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「ちぷたぷさん」_第2話

■第2話:Re.Start

〇安曇高校_グラウンド(夜)
  ひゅうと微風の吹き抜ける生徒玄関。
  絶句する一同。
晴香(M)「…今の、なに?」
  キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴り響く。
美桜「…誰よ」
美桜「おふざけもいい加減にしなさい!」
  生徒玄関をアップ。
美桜「夜間に学校に侵入するのは立派な校則違反よ!」
信二「いやいや、無理があるって」
  生徒玄関をさらにアップ。
信二「かいちょもわかってるでしょ? 俺たちは…」
未来「あ、あれ…」
  慄きながら生徒玄関を指差す未来。
  しゅっと、目にも止まらぬ速さで投擲される包丁。
  未来の喉を貫く。
未来「ぇ…」
  血泡を吹き出し、痙攣し、動かなくなる未来。
千冬「い、いやぁ!!」
夏樹「…おい。嘘だろ」
ちぷたぷさん「ちく、たく、ちく、たく、ちく、たく…」
  生徒玄関を見やる一同。
  ちぷたぷさんがいる。
  顔をあげて、にやっと笑う。
ちぷたぷさん「あははッ!」
  猛スピードで一同に迫る。
ちぷたぷさん「ねぇ私のために死んでよぉ! 私の秒針ずっと止まったままなの!」
  視線をちらつかせ、晴香に焦点を定めるちぷたぷさん。
  にやっと笑い、新たな包丁を投擲。
  ハッとする晴香。夏樹がかばったことでなんとか助かる。夏樹の頬からは、包丁が掠ったために血が流れている。
夏樹「逃げるぞ!」
  夏樹の一喝で、一同は我に帰り、ちりぢりに駆け出す。
  が、晴香はぺた座りしたまま動けない。
夏樹「なにやってんだハル!」
晴香「あ、足が…」
  痙攣するふくらはぎ。やや失禁までしている。
  晴香の真後ろまで迫るちぷたぷさん。包丁を振りかぶる。
  緊迫した顔をする夏樹。
夏樹「やめろぉ!」
  ぴたっと手を止めるちぷたぷさん。
  夏樹を見つめてにやっと笑い、校舎に駈けだす。
夏樹「…助かった、のか?」
  ハッとする夏樹。晴香をお姫様抱っこして旧校舎に駈けだす。
夏樹「はぁはぁ…」
晴香「ごめんねナツくん…」
夏樹「気にすんな。とにかく生き残るぞ」
夏樹(M)「噂通りなら1時間でゲームは終わるはずだ」

〇安曇高校_新校舎二階廊下(夜)
  旧校舎に入り込む夏樹と晴香。
  そんなふたりを新校舎から見下ろし、憤怒の表情をするちぷたぷさん。
ちぷたぷさん「…ちく、たく、ちく、たく」
  包丁から血を滴らせながら廊下を歩く。
ちぷたぷ「ちく、たく、ちく、たく、ちく、たく」

晴香(M)「その日、なぜ彼女がわたしを生かしたのか」
晴香(M)「この時はまだ知る由もなかった」

第2話 了
  

  
  


  

  

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