イギリス発達支援への道㉜次男:学校への移行会議(トランジッションミーティング)

EHCPに記載された次男の学校名は、EHCP取得前に通常の学校申請ルートで申し込んだMainstreamの学校でした。長男と同じ学校です。
保護者や本人が希望する学校でない場合でも、自治体はEHCPに学校の名前を記載する義務があるそうです。

学校変更希望は前記事で記載したアピールの手続きを進めていくとして、
9月からは、ひとまずEHCPに記載された学校に通わせることになります。
EHCPをもつ子どもは、学校の入学に向けて「移行会議(トランジッションミーティング)」が開かれます。
メンバーは
学校のSENCO、ナーサリーのSENCO、自閉症サポートチームメンバー(介入している人に限る)、ナーサリーのキーワーカー(次男の担当スタッフ)、保護者(私)
で行われました。

この会議では、対象のこどもについて
・日常生活(着替え・食事・トイレ)
・アレルギー・既往歴について
・コミュニケーション方法(ビジュアルカード使用、発語の有無など)
・パニック時の対処法
・慣らし通学スケジュール
・Stay&Playセッションのスケジュール(教室に慣れるために教室に遊びに行き、親子で過ごす機会)
・学校のトランジッションブックの共有(その子専用の情報共有ブック)
・EHCPに基づいた支援の提供の詳細についての相談
・学校移行後の自閉症チームからアドバイザリーチームへの引継ぎ
・その他不安や相談の共有

が主に行われました。(ナーサリーのSENCOに依頼すれば事前に会議の項目を教えてくれると思います)

子どもについての今までの情報(専門家のアセスメントやEHCP、ナーサリーでのレポートなど)は、すでにチームやナーサリーのSENCOによってすべてまとめて学校に送られます。そのため私が保護者として追加する情報はありませんでした。横のつながり、強いです。

会議中、学校のSENCOにはナーサリーや自閉症チームの担当という非常に心強いプロフェッショナル達が全て情報を共有してくれていたので、完全にお任せしました。(リスニング大集中です)

そして今回の会議で、私は以下の内容を重要視していました。
EHCPに基づいた支援の提供の詳細についての相談
②今後の学校選択について

①について、
EHCPは法的な文書であるため、ニーズや支援内容についての文言について具体的・明確に記さなければならないと規定されています。そのため、SectionFに記載された特定の支援内容において「1on1」や「〇人グループでのセッション」という具体的な支援体制を記されている必要があります。
しかしそれ以外の時間についての支援についてはEHCPには詳細に記載できず、あくまで進学が決定した学校の資源に依存するため、直接の相談をする必要があるそうです
(EHCPドラフトSENケースワーカーおよびSENDIASSより:私の自治体の場合)
そのため、学校にこの件について確認したところ、
「彼(次男)には基本的に1on1(個別加配)のエクストラサポートを提供し、経験あるTAを配置する予定である」と回答を得ました。
ナーサリーもチームも私も、心の中で超絶ガッツポーズです。

②については、今後裁判所に控訴を行うにあたり、学校に協力を得ながら「アピールに足るエビデンス」を集めていく必要があります。
そのため、学校に今後(学年が上がる)の彼の状態に対する懸念とアピールの意向を話し、それに対しての証拠を集めるために学校とコミュニケーションの機会を取っていきたいという想いを伝えました。
学校側もそれは十分に納得しており、「アピールの手続きはするべきだ」との回答を貰いました。
そして、交換ノートや必要時ミーティングといった形でコミュニケーションを行っていくことにしました。
正直なところ
「次男のために受け入れ準備をしてくれている学校にこんなことをいって失礼になるかな?」と心配していましたが、学校の協力を得るためにも、正直に伝えるべきだそうです(同じ境遇の現地先輩ママたち談)

45分程度で面談は終了しました。
あとは、学校から家庭訪問や慣らしを徐々に行い、入学を待つことになります。

ここまでくると次男の柱となる支援構築は、この1年でようやく形になってきたように感じます(完璧を目指せばキリがありませんが…)。

なかなか不安は尽きませんが、渡英したての1年前とは決定的に違うことがあります。
それは、私たちの周りには、国や言葉を超えて手を差し伸べてくれる多くの仲間ができたということです。私たち家族だけでは乗り越えられなかったであろう場面がいくつもあります。
そんな優しい方々が周りにいてくれることに、心から感謝する日々です。



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