍵になるんじゃないかと思います。

 

地球環境防災学科で学んでいること

舟坂:大学の学科では防災や自然災害に関しての授業が多いと思うのですが、具体的にはどのような勉強を頑張っていますか 

いぶすけ:学科で勉強する範囲は、自分たちを取りまく環境や人間社会を扱うのですごく広くて。地質や地震、気象、宇宙についてはもちろんのこと、環境化学、建設構造学など工学系の科目についても幅広く勉強しています。自分がこの学科を選んだ理由としては、この学科での学びは宇宙に限らず、科学というものを通じて究極的に言えば自分たち「人間」自身を理解することだと個人的には思っていて。僕たち人間生活の本質を学ぶことは、今後宇宙開発や宇宙利用していく上ではすごく重要なことなんじゃないかと思っています。一つ専門を極めることも、すごく意義のあることだと思うけど、広く勉強して多面的に物事を見る力を養うというのは、今後一人一人が専門性を極めてそれを統合させるという合理的社会になっていく中で、僕みたいなのが物事を多面的に見られるということは、とても意義あることなんじゃないかなと。そういった考えを元にすると、この学科に入れて良かったと思ってます。

舟坂:私たちがなぜ生まれてきたのか、自分たちを取り巻く環境についてもっと知りたいと思うその心は、宇宙に興味を持つことの主な根源にもなっていますものね。その豊かな心を養う上でもとても良い学科なのだなと聞いていて思いました。

いぶすけ:そうですね。専門的なことを追求することも大事ですが、大学院の研究室に入ってからそれは皆行うので、学部生のうちに広い視野を養うのは大切だと感じています。あとは、専門性を極めていけばいくほど、どうしても専門分野間で分かり合えない部分は出てきてしまうと思うんです。なので、多面的に物事をみれる人の方が、そういう場面で柔軟に考えられると思います。

ASE-Lab.に入ったきっかけ

舟坂:ASE-Lab.に入ったきっかけはなんですか?

いぶすけ:ASE-Lab.について知ったきっかけは、去年の11月〜年末にかけてHASSE Space Schoolをやっていて、そこで知り合った仲間がこんな団体あるよと持ちかけてくれたのがきっかけです。HASSEが終わって特にやることもなくなってしまって、宇宙から遠のいてしまう気がしたので転がっているチャンスは掴んじゃえ!みたいな感じでポイっと入りましたね。

舟坂:情報が伝わるのが早いですね!

いぶすけ:そうですね。HASSEの仲間との繋がりってやっぱりかけがえのないものだなと改めて感じますね。小さい時から周りに宇宙に興味がある人がいなかったから、繋がれてすごく嬉しかったし、その人を通じてまた人と繋がったり、情報を得られたり、学びがあったりして。HASSEやASE-Lab.で出会った人たちとは、長い付き合いをしたいと思うし、大事にしたい。宇宙が遠のいてしまうような場所にいるから、余計に宇宙を求める想いは人より強いと思う。僕の宇宙に対する情熱はすごいって言ってもらえることが多くて、それは自分が誇って良いところなのかなと思ってます。

舟坂:うん。やっぱり評価してもらえたり、そういう話をそもそもしてもらえる人と出会えて、自分のことを客観的に見つめたりとかする時間を取れますね。地方に住んでたからこそ、意識して宇宙について学ぼうと思えたのかもしれないしね。


ASE-Lab. でのゼミ活動

舟坂:ASE-Lab.で行ってる活動について教えてください

いぶすけ:まず、ゼミについて話します。出席率高く参加できたのは、デジタル画像処理と宇宙の物理のゼミでした。内容は難しいけど、一緒に勉強している仲間と悩んだり議論する中で、あ!って納得できた経験での喜びとか達成感は、1人で勉強している時や大学で授業を受けてる時よりも、すごく大きかったと思う。あとは、自分が求めて参加したものだから、そもそものモチベーションも違うし、そういう人たちが集まってるのがゼミだから、すごく濃くて楽しい時間を過ごせたなと。

舟坂:1人だと自己完結で終わっちゃうし、やっぱりコミュニケーションの楽しみがゼミではありますよね。

いぶすけ:そうだね。同年代と勉強していると質問しやすいしね!先生だと「馬鹿なこと質問してるかな」って思って不安になっちゃうから。

舟坂:すごいわかりますその気持ち!ゼミだとみんな優しくてどんな質問しても気持ちに寄り添って答えてくれますし、逆に質問されて答えられなくて自分も分からなかった部分があったと気付くし。

舟坂:ゼミの内容はどういったものでしたか?

いぶすけ:デジタル画像処理ゼミに関しては、画像処理をやったわけじゃないんだけど、画像処理がどういう仕組みで行われてるのか、どういう数式とか理論に基づいて行われてるのかを、輪読形式で学んで。難しかったけど、そこの学生で参加してた人も「難しいよね〜」って言ってて。多分自分がこの先実際に画像処理をやるとなった時に、処理方法を聞いて「あそういえばやったな!」とか「あの数式だったな!」って思い出せるような、そういう講義内容でした。

デジタル画像処理ゼミの様子

宇宙の物理はまだ完結してないけど、自分が今学科で勉強していることに近いこともあり、親しみやすかったです。じっくりもう一度見返して咀嚼すれば理解できる程度のレベル感でしたね。あとは、ゼミを発表してくれた子達がすごく良かったです。みんな結構関連の情報とかも取り入れてくれていたりして、とにかく楽しかったね。

宇宙の物理ゼミで用いたレジュメの一部

舟坂:みんな教えるの上手ですよね。自分の専門外の内容だとどうしても難しく感じちゃうのは、大学関係なくみんな一緒なので、しょうがないですよね。それも理解した上でみんなゼミやっていますから、全然できなくて質問してもいいし、難しいと感じることも悪いことじゃないですよね。専門外の人であっても気軽に本格的な専門の内容を行ってるゼミに参加できるというのは、凄くASE-Lab.の魅力ですね。

 

ASE-Lab.の運営について

舟坂:運営についても教えて欲しいんですけど

いぶすけ:運営では、今は団体への参加希望者がいればその対応と、隔週で行ってるオンライン交流会(ASEトーーク!!(1))の企画を主にやってます。企画メンバーの1人である僕の願いとしては、ASEトーーク!!を通じて、色んな興味とかバックグラウンドを持っている人たちが交流することで、参加者の皆さんに宇宙を多面的に見る面白さに気づいてもらいたいです。また、そういう人たちが将来の宇宙開発とか宇宙利用をより価値のあるものにして欲しいし、自分もそうできたらいいなぁという想いで企画してます。

(1)ASE-Lab.内の交流会イベントの一つである「ASE トーーク!!」は隔週金曜の夜9時にSpatialChat上で開催されている雑談会である。毎回テーマを変えて、テーマを元にメンバー達でゆる〜く話している。過去に行われた会のテーマとしては、宇宙関連の好きな本について語り合う「宇宙本大好き大学生」やロケット・CanSatなどものづくりについて話す「ものづくり大好き大学生」などがある。また、留学をテーマに話し合った会もあり、テーマは宇宙分野に限らない。

舟坂:なるほど、すごい熱い思いを聞けましたね

いぶすけ:ASEトーーク!はASE-Lab.のメインのイベントではないし、割とプライオリティが下がりやすいものではあると思うんだよね。みんな忙しくしてるから中々参加できないのはすごくわかるんだけど、結構大事だということは伝えていきたい!メンバーとの距離も近くなるしね!

Spatial Chatを用いたASEトーーク!の様子


HASSE space schoolって?

舟坂:エースラボ以外での活動についても教えて欲しくて。

いぶすけ:HASSE Space Schoolというものに参加しました。iVicon Japan(2)という非営利の組織がHASSEというアメリカの教育団体と学生の間を取り持ってくれて実現してる宇宙系の教育プログラムなんです。プログラムの中身については残念ながら詳しい話は喋れないことになってるけど、NASAが与えてくる課題に取り組むというのがざっくりした内容です。このプログラムにはNASAやアメリカの理系に強い大学、宇宙関連企業などが協力してくれていて、ゲストスピーカーから公に公開されてないストーリーなどを聞いて知識を深める機会もありました。プログラム後僕が感じたことの一つというのが、英語に対するハードルが凄い下がったということです。ゲストスピーカーの話はもちろんのこと、配布される資料も含めて全部英語でプログラムは進んでいくから、英語を喋ったり聞いたりしないといけない環境にありました。また、得たことの一つとしては、今も強い繋がりを持ってる宇宙好きの個性的な仲間との出会いでした。何よりも僕が得たもので大きかったなと思ったのが、プログラムを通して自分と向き合えたことでした。というのも、僕はこのHASSE Space School に「宇宙が好き」というそれだけで突っ込んでいったのね。だから宇宙に対して知識もなければ技術もない、英語もできないっていう状態で入っていったんですよ。そんな状態だったからこそプログラムをチームで進めていくうちに、自分には何ができて何ができないのか、自分はどういう人間なのかとか、どうしたらチームに貢献できるのか、成果を出せるのかとか、そういうことを凄く苦しかったんだけど見つめて、自分の輪郭が分かったことはすごく大きなことだったね。

(2)iVicon Japan: https://ivicon.jp/

HASSE Space Schoolでの活動の様子

今宇宙を全力でできていることの原点はHASSEです。僕は浪人もしているんだけど、浪人中は自分の中で自分が崩れていくような挫折を味わいました。もう一回一から自分を積み上げていく一年の中で、価値観とか考え方が変わったんです。でもその中で唯一小学生の頃から変わらなかったのが宇宙が好きっていう想いで。大学に入っても宇宙をやりたいと思っていたんだけど、中学の頃から大学二年生までは、ずっとバレーボールをやってて、宇宙から離れてたんです。それで宇宙を諦めかけていたんだけど、たまたまインスタのストーリーでHASSEの広告を見つけて。俺はこれをやらなかったら絶対後悔するって勘で感じて、費用も安くはないから、親にも情熱だけで説得して、なんとか参加しました。だからこそこの機会を無駄にしちゃいけないという想いは人より強かったと思うし、恥をかくことも厭わなかったです。六週間のプログラムを通して濃い学びを得て、その後もそこの仲間と今はHOTARUというプロジェクトを行えてるし、エースラボとSDFにも入ることができました。宇宙を全力で頑張れているのはHASSEが一つのきっかけとしてあります。なので、宇宙への扉を再び開いてくれたiVicon Japanの方々にとても感謝してます。

HASSE Space Schoolで出会った仲間たち

舟坂:浪人の辛い経験とか一旦興味を持ったものから離れた時間があったからこそ、改めて自分が何をやりたいのか、宇宙への興味だけは変わらないんだなって再確認できたことは将来を考える上で大きかったんじゃないかと思います。

いぶすけ:そうだね、辛い経験でも今思い返せば良かったなと思います。自分の中ですごく強固にあったものが宇宙で、それが俺の芯なんだなということに気づいて。それで今に至る(笑)

舟坂:でも、そういう自分の中で変わらないものとか、本当に心からやりたいことに気づくことはとっても難しいことなので、大切にしていって欲しいです。興味だけでプログラムに突っ込んだからこそ、現実を見ることができたのではと思います。自分の立ち位置を一旦見つめ直し色んな人と比較する良い機会でしたよね。そうやって現実を見ても尚続けたいと思えれば、いぶすけ君のように自信を持ってやりたいことを貫き通せますね。 

HOTARU プロジェクトについて

舟坂:ところで、HOTARUとはなんですか?

いぶすけ:HASSE space schoolに参加したメンバー4人で今行っているプロジェクトです。何かというと、月と火星で見つかっている縦孔と地下空洞を探査することを目的として探査機を作るプロジェクトなんです。月・火星の縦孔とか地下空洞を探査する計画はJAXAで「UZUME計画」として発足されてますが、これに絡めたプロジェクトです。中身を簡単に説明すると、複数のCansatのような小型探査機を使って、縦孔や地下空洞の地図を作るものです。僕は主にCADを使って設計をやっているんだけど、やばいくらい人数が少ないし、B4とか院生の人もいてそれぞれ動ける時間が限られてて。一応役割分担はあるけど、役割分担通りに進んでるわけじゃなくて、メンバーで助け合いながらいろんな分野を横断しながら進めてます。複数の小型探査機と、プロジェクトマネージャーをしている阿依ダニシ君が開発した火星UAV(ヘリコプター)を連携させ、それを用いた火星の縦孔・地下空洞の探査計画を衛星設計コンテストに出しました。一次審査を通過したので、宇宙開発のプロの審査員の方からのフィードバックを元に、今は最終審査会の準備をしてる状態です。「UZUME計画」と関連しているということもあり、その後もHOTARUでの研究は続き、11月に熊本県で開催される宇宙科学技術連合講演会で研究成果が発表される予定です。

HOTARUのミッションパッチ
HOTARUのローバーの外観

舟坂:宇宙科学技術連合公演会での発表も予定していたんですね!

いぶすけ:そうですね。詳しくないことが多くて大変だけど、勉強しながら進めてます。HASSEをきっかけに学部生のうちから論文作成に関わったり、成果を学会で発表できたり、日本の宇宙開発をリードしている方々から直接現実的なフィードバックをいただけるというのはすごく幸せなことだと思います。これから火星UAVや小型探査機の内容を発展させていくことになるんだけど、なんせ課題が多いので、死に物狂いで頑張ります。

弘前大学の後輩の人達との出会い

舟坂:今までのお話でも色々な人との繋がりが大事っていう話をしてくれて、その中でも特に印象に残っている人や刺激を受けた人はいますか?

いぶすけ:特定の1人ではないけれど、同じ弘前大学からASE-Lab.に参加してくれてる後輩は凄いなと思っていて。向学心や興味への愛に溢れてるんだよね。僕自身も経験から興味あることへの情熱は何かを得る上でとても重要な要素ということをわかってるから、そういうのに溢れてる後輩たちは、凄くかっこいいなと思うし、自分も負けてられないなと思うための刺激をくれます。実はその子たちとは、時々会ったりもしてます。研究開発や勉強のいい息抜きの時間をくれながらも、モチベーションを高めてくれる、あまりいないような存在だなと。

舟坂:遠くの人と繋がることを目的とした団体に入った結果、実は身近に同じ興味を持った人がいたことに気づけたんですね!いぶすけ君が後輩の子達から刺激を受けたように、その子達もまたいぶすけ君の頑張る姿をみて憧れたりいい刺激を受けてるんじゃないかと思います。

いぶすけ:どうでしょう(笑)でも少なからず自分と繋がりを持ってくれてるということは嬉しいことではあるから、後輩たちにもなんかいいお手本になるような姿でいたいなぁとは思うな。

今後行いたいこと 

舟坂:今後団体内で行いたいことは? 

いぶすけ:プロジェクト的なものをみんなでやってみたいなと思ってて。例えば、ASE-Lab.のメンバーは凄い人脈を持っているので、それを活かして専門家の人と繋がって、Cansatや超小型人工衛星を作って大会に出してみるとか。文理問わずやりたい人が集まって知識とか技術をみんなで一から学びながら行えたらいいなと。衛星設計コンテストで過去に賞を受賞した大学生のチームは、実機を作って実際に打ち上げたこともあるらしいんだよね。もしかしたら、ASE-Lab.で作った何かを打ち上げることができるかもしれないと。メンバーがやりたいことを形にできたらいいなと思ってます。

舟坂:ゼミの次のステップのような感じですね。専門性の高い学生たくさんいらっしゃいますものね

いぶすけ:うん、でもだからと言って文系が遠慮するとか、「私にはできないなぁ」って思って参加しない人がいるのは悲しいことだから、やりたいという思いに素直になって足を突っ込んでみるということも一つ大事な経験です。意外とできるのよ!ってとこもあるから。僕も今でこそ探査機の設計とかやってるけど、最初なんてCADって何?っていう状態から入ってるわけだから、やっぱ本人のモチベーション次第でどうにでもなるので。やりたいという気持ちがあるなら、ぜひやってほしい。後先考えずにとりあえず一歩踏み出してほしいというのが僕の願いです。

いぶすけ君の人生観

舟坂:最後に、いぶすけ君自身の目標について教えてください。

いぶすけ:宇宙のどこに興味があるかははっきりしてないんだけど。。僕が人生において大切にしてる漢字についてじゃぁ話そうと思います。「狂」「癡」「愚」っていう三つの漢字です。まず、狂の意味は「なりふり構わず没頭する」。癡っていうのは「好きなものに溺れる」、そして愚は「動きの鈍い動物」を指します。動きが鈍いぶん、その空間を誰よりも味わえるということらしいんだけど。僕は他のメンバーに比べて宇宙分野に関してスキルも知識も経験もないと思ってます。元々何もないからこそ、スキルや知識を吸収する過程である今やこれからを誰よりもじっくり味わえる人間でありたいという風に思っています。宇宙について毎日少しずつ学んで、多面的な見方をこの先の研究や人生に活かしていきたい。それが僕の人生の目標です。
具体的に何やりたいとかはまだで抽象的な話になっちゃった。

舟坂:うんうん、私はむしろやりたいこと決まってないことも良いことだと思っています。これからやりたいこと選び放題、色んなものをみる視野が出来上がっているってことだから!哲学的な理念を軸に生きている点や生きる目的について深く考えてしまう部分で言うと、自分とも似たものを感じるというか。。感性が似ていて親近感を感じました(笑

いぶすけ:自分は夜の散歩を日課にしていて、その時間で勉強とは少しかけ離れたこと、例えば生きるってどういうことなのか、宗教と科学の違いはなんだとか、そういう哲学的な事柄や人間関係など、「人」について深く考えを巡らせています。

舟坂:私も暇さえあれば、そういった哲学的な事柄に考えを巡らせる癖があって、側から見ると意味のないことなのかもしれないですが、意味のないものを味わう感性を大人になっても大切にしていきたいと思っています。本日はいぶすけ君が行っている宇宙関連の様々な活動から人生のモットーについてまで、色んなお話を聞けて楽しかったです!またいっぱいお話ししましょう!! 

この記事を読んで私達の活動に興味を持ってくださった学生さん!是非弊団体のウェブを覗いてみてください↓こちらから参加登録も出来ます。
団体ホームページ
https://ase-lab.space/

 
取材・文:早稲田大学 先進理工学部 物理学科2年 舟坂柚香 
(広報部メンバー)

 

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